2019年5月23日

シエラレオネ 2

舗装終了、また原初の農村ゾーンへ。


未舗装でも比較的状態が良い。




アバトコールは変わらず。


(動画を撮影したが現在SIMの残量わずかのため後日アップします)

自然な風景を撮りたくて、遠方からズームで。


でもすぐに気づかれ。


全員にバレた。




長い棒を使ってマンゴーを落とす子供たち。


もぎたてマンゴーを次々に僕にくれた。






車輪を使った創作おもちゃも共通して見られる、これは車輪じゃなくてチェーンリングだけど。






集団でいる時に僕と出くわすと調子に乗って囃し立てる。
一人でいる時に僕と出くわすとビビって逃げていく。
これも子供の習性としてどこへ行っても同じ。



不意に、チェーンリングに異変を感じた。


なんと、インナーを固定しているネジの5つのうち3つが吹っ飛んでいた。


これは不覚。
日々のチェック不足だったか。
この時まで異常はなかったので、ごく短い期間で次々にネジが緩んで外れてしまったと思われる。
特殊なタイプのネジなので、代用品を見つけるのは難しそうだ。
残った2つのネジ、これだとバランスが悪いので位置をずらしてできるだけ対角線上で固定する。
5点止めのうちの2点なので正確に対角線上にすることはできないが、なんとか応急処置した。
しかしこれでは強度がなさすぎる、今まで通りに力をこめてこいだらいずれ崩壊するだろう。

この作業をしている間も、村人たちが集まってきて至近距離で僕を見つめる。
僕としては作業に集中したいし、あまり近寄られると盗られたりいじられたりしないよう警戒度を上げなければならないので、ほっといてほしい。

アフリカだけでなく、貧しい国を旅するには、日々大注目を浴びることを覚悟しなければならない。
僕は長年の旅で、ある程度は慣れているつもりだが、あくまである程度だ。
長時間見つめられ続けることがストレスにならないわけがない。
そんな僕の心情を推し量ることなど、ここの村人たちがするはずもなく、無言で容赦ない強烈な視線を浴びせられ続けた。
昼間っからヒマそうに突っ立ってやがって、働けニートども!
あ、ニートは僕だった。



その後は路面も荒れ、アップダウンもキツくなった。
未舗装を1日で100km以上走って疲れ果て、ボーという街に到着。

14万レオン(1782円)の宿に投宿。
電気は夜間のみ、Wi-Fi以外の必要なものはそろっている。

シエラレオネでは、ネットは断念。
宿にWi-Fiはないし、小国なのでSIMを買うのも面倒、買ったとしても田舎街だとネット接続方法を教えてくれる人も少なそうだ。
一国まるまるネットできなかったのはトルクメニスタン以来か、いや沿ドニエストル共和国以来か。

首都に行っていないのではっきりとはわからないが、もしかしたらシエラレオネではATMが使えないかもしれない。
ボーで2軒のATMを試したが、ひとつは中華系で、もうひとつはその銀行のカード以外は受け付けないものだった。
夕方に街に到着したので銀行も両替屋も閉まっており、路上の闇の人に両替してもらった。
レートは悪かったが、他に現地通貨を得る手段がなかったので渋々応じた。

ボーの先は、舗装されたばかりのニューロード。


快適。
しかしまだ未完成で、所々工事中の箇所あり。
道路建設しているのは、やはり中国。
さんざんチンチョンチンチョンとバカにしていたアフリカ人、現実には中国人の監督の下で使われている。
道路一本自力でつくることさえできないアフリカ。
そのうち公用語が中国語になる日が来るかもしれない。

言葉がまた変わった。
今度は「モムイ」と呼ばれる。
もういい、もうなんでもいい、もう十分。

ジンミという村で1泊。
完全ローカル仕様の宿で1泊。
地元の人しかわからない場所にあり、人に聞いて連れて行ってもらった。
3万レオン(381円)。
1000円以下の宿などなかった西アフリカで、いきなり最安記録。

最大の問題は、扇風機がないことだった。
この宿はせっかく電気が通っているのに、扇風機がないとは。
ここ最近は風が吹かず、高温多湿、不快度指数マックス。

日没後も、外で座って扇子であおぎ続ける。
座ってじっとしているだけでも暑くてしょうがない。

他の人たちは平気な顔をしている。
もう施錠するからと言われ、渋々部屋へ戻って寝ることを試みた。

地獄のような一夜だった。
窓とドアを全開にしてもまったく空気が動かず。
そして南京虫だろうか、全身がかゆくて掻きむしりまくる。
片手で扇子であおぎ続け、片手で体を掻き続ける。
ほとんど眠れた気がしないが、時々「アツイ」「アツイ」という言葉を発する自分の声にハッとする。
逃げ場がない。
明け方の2時間ぐらいは眠れた気がした。

この地の人々がこの気候で平然と眠れるというのは驚異的だ。
環境に適応した体質であるのは言うまでもないが、こうも違うものか。
今まではなんとか扇風機のある宿でつないできたが、一般的な家庭には扇風機などないし、そもそも電気が通っていない。
もしここに住み続けることになったら、僕は1ヶ月ほどで死ぬと思う。





ジンミからリベリア国境まではほぼ未舗装。


路面は荒く、アップダウンもキツイ。
こういう道では、ドライバーはいっそう荒くなる。
猛烈な砂埃を巻き上げながら、僕に気を遣って減速するどころかクラクションを鳴らしながら猛スピードで突っ込んでくる。

このキツイ思いをしている時にも「モムイ、モムイ」とうるさい。



現在中国によって舗装工事進行中。
数年後には舗装完了しているだろうか。

シエラレオネレオン。





Monrovia, Liberia