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2019年7月6日

アラスカ → カナダ 国境越え

アラスカ側
国境の手前にアメリカのイミグレーションがあるが、これは逆方向からのアメリカ入国者専用で、カナダに向かう者は何もせずスルー。

カナダ側
何も手続きせずにカナダ入国。


カナダのイミグレーションは国境から29km先。
最初の街ビーバークリークの3km手前。

うろ覚えだが、13年前は国境付近にイミグレーションがあり、そこで手続きを済ませたと思う。
その後、この写真を撮った。


同じ写真を撮りたかったが、この標識もなくなっていた。
国境も変わるものだな。

道路標識はマイルからkmに変わり、わずらわしい計算をする必要がなくなった。
ここはまぎれもなくカナダなので、緩衝地帯ではない。
でも店も家屋もない、しばし無人地帯を進む。

イミグレーションに到着。
行列もなく、待機することなく窓口へ。
係員の口調は穏やかで紳士的だったが、思いのほか質問の数が多かった。
返答に困るような難しい質問はなかったが、現在の所持金(現金)まで聞かれたのは意外だった。

6ヶ月以内の滞在であればビザ不要。
空路での入国にはeTAが必要だが、陸路では不要。

アメリカ出国スタンプはなし。

両替
両替屋はない。
アラスカ最後の街トークに銀行があり、そこでカナダドルを入手できるかもしれないが未確認。
両国ともに、小さな街でもGSに併設されている売店の中、あるいはスーパーの中にATMがある。

13年前はシティバンクのキャッシュカードしか持っておらず、引き出せるATMが限られており、小さな街のATMでは引き出すことができなかった。
カナダでは、USドルでの支払いも受け入れてくれる。
でも、たとえば料金がC$10(828円)の場合、レート換算ではなく同じ数字のUS$10(1084円)を求められるので損をする。
国境から480km先のホワイトホースのATMでようやくカナダドルを入手でき、それまではUSドルで払い続けた悲しい思い出がある。
今回は、最初の街ビーバークリークのATMで無事引き出すことができた。


Haines Junction, Yukon, Canada



アラスカハイウェイ 1

しばしフラット。


アラスカ最後の都市フェアバンクスを離れると、というかアラスカには都市が2つしかないのだが、また人口希薄になり、食料の補給が困難になっていく。
次の都市は、フェアバンクスから1000kmほど南東のカナダのホワイトホース。
それまでは、街に小さなスーパーはあっても割高で品ぞろえも少なく、ひもじい思いに耐え忍ぶことになる。



アラスカにも夏が迫ってきており、日々気温上昇している。
晴天時は日差しが強く、そろそろ30℃に達しそうな勢いだ。

アラスカ・アンカレッジで史上最高32.2℃記録

フェアバンクスから75kmほどのキャンプ場で1泊、US$20。
ここは木が少なく、木陰にテントを張ってもしばらくすると日が動いて直射日光を食らってしまう。
暑くてとてもいられない、日が沈むまで待とう。
と思ったらここは日が沈んでくれないのだ。

たまらずキャンプ場の売店でアイス、US$4。


アイスひとつにUS$4はやりすぎだが、ガマンできない。
それに、ボリュームがすばらしい。
写真では伝わらないが、ガッツリ盛ってくれてズッシリと重い。

21~22時ぐらいでようやく気温が落ち、テントの中に入れる。





水辺でムースの親子を見た。
母ムースは馬並みのサイズ。
20mほどの近距離。
驚いてすぐに親子ともども森の中へと姿を消してしまった。
写真は撮れず。



その後もまた1頭のムースを見たが、やはりすぐに逃げてしまった。

デルタジャンクションのキャンプ場で1泊、US$20。
ここは22~8時の間、トイレ・シャワールームが施錠されてしまう。
「夜中にトイレに行きたくなったらどうすればいいの?」と聞いたら「その辺の森の中でどうぞ」と言われた。

キャンプ場には私営と公営の二種類があり、デルタジャンクションには両方ある。
公営はシャワーも電源もないのに、US$15もする。
これだったら野宿した方がいい。
どうせお金を払うなら、必要なものがそろったUS$20の私営に泊まる。
夜間にトイレ・シャワールームを施錠するのは防犯のためなのだろうけど、設備がそろっているのが私営の売りなのだから、パスコードで解錠できるようなシステムをつくっておくれ。

デルタジャンクションからカナダに向かってアラスカハイウェイが始まる。
引き続きフラット。


ようやく撮れたムース。


前方から見るとシカっぽいけど、面長なので横を向くとウマ。


イカツイ。


どうしても手前の木にピントがいってしまう。

森の中の野宿は虫がすさまじい。


蚊だけでなく小バエのような虫が、僕の周囲にもテントの周囲にも無数に集まって常時包囲される。
テントの中に入ってこないよう、出入りの際は注意しなければならない。
クマ対策のためテントから離れたところで調理するのだが、虫たちはずっとつきまとってくる。
ハエ類は日が沈めばおとなしくなるものだが、ここは日が沈んでくれないのだ。
蚊取り線香を買うべきかな、物価が高すぎるのでそれすらもケチってしまう。

フェアバンクスでもらったこのテント、耐水性がかなり怪しい。
ここ数日は天気が安定しているが、雨が降り出したらヤバそうだ。

近くにきれいな小川。


水はとても冷たいが、この日も日中は暑くて汗をかいたので、軽く水浴びし、洗濯もした。
わずかな時間の水浴びだったが、2匹のヒルが足にひっついていた。



針葉樹林の海。




典型的なアラスカの風景が続く。



アラスカ最後の街、トークで2泊。


3~4軒のキャンプ場があり、最安のこのキャンプ場は、テントサイトがUS$16。
敷地内にホステルもあり、テントサイトよりも安いUS$12。

これがそのホステル!


4ベッドドミトリー。


アラスカのあらゆる宿泊施設の中で、ここは最安かもしれない。
800mほど離れた隣のキャンプ場は、テントサイトでUS$34.50、頭おかしい。

このキャンプ場はセルフサービス。
希望の場所を選び、封筒に必要事項を記入してお金を入れてポストに投函する。
なので、管理者は不在が多い。
部外者も敷地内に侵入できて、ドアも鍵もないこのホステルの室内にも容易に入れてしまう。
無用心極まりない。

あと、室内にコンセントがないのも問題。

しかしキッチンがあり、冷蔵庫もあり、ロッカーもある。


ここまでのサービスがあるキャンプ場はなかなかない。
ここもその気になれば誰でも来れて、勝手にキッチンを使用したり備品を盗んだりもできてしまう無防備っぷり。
冷蔵庫にはドリンクがストックされており、「飲んだらUS$1置いといて」と書かれている。
治安の良さが表れている。

トイレ・シャワールームは施錠されている。
ドアに貼られているQRコードをスキャンすればパスコードが表示されて解錠できるが、これって部外者でもスキャンできてしまうから施錠の意味がないのでは?

早くも忘れかけていたが、西アフリカでは、いや西だけでなくアフリカ全土だと思うが、宿泊施設を始め建物は鉄条網付きの塀に囲まれ、ガードマンが常備していた(ちゃんと仕事してるのかどうかは怪しいもんだが)。
スーパーや携帯屋のような店でさえ、ライフルを持ったガードマンがにらみをきかせており、ちょっと買い物するだけでも物々しく武装した者が身近にいた。
同じ人間でも、社会構造の違いが極端だ。

街には1軒のスーパーあり。
まともなスーパーだが、やはり全体的に割高で品ぞろえも今ひとつ。

米がない。
アメリカもやはり、米は圧倒的にロンググレインが主流。
都市の巨大スーパーだったら日本の米に近いラウンドグレインを見つけられるが、田舎街のスーパーはロンググレインのみ。
ロンググレインなんて同じ米とは思えない、とても買う気しない。

仕方なく米はあきらめ、スパゲティ。
スープスパゲティはもう飽き飽きなので、パスタソースを買ってみた。


チキンとナスとチーズを加えて、なかなかの出来。

でも考えてみたら、自炊の初歩はこういうスタイルから始まるものなんだろうな。
僕はこれをすっ飛ばしてずっとスープスパゲティでやってきた。
実際、燃料の消費などコスパを考えるとスープスパゲティが最強なので、野宿時はいいが、キッチンがあるようなところではもっとバリエーションを増やしたい。

小学生の時によく飲んだやつ。


電子機器の充電は、このキッチンにあるコンセントで。
キャンプ場でいつも気がかりなのが、充電。
ほとんどのキャンパーはRVで電気も水道も接続し、何一つ不自由ないだろうが(その分高いが)、少数派のテント(今回はドミトリーだが)は、いつも充電できる場所を探さなければならない。
コンセントがあるのはたいていランドリーとかキッチンとかの共用部なので、迷惑かもしれないがしばらく居座る。

意外にテントサイトを利用している人が多く、キッチンのコンセントが埋まってしまうことも。


ここ十数年で、スマホを始めとする電子機器なしでの旅は考えられなくなってしまった。
強力な武器を得たものの、電源という課題がある。
もちろんモバイルバッテリーは持っているがそれは補助的なもので、宿泊する時はコンセントからしっかり充電しておきたい。
ほとんどの旅行者が必要とするものだが、ホステルやキャンプ場などはいまだ十分な電源の提供が追いついていないのが現状。

翌日は90kmほど進み、無料の公営キャンプ場。


キャンプ場といっても、簡易トイレとゴミ箱とピクニックテーブルがあるだけ、公園と変わらないから無料でいいと思う。



数日前に出会ったアメリカ人マダムサイクリスト3人組(60~70歳ぐらい?)、それからフィンランド人カップルサイクリスト(女性は両足義足)もやってきた。
これから先、サイクリストとの出会いがもっと増えると思われる。

せっかくのレイクビューだが、あいにくの曇天。



Haines Junction, Yukon, Canada

24134km



2019年6月26日

フェアバンクス

アラスカ第2の都市フェアバンクスに到着。

アラスカに来てから、WARMSHOWERSの承諾率は100%だった。
他の地域ではリクエストを送っても返信がなかったり拒否されることも多かったので、複数のホストに一斉リクエストを送ったりしたものだが、ここでは一発で成立する。

でも、フェアバンクスではうまくいかなかった。
プロフィールを読んでもめぼしいものが見つからず、とりあえず2人のホストにリクエストを送ってみたが、返信なしだった。

ホステルは最安でもUS$28、キャンプ場でも平気でUS$30以上したりする。
13年前はどこのキャンプ場でいくらだったか、まったく思い出せない。

なんとかUS$20のキャンプ場を見つけた。
しかし、トイレ・シャワー・ランドリーがある建物が工事中のため使用できず。
US$20✕2泊も払ったのにシャワーを浴びれない!?
トイレは簡易トイレ、つまりボットン。
水道は外のホース。
コンセントは屋根のない雨ざらし。
なんだかひどいところだ。

仮に工事中じゃなかったとしても、全体的にボロく、手入れも行き届いていない。
物価の安い国と比較してもしょうがないが、安い国でUS$20といったら、それはそれはゴージャスなホテルに泊まれるもので、旅人の予算を大きくオーバーしてしまうので罪悪感すらある。
アラスカの都市でUS$20だとこのレベルになってしまうのか。

このキャンプ場から4kmほど離れた大学で無料シャワーがあるというので行ってみたのだが、見つけられず。
それがダメならコインランドリーにシャワーがあるというので行ってみたら、12分でUS$4.75。
ひどいところだ。

この日は夏至。
深夜0:30のフェアバンクス。


夜はめったに出歩かないが、ちょっと散歩してみた。


日没は0:48、日の出は2:57。



もうすぐ夜、2時間後には朝。



翌日は雨。
洗濯物がまったく乾かない。
休養だけでなく、身の周りのものをきっちりきれいにしたいとも思っていたのに。

なんだかいろいろうまくいかないので、市街から離れたWARMSHOWRERSのホストにリクエストを送ってみた。
プロフィールを読んで「この人はイケそう」という予感が的中、すぐに承諾の返信が来た。
すでに2泊分払っていたのでこの日もキャンプ場に泊まる予定だったが、「今からでもウチに来たら?」と言ってくれた。
シャワーも浴びれないキャンプ場に居続ける理由もない、お言葉に甘えることにした。

距離は12kmほどだが、ずっと登り。
みるみる山の中に入っていき、、、


けっこうハードな登り。
スピードが落ちると無数の蚊に包囲され、容赦ない攻撃を食らう。

なんだかすごいところに住んでるのね。


無事、山の中の一軒家にたどり着いた。
2人の女性がここで暮らしている。
夜遅い(といっても明るいが)到着になってしまったので、この日はあまり話もせず、就寝。

トイレ・バスルーム付きのゲストルーム、これはリラックスできる。


翌日は晴天。
街へ買い物へ。

ウォルマートに行けば何でもそろうが、裏を返せばウォルマートに行かなければ何も買えない。
山の中はもちろん市街地でも、コンビニや売店や小さなスーパーなどはまったくといっていいほどない(強いていえばGSにコンビニっぽいのがある)。
宿泊地からウォルマートまで何kmか、というのが重要になってくる。
最初WARMSHOWERSのターゲットを市街中心に絞ったのもそういう理由があった。



ダウンタウンには行かなかった。
用があるのはウォルマートを始めとする巨大な店が集結するショッピングエリアのみ。



全体的な物価は非常に高いが、都市部にある巨大スーパーなら、豊富な品ぞろえの中からなんとかして割安商品を見つけ出し、出費を抑えてたくさん食える。
田舎の小さな店だと選択肢が少なく、割高商品しか買えずひもじい思いをする。



テントを買い替えたいのだが、いいものが見つからない。
アウトドアショップだとバカ高いのしかなく、ウォルマートだとまたすぐ壊れそうなちゃっちいのしかない。
ちょうどいいのはないのか。

フレッドマイヤー。


ここも日用品からアウトドア用品までそろっているが、食品に重点が置かれており、やや意識高め食品スーパーといった感じで、値段も少し高めの印象。

こんな略し方するんだな。


「PED」=Pedestrian(歩行者)
「XING」=Crossing(横断)

サイクリングは盛んだが、自転車で買い物に来る人は少数。


圧倒的に車、一度に全体を見渡せないほど広大な駐車場。


RV用スペースもある。


しかしほんとデカイな。


帰宅、すぐメシ。


偉大なるアメリカの最高傑作、ココナッツクリームパイ。


13年前の北米旅行でもこいつにドハマリした。
680gでUS$8。
大好きなスイーツのためなら惜しまないよ。



ココナッツは割とどうでもいい、何よりもこのたっぷりクリーム!


ホイップとカスタードの二層構造。



ああ、このクリームの海で溺死したい。

本物のコカコーラは20oz(591ml)でUS$2以上、高すぎて手が出ないが、ニセコーラは2Lで99¢。


1.5Lや500mlのペットボトルがほとんどなく、自転車のボトルケージにはまらないのが困る。
20oz(591ml)のペットボトルも太くて入らない。

スーパーにはもちろんアジアンフードもある。
でもカップラーメンなんかは、どうもイケてないものばかり。
日本にはすばらしいカップラーメンがいくらでもあるのに、ここではわざわざイケてないものだけを選んだのではと思うほど。
こういうところでもアメリカ人との味覚の違いが出る。

このうどんはちゃんと日本の味だった。


キッチンも自由に使っていいと言われたので自炊するつもりだったが、この日はディナーをごちそうになった。

カリブーの肉。


アラスカでは、クマ、ムース、カリブー、ドールシープ、ウサギ、など多様な野生動物の肉が食される。
でもスーパーには売っていない、どうやって入手したのかと聞いたら、ハンティングしたのだという。
たくましすぎる。
カリブーは、筋ばっていて牛肉に近いが、とても柔らかい。





ガレージはやはり大量の自転車。


テントの件を話したら、使ってないテントがあるからよかったらあげるよ、と。


ラッキー!
サイズは2人用なので狭いが、雨が多いとこういう前室のあるタイプがいい。







ひとりで留守番してた時、物音がしたので様子を見に行ったら、ルンバが掃除してた。


これって自動で作動するのか。

自炊。


どこへ行っても内蔵だけは安い。
内臓は節約派の味方。



3泊。
いやー、ゆっくり休めた。
洗濯して、寝袋も干して、すべてきれいにして、明日出発。


Fairbanks, Alaska, USA