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2020年9月12日

新車購入!


SURLY DISC TRUCKER。


ツーリングの世界ではド定番のSURLY。
出会ったサイクリストでも愛用している人が多く、試乗させてもらったりして以前から欲しいと思っていた。

今まで旅を伴にした和製ツーリング車は、クオリティや乗り心地は良かったもののクラシカルな仕様のため、ディスクブレーキを搭載できなかったりタイヤのクリアランスが狭すぎたり、など自由度が低かった。
メキシコシティで折れたステムも古風なタイプで、同じ物が売ってないわけではないが現代では主流ではない。
世界をまわる自転車なら、世界中でパーツが難なく入手できるような互換性の高さが求められる。
SURLYのツーリング車は、そういったニーズに応えられるようなコンセプトでつくられている。

三代目BROOKSサドル。

バーテープもBROOKSのレザー。

前傾よりもやや起き上がった姿勢で走行したいので、ハンドル位置は高め。

ブレーキは今後はディスクでいく。

過去に何度も経験したリム割れは複数の原因があるが、リムブレーキによるダメージで外側から内側につぶれてしまうケースが多かった。
ディスクならリムを痛める心配がない。

欧米では普及度が高いハブダイナモ。

ハブの回転によって発電。

ライト点灯。

このハブダイナモを利用してモバイルバッテリーを充電できるような装置をこれから模索してみる。


荷物満載で過酷な条件下を走る想定で、ギア比は思いっきり低め。

リアは今まで9段だったが今後は10段で。

BLUE LUG上馬店でオーダー。

ひとつひとつのパーツを相談しながら注文して、要望を聞いてもらいながら組んでもらった。


防犯のためにも風雨を避けるためにも、愛車は部屋に保管したい。
しかし圧倒的に狭い我が家。
物が比較的少ない僕でも、この三畳部屋に自転車を置くともう身動きとれない。
そして部屋は2階なので狭い階段の昇り降りが大変。


以上、取り急ぎ報告。
もっと詳しくレポートしたいところだが、これからスタンドやキャリアの取り付けや調整などもあり、追々アップしていきます。



2019年12月6日

サンディエゴ

アメリカ最後の街となるサンディエゴ。


LAよりサンディエゴの方がメキシコに近いのに、こっちの街並みの方がアメリカ的でメキシコっぽさは感じない。


調べたところ、最安のホステルが$26。
連泊するには高すぎるので、なんとしてもWARMSHOWERSを見つけるべくリクエストを送りまくり、見事ひとりだけ了承してくれた人がいた。

街の中心からはやや離れた住宅地。
庭でテント泊。

離れの小屋にトイレ、シャワー、ランドリー、コンセントあり。
Wi-Fiもあり。

ホストは年のいったおじいさんで、自転車には興味ないが旅人を泊めるのが好きで、過去に多くのサイクリストがここで停泊していったようだ。

自転車パーツはまだ摩耗しきったわけではないが、中南米突入前に整備しておきたい。
ホスト宅から徒歩圏に自転車屋がある。
ここで、シュワルベMARATHONのジャストサイズを発見してしまった。
ラスベガス近辺で散々探して見つけられなかったのに、今かよ。
ここでタイヤが摩耗してシュワルベに履き替えてメキシコインできたら理想だったのだが、そううまくいくものでもない。
次にこれを見つけるのは一体どこになるやら。
かなり悩んだが、結果買わないことにした
とりあえず今履いているコンティネンタルのタイヤを信じよう。


パーツを取り寄せるのに3日かかるということで、待機。
中心地の大きな自転車屋だったら待つことなくパーツをそろえることができたかもしれないが、ホスト宅からあまりに遠い。
滞在費はかからないから、これを機にゆっくり休むのもいい。
家の中だとなにかと気を遣ってしまうが、テントの中なら何も気にせず思いっきりダラけられる。

徒歩圏にスーパーがあるのはラッキーだが、やはり高い。
アメリカは、ウォルマートと1ドルショップがないと出費がひどい。

最後にどうしても、ココナッツクリームパイを食べてからアメリカとおさらばしたいのだが、最近全然見かけない。
悲しい。
チャイニーズビュッフェも、あることはあるが近辺にはない。

自転車がないので、遠くの店には行けない。
あったとしても、とにかく街の規模が大きいし高速トラップが網羅されているので気軽には動けない。
電車でどこでも行ける東京って便利だなと思った。

まだ車を運転できない少年少女たちは、自宅から自力で行ける範囲ってすごく狭そう。
そういうとこはスタンドバイミーの時代から変わってないんじゃないかな。

また天気が崩れ、雨。
ホストにランチに連れて行ってもらった。

IN-N-OUTというチェーン店。
日本で例えるならモスバーガーだろうか。
手作り感があり、オーダーしてから出てくるまでけっこう待った。
マクドナルドよりは本物っぽいハンバーガーだった。
店員の対応もちゃんとしていた。

駆動系一新、完了。

アメリカ滞在期限が12月6日。
今日は5日。
自転車屋にも事情を説明して、なんとか期日内に済ませてほしいとお願いしていた。
旅をしているとこういう約束もいとも簡単に裏切られることが多いのだが、さすがアメリカ、きっちり仕事してくれた。

3日間、短い外出はしたものの、ほぼテントにいた。
やることなくても、退屈するわけでもなく、たっぷり寝てネットやってると、あっという間に時間はすぎていた。

明日、メキシコ入りする。


San Diego, California, USA



2019年6月12日

アンカレッジ

イギリスの探検家ジェームズ・クックと。


13年前の2006年6月、初めての世界旅行の出発点がここアンカレッジだった。



あの時は何もかもが初めてで、あらゆることに驚き、あらゆることが刺激的で、異国の地を踏みしめていることを全身全霊で感じた。
もちろん、あの頃の自分に戻ることはできない。
一度旅した場所をもう一度旅するということはめったにやらない。
ただ、今までずっと未知の土地を旅し続けてきた反面、僕には原点回帰の習性もある。
もう何年も前から、アメリカ大陸をもう一度やりたいという思いに駆られてきた。
この大陸自体が魅力あふれるものだからというのもあるが、また原点に帰って、今の自分の感性でもう一度味わってみたい。

とりあえず、リアディレーラーが破壊されたことで走行不能状態、空港から動けず。
あらかじめ連絡を取り合っていたWARMSHOWERSのホストに車で迎えにきてもらった。



アラスカ。
アメリカ合衆国最北に位置する最大の州であり、世界最大の飛び地。
日本の4.5倍の面積に、人口73万人。
13年前はたしか60万人といっていたから、ちょっと増えた?
人口密度は0.4人/k㎡(人口密度世界最小国のモンゴルが2人/k㎡)。
全人口の半数近くがアンカレッジに集中している。



ユーラシア大陸とアメリカ大陸が陸続きだった氷河期に、東進してきた人類はアメリカ大陸へ渡り、インディアンやエスキモーが長らく居住してきた。
18世紀にロシアの探検家ベーリングがアラスカに上陸した後、アラスカはロシア領となった。

ロシアはクリミア戦争で財政難に陥り、また宿敵のイギリスに領土を奪われることも牽制して、1867年、当時中立であったアメリカにアラスカを売却した。
当時のアメリカ国務長官は「巨大な冷蔵庫を買った男」と国内で揶揄されたが、後にアラスカには金鉱や油田など豊富な地下資源が眠っていることがわかり、また冷戦以降のロシアの勢力拡大を防ぐ防波堤としても、アラスカは評価されるようになった。



日中20℃。
日の出4:23、日没23:35。
深夜も完全な暗闇にはならない。

大都市感はない。
やや背の高いビルがポツポツと点在している程度。
土地があり余ってスカスカな感じ。



交差点には物乞いのような先住民が座っていたり、「CAR WASH」と書かれた紙を持って立っていたりする。
これは13年前から変わってない。
というか、何も変わってない?

ダウンタウン。






屋台で売られているのはシカ肉のソーセージ、US$6.50。
買わん。
ステーキなら考えちゃうが、ソーセージにしてしまったら何の肉かもわからんし。





今も昔も、アメリカで買い物といったらウォルマート。


食料から日用品、衣類、家電、アウトドア、銃まで、ここに来れば何でもそろう。
こういう店はすべて平屋で、広大な敷地を端から端まで歩くだけで一苦労。
スケールの違いを改めて実感。
このウォルマートは市街地にあるのでやや小さめの規模ではある。

アウトドア用品は本格的な店だと高くつくので、僕はウォルマートで買ってしまう。
テント購入。


床面積2.1m✕2.1m、高さ1.3m、重量3.7kg。
US$99。

物価は非常に高い。
アメリカの他の州と比べて、アラスカはずば抜けて高い(ニューヨークの中心地とかは知らない)。
スーパーの商品は軒並み割高で、本当に必要な物以外は何も買えない。

13年前はユースホステルに宿泊し、たしかドミトリー1泊US$20だった。
現在そのYHは閉業してしまい、他の宿はドミトリーでもUS$30以下は存在しないようだ。
キャンプ場でもテントを張るだけでUS$30近くする。

大好物、ジェリービーンズ。


これは一度食べ始めたら本当に止まらない。
非常に中毒性の高い危険な代物。

ショッピングモール内のAT&TでSIM購入。


1ヶ月有効8GBでUS$50。
ビックリするほど高いが、これは別にアラスカ価格ではなく全米共通だと思う。
ヨーロッパのvodafoneでも、5GBで1800円ほどだった。

でもたとえば、US$25のキャンプ場に2泊したらもうUS$50だ。
スマホを駆使してWARMSHOWERSのホストと連絡を取ることができれば、宿泊費ゼロですむ日が増えて、結果コスト削減となる。

WARMSHOWERSはアメリカ発祥。
旅人に部屋を提供するホスピタリティは、ネットが普及するはるか以前よりアメリカには根付いている。

最大手アウトドアショップ、REI。


アウトドア大国。
本当にスケールが違う。
アウトドアの普及度が違う。
店内でパシャパシャ撮りたい衝動に駆られたが自粛した。



REIではないが、Sportsman's Warehouseというこれまた巨大なアウトドアショップで靴購入。


Timberlandの防水トレッキングシューズ。
US$109。

アメリカは、すべての単位が他の国と異なる。
長さはマイル、ヤード、フィート、インチ。
重さはポンド。
体積はガロン。
温度は華氏°F。

でも店で売られている商品はだいたい2つの単位で併記されているので、いちいち計算しなければならないわけではない。
靴も、ちゃんとcmでのサイズも表記されていた。
ただし、道路標識の距離表示はマイルのみなので自分で計算しなければならない。
一番計算がやっかいなのが温度の°Fで、これはもう僕はあきらめている。

いいかげん素直にグローバルスタンダードに合わせればいいのに、頑固なアメリカさん。

床屋に行った。
洗髪洗顔などのサービスは一切なし、カットのみでUS$20。

最重要の自転車修理。


「ものすごい距離を走ってきたんだね」と言われた。
「so many miles」という表現がいかにもアメリカ人らしい。

ヨーロッパの雨、サハラの砂、西アフリカの泥で腐りきっていた駆動系パーツを一新。


リアディレーラー、スプロケット、チェーン交換。


チェーンリング、ボトムブラケット交換。


プロが取り付けてくれたから、もうネジが緩むなんてこともないだろう。

計US$350。
高い。
駆動系を一新するだけでこんなかかるはずはない。
レシートを見ると、ひとつひとつのパーツがべらぼうに高い。
どうしてこんなに高いのだろう?

いやー、金使ったなー。
アンカレッジに着いてから走行態勢を整えるのに、US$800以上使ってしまった。
宿泊費はゼロにおさえたにもかかわらず。
飛行機代も合わせると、この数日で軽く25万円は吹っ飛んだ。



アメリカでも日本食の普及っぷりがすごい。


アメリカでもヨーロッパでも、以前は探せばどこかにあるぐらいだったが、今はあちこちで日本食の店が目に入ってくる。



マックシェイクの上にホイップクリームがのっかってるなんて、ステキ。


ビッグマックのセットにアップルパイを付けて、US$11.75。
とんでもないごちそうだ。
他の州だったらいくらぐらいだろう。

お世話になったWARMSHOWERS宅。


アラスカにマンションとかアパートって存在するだろうか。
全部一戸建てのような気がする。

若い夫婦と1歳の娘さんがここで暮らしている。
家族は1階だけを使用しており、2階は使っていないので自由に使っていいとのこと。

広々とした庭。


土地が広いっていいことだ。

ヨーロッパのWARMSHOWERS宅もそうだったが、ガレージには人数分以上の自転車、パーツ類、工具一式がそろう作業場となっている。


日本の一般家庭にはまず存在しない振れ取り台なんかも備わっている。

一般家庭に連泊するのは気が引けるが、何泊でもしていいよと言ってくれた。
自転車修理と必要物資の買い出しで3日かかったが、それよりも体力の衰えが激しい。
西アフリカのひどい食環境、マラリアの高熱、40時間のロングフライト、と強烈なパンチの連続だった。
自転車で街中を周っただけでグタッと疲れ、身体に栄養が足りていないのを感じる。

正直、ごちそうにも期待してしまうが、ここの家庭もベジタリアン。
ヨーロッパのWARMSHOWERS宅も大半がベジタリアンだったが、アメリカもそうなのだろうか。
食事の量も決して多くはなく、この食生活でどうしてあんな立派なガタイに育つのか不思議でしょうがない。
でもアラスカという土地柄、魚は食べるようだ。

奥さんは元空軍で、身長182cmぐらいあるだろうか。
とてもやさしい人だが、女性から見下ろされて話をするのは威圧感がある。

今日で4泊目。
明日には出発する。


Anchorage, Alaska, USA



2019年1月2日

ロッテルダム 1

明けましておめでとうございます。
旅を始めて9ヶ月半。
今一番食べたいものは、お餅です。

ロッテルダムでは、タジキスタンで出会ったオランダ人サイクリストのJeroen(とても難しい発音でどうカタカナ表記していいかわからない)のお宅へ招かれた。
早口英語で会話についていくのが大変だが、ナイスガイなジェントルマン。
Jeroenのガールフレンドも早口英語で、これはもうフィーリングでやっていくしかない。
ふたりは年明けにキューバへ自転車旅に行くらしい。

ツーリング向けの自転車屋を知っているというので、連れて行ってもらった。
僕の自転車は、プロに見せたら怒られそうなレベルで、多くのパーツがひどく摩耗していた。
雨天エリアを抜けてからパーツ交換するつもりだったが、もういいかげん限界だし、せっかくいい店を紹介してもらったので、これを機に一新。
さすが自転車大国の店だけあって豊富な品ぞろえ、僕の望んだ物はすべてうまいことそろった。



総額€390(49347円)。
ひとつひとつ吟味しながら、ディスカウントしてもらいながら選んだが、それでも大出費。
自転車旅は交通費無料だが、維持費は時に数万円単位で吹っ飛ぶ。
必要経費。

オランダは小国で人口も多くはないが、世界中でオランダ人サイクリストと出会ってきた。
それだけ自転車旅が根付いているということで、ツーリング向けパーツをそろえるならオランダが最も適している国かもしれない。
(ただし街中でよく見る店は街乗り向けが多く、用途に応じた店選びが必要。)

BIKE4travel

作業場として、Jeroenの近所の友人宅を提供してもらった。
一家帰省中で不在となった家を、見ず知らずの旅人に使わせてくれるなんて、オランダ人、心が広すぎる。



まずはホイール。
現時点では、ホイールは問題ない。
ブレーキングでリムのサイドウォールが少し歪んでしまっているが、スポークは1本も折れることなく、健闘してくれた。
しかしアフリカ入りしてからホイール崩壊してしまったら現地購入は無理、ヨーロッパにいるうちに交換して安心したい。

オランダメーカーのRYDE SPUTNIK。


ツーリング界ではそれなりに知られているリム。
フレンチバルブが主流のヨーロッパでアメリカンバルブ用のリムを発見できたのはラッキー。
スポークはフロントが262mm、リアが262mm(左)と260mm(右)。
ハブはSHIMANO XTを継続して使用。



振れ取り台なしでもうまく組めた。
自分で組んだホイールがまっすぐ回転してくれる、この満足感。

次に、駆動系パーツ。
どれもこれも摩耗しきって、とうに寿命を超えてしまっている。

クランクは、今まではセットで買い替えていたが、今回はチェーンリングだけを交換。


取り付ける位置が決まっているので、間違えないようにセット。


チェーンリング交換にはT30という星型の工具が必要、これは店で無料でもらった。


リアディレーラーのプーリー交換。


これも初めてやる作業。
六角レンチだけでできる。
ガイドプーリーは向きの指定はないがテンションプーリーは歯の向きがある、とか初めて知った。



カラーがシルバーだと、グローブで触っただけで汚れがついて薄汚く見えてしまう。




チェーンとスプロケットも交換。


最近のチェーンは、ピンではなくリンクで接続するのが主流のよう。
工具いらずで楽ではある(でも最初の長さ調整でチェーンカッターは必要ではある)。

変速もスムーズに調整できて、完璧。

今回の旅で初のタイヤ交換。


バーテープも交換。


コンプリート!


2日半かかった。
大がかりなパーツ交換は、はずれるはずのパーツが固くなってはずれなかったりとか、いつもどこかで壁にぶち当たる。
近所の自転車屋に二度ほど足を運んで助けてもらった。
新年よりもクリスマスの方が重要なヨーロッパでは、年末年始の休日は1月1日だけで、大晦日なんかはどの店もたいてい営業している。





ネコとふたりきりの生活。


パソコンやろうとすると膝の上に乗ってくる。




ベッドに居座られてしまった時はどうすればいいの?



Rotterdam, Netherlands