2ヶ月半滞在したカナダとおさらば、アメリカへ。
雨の国境越えは嫌なものだが、国境が近づく頃には天気回復。
アラスカ→カナダの時と同様、入国審査のみで出国審査はなし。
カナダ側にはイミグレーションはなく、出国手続きせずにアメリカ側のイミグレーションへ。
高速の料金所のように多数のレーンがあり、たくさんの車が並んでいる。
やはりアメリカ、一台一台の手続きに時間がかかっている。
もう少しで僕の番、というところで係員がやって来て、「自転車はここじゃない、あの建物へ行け」と言われた。
何だよ、先に言ってくれよ。
歩行者自転車用の建物へ入ると、50人ぐらいが並んでいた。
しかも、全然流れている感じがしない。
マジか。
皆、黄色い用紙を持っていたり、何かの書類を抱えている。
「CASHER」と書かれたデスクもあり、そこでお金を払っている人もいる。
家族や友人などグループばかりで、単独で来てるのは僕ぐらい。
かれらはバス移動だろうか。
今までのイミグレーションとは一風変わった空気。
僕はパスポート以外何も持っていないが、動じることはない。
並んでいる人数に対して対応する係員の数が少なすぎる。
1時間20分待ち、僕の番が来た。
質問の数は多かったが、特に難しいことはなかった。
ただ、ひとつの事実が判明。
アラスカに入国したのが6月7日、その時もらった滞在期間が6ヶ月。
一度出国してカナダからアメリカに再入国するわけだが、アラスカ入国時にもらった6ヶ月が現在も継続中だという。
つまり、アメリカ再入国は問題ないが、リセットされて新たに6ヶ月もらえるわけではなく、12月6日までに出国しなければならないということだ。
それ以降にまたアメリカに入国する時に初めて、新たに6ヶ月がもらえる。
これは想定外。
ビザ申請時にどこかにこういったルールが書かれていたのかもしれないが、把握してなかった。
アメリカもじっくり時間をかけて旅するつもりだったのに、あと2ヶ月半じゃ足りない。
これはちょっと考えなければならない。
質疑が終わると、スタンプが押された黄色い用紙をもらい、建物外に出て、一般道へ出るところで係員にその用紙を渡して、終了。
所要トータル1時間半。
Everett, Washington, USA
2019年9月18日
バンクーバー
引き続きアップダウンの山道。
雨+急坂でブレーキシューがみるみる擦り減っていく。
湾に出た。
天気悪いので写真はあまり撮っていない。
バンクーバーに到着。

トロント、モントリオールに次ぐカナダ第3の都市。

ここはもう別の惑星。
今までのカナダ的なゆったりとした空気はもはやない。
自分本位で安易にクラクションを鳴らすアホドライバーも少なくない。
上っ面は立派でも、一発のクラクションで人間の醜悪さが露出する。

国土の広さと人口が釣り合っていないカナダでは、多くの労働力を人口過多のアジアから取り寄せており、都市部ではアジア系の割合が非常に高い。
バンクーバーは、ほぼ中国といっても過言ではない。
あちこちの看板に漢字が多く目立つ。
といっても、バンクーバーにいる中国系は香港人が多く、「ホンクーバー」という異名すらある。
1997年香港返還前後が移住のピークだったようだ。
当時、香港が中国になってしまうのかとパニックになり、国外へ移住する香港人が続出した。
現在の中国vs香港のバトル激化でまた変動が生じるのだろうか。
キクチさん情報によると、キャンプ場はC$56(4570円)、ホステルはC$70(5713円)。
バックパッカーが寄り付かないわけだ。
WARMSHOWERSは、断られまくったが粘ってリクエストを送り、なんとか一人承諾してくれた人がいた。
キクチさんはちょっと前からバンクーバーに滞在しており、この時は空港泊していた。
せっかくなのでキクチさんも一緒に民泊しませんかと誘った。
ホストにメールして、1名追加してもいいすかと聞いたら快くOKしてくれた。
ホスト宅の住所をGoogle Mapsに入力したら、リッチモンドという、ダウンタウンからさほど離れていない地区が出てきた。
キクチさんとそこで待ち合わせて向かったのだが、しかしホスト宅はそこにはなく、まったく別の地区の同じストリート名であることが判明。
雨が降り、日も暮れかけていたが、リッチモンドから19km東のホスト宅へ向かった。
若干あせってルート検索して走行開始したせいか、気づくと我々は高速を走っていた。
一体僕は何度この過ちを犯せば気がすむのだろう。
ヨーロッパでも北米でも、ふつうに道路があって、ふつうに信号を曲がったら、その先は高速になっていたりする。
「ここは高速です」とか「自転車歩行者通行禁止」といった標識はない。
やけに分岐と合流がおっかないな、やけに道路標識がデカイな、ひょっとしてここは、、、とようやく気づく。
すぐに降りて一般道を探す。
目的地までスムーズに行けるルートは高速になっているので、一般道は遠回りで複雑。
何度も立ち止まって、雨の中スマホを取り出してマップチェックをする。
すっかり暗闇となり、雨に打たれながら、無料の宿のために必死でこぎ、なんとか無事たどり着いた。
サレーというインド人居住区で、ホストもインド人。
3世代にわたる家族がここで暮らしている。
すぐさまインド料理でもてなしてくれた。
移民といえば移民かもしれないが、カナダにいる中国人やインド人は富裕層。
職を求めて流れ着いた貧しき移民とはまったく違う。
ホストのアルマジットは25年前にカナダに移住してきたそうだが、その立ち振る舞いや教養から察するに、上位カーストの出身に違いない。
キクチさんは初めての民泊で、ガチガチに緊張していた。
これはホスピタリティなので、日本人的な過度の低姿勢や遠慮はホストを困惑させる。
ホストはゲストにリラックスしてもらうことを望んでいるから、気楽に楽しむのが一番。
この日はもう夜遅く、疲れ切っていたので、軽い会話だけして、就寝。
翌日。
アルマジットに連れられて、車で外出。
彼は様々なビジネスを手がけている他、チャリティ活動もさかんにおこなっている。
この日はシュレッダーのチャリティで、僕とキクチさんもそのお手伝いをした。


キクチさんは、この旅で女性限定のサインをコレクションしていて、女性を見るたびにサインをねだる。

シュレッダーのチャリティとは一体何なのか、しばらく理解できなかったが、自宅やオフィスにシュレッダーがない人のために、シュレッダートラックをレンタルしてきて、人々が機密書類を持って集まり、いくらか寄付してもらう、というもの。



いくらか寄付といっても、さすが裕福なカナダ人たち、高額紙幣を惜しげもなく入れていく。

アルマジットは他にも様々なチャリティイベントをおこない、その寄付金を地域の子供スポーツクラブなどに当てている。
ランチはジャパニーズレストラン。

店員は韓国人だった。
中国人だけでなく、韓国人も日本人もここでは当たり前のようにたくさんいる。

その後、アマルジットが経営しているスポーツ用品店を訪れた。
彼はこの一帯のショッピングエリアのマネージャーでもある、相当な有力者だ。
キクチさんにそういったことを伝えると、その都度すごいリアクションをしていた。
このインド人地区は、インドのパンジャーブ出身の人が多く、アマルジットもその一人。
僕も2013年にパンジャーブを旅した。
パンジャーブといえば、シク教。
ここにはシク教寺院がたくさんある。
シク教寺院といえば、無料で食事ができる。


インド人スーパーで、たまたまローカルTV局が生放送していた。

アマルジットの人間好きを強く感じた。
どこに行っても彼のところに人が集まり、休む間もなく話をする。
サイクリストを家に泊めてインド人地区を案内したところで一銭の儲けにもならないが、彼は損得関係なく人と接してもてなすことを第一に考える人だ。
僕とキクチさんが泊まったのは、母屋とは別の小屋。

小屋といっても、トイレ・シャワーあり、Wi-Fiもあり。
ここでプリントTシャツをつくって店で売っているようだ。


カナダドル。


Everett, Washington, USA
28898km
雨+急坂でブレーキシューがみるみる擦り減っていく。
湾に出た。
天気悪いので写真はあまり撮っていない。
バンクーバーに到着。
トロント、モントリオールに次ぐカナダ第3の都市。
ここはもう別の惑星。
今までのカナダ的なゆったりとした空気はもはやない。
自分本位で安易にクラクションを鳴らすアホドライバーも少なくない。
上っ面は立派でも、一発のクラクションで人間の醜悪さが露出する。
国土の広さと人口が釣り合っていないカナダでは、多くの労働力を人口過多のアジアから取り寄せており、都市部ではアジア系の割合が非常に高い。
バンクーバーは、ほぼ中国といっても過言ではない。
あちこちの看板に漢字が多く目立つ。
といっても、バンクーバーにいる中国系は香港人が多く、「ホンクーバー」という異名すらある。
1997年香港返還前後が移住のピークだったようだ。
当時、香港が中国になってしまうのかとパニックになり、国外へ移住する香港人が続出した。
現在の中国vs香港のバトル激化でまた変動が生じるのだろうか。
キクチさん情報によると、キャンプ場はC$56(4570円)、ホステルはC$70(5713円)。
バックパッカーが寄り付かないわけだ。
WARMSHOWERSは、断られまくったが粘ってリクエストを送り、なんとか一人承諾してくれた人がいた。
キクチさんはちょっと前からバンクーバーに滞在しており、この時は空港泊していた。
せっかくなのでキクチさんも一緒に民泊しませんかと誘った。
ホストにメールして、1名追加してもいいすかと聞いたら快くOKしてくれた。
ホスト宅の住所をGoogle Mapsに入力したら、リッチモンドという、ダウンタウンからさほど離れていない地区が出てきた。
キクチさんとそこで待ち合わせて向かったのだが、しかしホスト宅はそこにはなく、まったく別の地区の同じストリート名であることが判明。
雨が降り、日も暮れかけていたが、リッチモンドから19km東のホスト宅へ向かった。
若干あせってルート検索して走行開始したせいか、気づくと我々は高速を走っていた。
一体僕は何度この過ちを犯せば気がすむのだろう。
ヨーロッパでも北米でも、ふつうに道路があって、ふつうに信号を曲がったら、その先は高速になっていたりする。
「ここは高速です」とか「自転車歩行者通行禁止」といった標識はない。
やけに分岐と合流がおっかないな、やけに道路標識がデカイな、ひょっとしてここは、、、とようやく気づく。
すぐに降りて一般道を探す。
目的地までスムーズに行けるルートは高速になっているので、一般道は遠回りで複雑。
何度も立ち止まって、雨の中スマホを取り出してマップチェックをする。
すっかり暗闇となり、雨に打たれながら、無料の宿のために必死でこぎ、なんとか無事たどり着いた。
サレーというインド人居住区で、ホストもインド人。
3世代にわたる家族がここで暮らしている。
すぐさまインド料理でもてなしてくれた。
移民といえば移民かもしれないが、カナダにいる中国人やインド人は富裕層。
職を求めて流れ着いた貧しき移民とはまったく違う。
ホストのアルマジットは25年前にカナダに移住してきたそうだが、その立ち振る舞いや教養から察するに、上位カーストの出身に違いない。
キクチさんは初めての民泊で、ガチガチに緊張していた。
これはホスピタリティなので、日本人的な過度の低姿勢や遠慮はホストを困惑させる。
ホストはゲストにリラックスしてもらうことを望んでいるから、気楽に楽しむのが一番。
この日はもう夜遅く、疲れ切っていたので、軽い会話だけして、就寝。
翌日。
アルマジットに連れられて、車で外出。
彼は様々なビジネスを手がけている他、チャリティ活動もさかんにおこなっている。
この日はシュレッダーのチャリティで、僕とキクチさんもそのお手伝いをした。
キクチさんは、この旅で女性限定のサインをコレクションしていて、女性を見るたびにサインをねだる。
シュレッダーのチャリティとは一体何なのか、しばらく理解できなかったが、自宅やオフィスにシュレッダーがない人のために、シュレッダートラックをレンタルしてきて、人々が機密書類を持って集まり、いくらか寄付してもらう、というもの。
いくらか寄付といっても、さすが裕福なカナダ人たち、高額紙幣を惜しげもなく入れていく。
アルマジットは他にも様々なチャリティイベントをおこない、その寄付金を地域の子供スポーツクラブなどに当てている。
ランチはジャパニーズレストラン。
店員は韓国人だった。
中国人だけでなく、韓国人も日本人もここでは当たり前のようにたくさんいる。
その後、アマルジットが経営しているスポーツ用品店を訪れた。
彼はこの一帯のショッピングエリアのマネージャーでもある、相当な有力者だ。
キクチさんにそういったことを伝えると、その都度すごいリアクションをしていた。
このインド人地区は、インドのパンジャーブ出身の人が多く、アマルジットもその一人。
僕も2013年にパンジャーブを旅した。
パンジャーブといえば、シク教。
ここにはシク教寺院がたくさんある。
シク教寺院といえば、無料で食事ができる。
インド人スーパーで、たまたまローカルTV局が生放送していた。
アマルジットの人間好きを強く感じた。
どこに行っても彼のところに人が集まり、休む間もなく話をする。
サイクリストを家に泊めてインド人地区を案内したところで一銭の儲けにもならないが、彼は損得関係なく人と接してもてなすことを第一に考える人だ。
僕とキクチさんが泊まったのは、母屋とは別の小屋。
小屋といっても、トイレ・シャワーあり、Wi-Fiもあり。
ここでプリントTシャツをつくって店で売っているようだ。
カナダドル。
Everett, Washington, USA
28898km
ラベル:
Canada
2019年9月15日
シートゥスカイハイウェイ
カムループスの街はけっこうな鬼坂。
街を脱出するのに、距離はわずかでもえらい時間がかかる。
亀のような遅さで自転車を押し上げていると、散歩中の人が声をかけてきてしばらく立ち話したり、通りすがりの車が窓から手を振って「Good Luck Man!」と言ってくれたりする。
本当に人柄がいい。
坂の途中で街を一望。

地球上にはこんなにもたくさん人間がいたのかってぐらい、ビルや家が彼方までぎっしり。
なんというメトロポリス。

川の近くの低地にダウンタウンがあったが、坂の上にも巨大なショッピングエリアがある。

こんなに手広く栄えている街は初めてだ。
なんというメガロポリス。
カムループスからバンクーバーへは、交通量の多そうな低地のハイウェイではなく、海岸寄りの山道で行く。
森林から禿山に。

岸に沿って道をつくってくれたら楽なんだけどな。
線路は岸に沿ってつくられてる。

坂の途中で車が止まり、「乗ってく?」と聞かれたが、お断る。
でもありがとう、声をかけてくれるだけでも元気が出る。
そしてこっちの人は、声のかけ方もさわやか、笑顔で去っていった。
キャッシュクリークという小さな街。
キャンプ場はまたC$25(2042円)かと思ったら、C$20(1634円)。
安くなってホッとする。
ランドリーにコンセントがあるのを確認。
充電できてホッとする。
キャンプ場にしてもホテルにしても、高いところに限ってサービスが悪い、という世界の法則はたしかにある。
翌日は雨、連泊。
たいした雨ではなかったので走行してもよかったが、休む。
雨とキャンプ場の安さは連泊の口実となる。
日中の気温は20℃を切った。

カナダっぽくない風景。

家でシカ飼ってる?

柵もないし、野生が家の敷地に入り込んだのかな。

リルエット。

ここに来ていきなり、先住民が増えた。
先住民は主に北方に住んでるものと思ってた。
いや、おそらく元々は住みやすい土地に分布していたのだろうが、そういった土地はアングロサクソンが街を築き、ハイウェイを敷き、先住民は住みにくい峡谷や気候の厳しい北部に追いやられていったのではないか?
オーストラリアのアボリジニがそうだったから。
でも、世界各地に見られる支配層vs先住民の対立は北米では見られない、少なくとも表面化していない。
北米先住民は英語を母国語とし、宗教はキリスト教で、ほぼ同化しているが、経済格差はありそうだ。
WARMSHOWERS。
ホストは若いカップル。
街に着いて連絡したら、車で迎えに来てくれた。
バイクラックがあるから自転車を積むのも楽。

未舗装の急坂を登っていく。

山の上、またすごいところに住んでる。

庭で育てているルバーブというセロリのような茎と、同じくここで採れたチェリーを使ってスイーツをつくってくれた。

リルエットにあるミヤザキハウス。

宮崎政次郎という医者がここにいた。
彼は医者として住民から慕われ、議員も務め、その他幅広い活動で地域に貢献し、カナダ勲章も授与された。

リルエットから次の街ペンバートンまで100km。
山道であることはわかっていたが、想像以上にスティープ。
全然進まない。
山道のキツさは標高ではなく傾斜であるといういい例。
大都市バンクーバーまでもう少しなのに、この区間はまた無人地帯、街も店も家もまったくない。
この道は「Sea to Sky Highway」と呼ばれ、湾岸都市バンクーバーから発つと海から一気に空へと駆け上がる道。
こんなにキツくても、僕は低地のやかましいハイウェイより静かなこっちを選んでしまう。
1日でペンバートンまで行くつもりだったが到底ムリ、野宿にプラン変更。
食料は十分積んでいたが、水が足りない。
でも、いい水が山から流れてくる。


また、車が止まって「乗ってく?」と言われたが、お断る。
気持ちは本当にうれしい、ありがとう。

天気は完全に下り坂。
時々、弱い雨が降る。
さえない空模様がしばらく続く。

自転車事故で亡くなったのか。

標高1200mほどまで登って、そこから急な下り。

下りも急すぎると強いブレーキングが必要で、全然楽じゃない。
ペンバートンのキャンプ場はシャワーなしの州営のみで、最初に現れた私営キャンプ場はウィスラーというリゾート地。
Riverside Parkbridge Camping & RV Risort。
嫌な予感はしていて、もしかしてC$30とかするのかなと恐る恐る料金を聞くと、
C$45(3687円)!!!
は!?
ディナー&朝食付きとか?
テントじゃなくてキャビンに泊まれるとか?
いや、特別なサービスは一切ない。
ただのキャンプ場、むしろ平均的なキャンプ場よりサービス悪い。
ランドリーなし、雨天時用シェルター炊事場なし、ムダに敷地広くて移動が大変、そのくせテントサイトは狭くて地面は砂利、Wi-Fiテントに届かず、レセプションの女は機械的な説明をするだけで不親切。
これのどこがどう45ドルなのか?
史上最悪。
クソリゾートめ。
リゾートってやつは、リゾートという名前を付けるだけで料金を吊り上げる。
特に中身はない、メリットも満足感もない。
ウィスラーには他にキャンプ場はなく、ここに泊まる以外選択肢はなかった。
僕がこのブログで日本語でグチをぶちまけたところで何も変わりはしないが、もしこのルートで旅する人がいたら、ウィスラーという街には気をつけた方がいい。
地図を見ても、「ここはクソリゾートです」という注意書きはないから。
しかしこの後、キクチさんから届いたメールを見て僕は戦慄した。
「バンクーバーのキャンプ場はC$56(4552円)だよ」
・・・サノバビーッチ!
狂っとる。
世界一物価が高いと言われる北欧やスイスでも、ここまでバカ高いキャンプ場はなかった。
もう十分だ、早いとこカナダから脱出しよう。
さらにキクチさん情報によると、実はウィスラーにはホステルがあり、そこはキャンプ場より安いC$40(3256円)だとか。
事前に十分な情報収集をしなかった僕の敗北。
翌日から本格的な雨。

いつもなら余裕で走行断念するレベルの悪天候だが、リゾートで連泊なんてできるはずもなく、雨天走行。
北米先住民。

現在こんな服装している人はいない。
謎の言語。
Squamishという地名、英字スペルの中になぜか数字の7が含まれている。
WARMSHOWERS。
この日は一日中雨で、靴も浸水した。
ひとときも乾くことなく、何もかも濡れたままテントを張って寝るのは最悪。
こんな時に民泊させてもらえて本当に助かった。

若い夫婦の家で、会話もはずんだ。

翌日も雨、でも降りっぱなしではなかった。


Vancouver, BC, Canada
28720km
街を脱出するのに、距離はわずかでもえらい時間がかかる。
亀のような遅さで自転車を押し上げていると、散歩中の人が声をかけてきてしばらく立ち話したり、通りすがりの車が窓から手を振って「Good Luck Man!」と言ってくれたりする。
本当に人柄がいい。
坂の途中で街を一望。
地球上にはこんなにもたくさん人間がいたのかってぐらい、ビルや家が彼方までぎっしり。
なんというメトロポリス。
川の近くの低地にダウンタウンがあったが、坂の上にも巨大なショッピングエリアがある。
こんなに手広く栄えている街は初めてだ。
なんというメガロポリス。
カムループスからバンクーバーへは、交通量の多そうな低地のハイウェイではなく、海岸寄りの山道で行く。
森林から禿山に。
岸に沿って道をつくってくれたら楽なんだけどな。
線路は岸に沿ってつくられてる。
坂の途中で車が止まり、「乗ってく?」と聞かれたが、お断る。
でもありがとう、声をかけてくれるだけでも元気が出る。
そしてこっちの人は、声のかけ方もさわやか、笑顔で去っていった。
キャッシュクリークという小さな街。
キャンプ場はまたC$25(2042円)かと思ったら、C$20(1634円)。
安くなってホッとする。
ランドリーにコンセントがあるのを確認。
充電できてホッとする。
キャンプ場にしてもホテルにしても、高いところに限ってサービスが悪い、という世界の法則はたしかにある。
翌日は雨、連泊。
たいした雨ではなかったので走行してもよかったが、休む。
雨とキャンプ場の安さは連泊の口実となる。
日中の気温は20℃を切った。
カナダっぽくない風景。
家でシカ飼ってる?
柵もないし、野生が家の敷地に入り込んだのかな。
リルエット。
ここに来ていきなり、先住民が増えた。
先住民は主に北方に住んでるものと思ってた。
いや、おそらく元々は住みやすい土地に分布していたのだろうが、そういった土地はアングロサクソンが街を築き、ハイウェイを敷き、先住民は住みにくい峡谷や気候の厳しい北部に追いやられていったのではないか?
オーストラリアのアボリジニがそうだったから。
でも、世界各地に見られる支配層vs先住民の対立は北米では見られない、少なくとも表面化していない。
北米先住民は英語を母国語とし、宗教はキリスト教で、ほぼ同化しているが、経済格差はありそうだ。
WARMSHOWERS。
ホストは若いカップル。
街に着いて連絡したら、車で迎えに来てくれた。
バイクラックがあるから自転車を積むのも楽。
未舗装の急坂を登っていく。
山の上、またすごいところに住んでる。
庭で育てているルバーブというセロリのような茎と、同じくここで採れたチェリーを使ってスイーツをつくってくれた。
リルエットにあるミヤザキハウス。
宮崎政次郎という医者がここにいた。
彼は医者として住民から慕われ、議員も務め、その他幅広い活動で地域に貢献し、カナダ勲章も授与された。
リルエットから次の街ペンバートンまで100km。
山道であることはわかっていたが、想像以上にスティープ。
全然進まない。
山道のキツさは標高ではなく傾斜であるといういい例。
大都市バンクーバーまでもう少しなのに、この区間はまた無人地帯、街も店も家もまったくない。
この道は「Sea to Sky Highway」と呼ばれ、湾岸都市バンクーバーから発つと海から一気に空へと駆け上がる道。
こんなにキツくても、僕は低地のやかましいハイウェイより静かなこっちを選んでしまう。
1日でペンバートンまで行くつもりだったが到底ムリ、野宿にプラン変更。
食料は十分積んでいたが、水が足りない。
でも、いい水が山から流れてくる。
また、車が止まって「乗ってく?」と言われたが、お断る。
気持ちは本当にうれしい、ありがとう。
天気は完全に下り坂。
時々、弱い雨が降る。
さえない空模様がしばらく続く。
自転車事故で亡くなったのか。
標高1200mほどまで登って、そこから急な下り。
下りも急すぎると強いブレーキングが必要で、全然楽じゃない。
ペンバートンのキャンプ場はシャワーなしの州営のみで、最初に現れた私営キャンプ場はウィスラーというリゾート地。
Riverside Parkbridge Camping & RV Risort。
嫌な予感はしていて、もしかしてC$30とかするのかなと恐る恐る料金を聞くと、
C$45(3687円)!!!
は!?
ディナー&朝食付きとか?
テントじゃなくてキャビンに泊まれるとか?
いや、特別なサービスは一切ない。
ただのキャンプ場、むしろ平均的なキャンプ場よりサービス悪い。
ランドリーなし、雨天時用シェルター炊事場なし、ムダに敷地広くて移動が大変、そのくせテントサイトは狭くて地面は砂利、Wi-Fiテントに届かず、レセプションの女は機械的な説明をするだけで不親切。
これのどこがどう45ドルなのか?
史上最悪。
クソリゾートめ。
リゾートってやつは、リゾートという名前を付けるだけで料金を吊り上げる。
特に中身はない、メリットも満足感もない。
ウィスラーには他にキャンプ場はなく、ここに泊まる以外選択肢はなかった。
僕がこのブログで日本語でグチをぶちまけたところで何も変わりはしないが、もしこのルートで旅する人がいたら、ウィスラーという街には気をつけた方がいい。
地図を見ても、「ここはクソリゾートです」という注意書きはないから。
しかしこの後、キクチさんから届いたメールを見て僕は戦慄した。
「バンクーバーのキャンプ場はC$56(4552円)だよ」
・・・サノバビーッチ!
狂っとる。
世界一物価が高いと言われる北欧やスイスでも、ここまでバカ高いキャンプ場はなかった。
もう十分だ、早いとこカナダから脱出しよう。
さらにキクチさん情報によると、実はウィスラーにはホステルがあり、そこはキャンプ場より安いC$40(3256円)だとか。
事前に十分な情報収集をしなかった僕の敗北。
翌日から本格的な雨。
いつもなら余裕で走行断念するレベルの悪天候だが、リゾートで連泊なんてできるはずもなく、雨天走行。
北米先住民。
現在こんな服装している人はいない。
謎の言語。
Squamishという地名、英字スペルの中になぜか数字の7が含まれている。
WARMSHOWERS。
この日は一日中雨で、靴も浸水した。
ひとときも乾くことなく、何もかも濡れたままテントを張って寝るのは最悪。
こんな時に民泊させてもらえて本当に助かった。
若い夫婦の家で、会話もはずんだ。
翌日も雨、でも降りっぱなしではなかった。
Vancouver, BC, Canada
28720km
2019年9月7日
トランスカナダハイウェイ 2
まだまだ山道は続く。
いわゆるカナディアンロッキーをすぎても、大陸の西側にいる限りだいたい山。
プレートにギュッと押されてるからね。
終わらないアップダウン、1日100kmペースを保つのは少々ダルい。
北米に入って初めてトンネルが現れた。
しかも4つぐらい連続で。
サイクリストにとってトンネルは恐怖だが、カナダのトンネルは照明バッチリで明るく、幅も十分広く、距離も長くなく、排気ガスもこもらず、危険はまったくなかった。
でも橋は怖い。
橋になると路肩が消失し、100km/hで飛ばす車と同じ車道を走る。


標高1300m。



グレイシャー国立公園。
野宿に適した場所がなく、不本意ながら国営キャンプ場へ。
C$21.50(1734円)。
高い。
シャワーもWi-Fiも電源も一通りそろっている私営キャンプ場より高い。
何度も言うが、シャワーもない、ただ場所を提供するだけのキャンプ場に金を払いたくない。
しかもここは、焚き火するのに別料金C$8.80(709円)も取る。
悪どい商売してやがるな。

君は冬越せるの?

また時差。
1時間戻す。
この日は1日下って、レベルストークという街でストップ。
標高は450m、すっかり低地。
気温が上がり、街は人口が増え、世界が変わりつつある。

久々のWARMSHOWERS民泊。
少ない人口ながらカナダにも多くのWARMSHOWERSメンバーがいるが、返信率も承諾率も低い。
電波がないからメールチェックをあまりしない、という説もある。
実際、リクエストを送った1ヶ月後ぐらいに「しばらく電波のないところで仕事してたから君のメール今見たよ」という返信が来たりもする。
もう5Gの時代が来ているというのに、カナダの通信事情は実に遅れている。
カナダで生きるということは大自然とともに生きるということだから、あえてテクノロジーとは距離を置いているのだろうか。
僕としても、SIMがないので連絡とりづらい。
今回承諾してくれたホストは退職した夫婦で、だいたいいつも家にいるようだ。
一軒一軒の敷地の広いこと、家のでかいこと、本当にうらやましい。

家に入る時、「まずは持っている食料すべて家の中に入れて」と言われた。
もちろん、クマ対策。
住宅地でも、いや住宅地だからこそ、食料の管理は怠れない。
ホスト宅の庭。




2ヶ月ぶりにベッドで寝た。

キャンプ場が激増。
道中、あちこちに現れる。
見た感じ、ガラ空きだ。
これなら1日の走行距離を短く調整できる。
シカマスという街で、モーテルの裏庭でキャンプ。

C$25(2023円)。
キャンプしているのは僕ひとりだけ。
テントの上には、プルーンが成っていた。

いただき。

隣の木には、真っ赤なリンゴが成っていた。

いただき。

もぎ取ったわけじゃないですよ。
落ちてたやつだけ拾って食いました。
このモーテルのWi-Fiは爆速だった。
動画ダウンロードもあっという間。
やはり、南下するほどいろいろ変化がある。
翌日。
人口の増加が著しい。
わずか30km進んだだけで、次の街が現れた。
サーモンアームとかいう誰も知らなさそうな街で、地図にも大きく描かれているわけじゃないのに、こんな大都会。

ウォルマートもあった。
ちょっと戸惑う。
今後は水と食料をドッサリ積む必要はなさそうで楽になるが、もう大自然とはおさらばなのかと思うとちょっとさびしい。
あと、立ちションしづらくなる。
街を離れても家があったりして、人の気配が絶えない。

天気も安定。

チェイスという街で1泊。


今までの街にはなかった、商店街っぽいストリートがある。

アングロサクソンたちが北米を開拓していった順序を考えれば、環境の厳しい北は一番最後で街が新しく、南下すればいくらか歴史のある街並みとなっていく。
個人経営の小さな売店もあったりする。
通りすがりの人が「ハロー!」とあいさつしてくれる。
道の向こう側にいる人が、僕を見て親指を立てながら笑顔を見せてくれる。
ヨボヨボのおじいさんが「どこから来た? 日本? それはそれは。」と笑ってくれる。
ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」が頭の中で流れた。

キャンプ場はC$25(2023円)が相場のようだ。
Wi-Fiありだがコンセントなし。
とても暑い。
日没後も扇子であおぎ続ける。
これから夏が始まるのか、と思って日付を見たら9月じゃないか。
なんでこんなに暑い?
翌日。
次の街カムループスまでは、川の対岸にあるローカルロードで行く。
カナダ人も目がいい。
「あなた、あの斜面にクマがいるの見える?」

全然見えない。
指でさされた方向を目をこらして、豆粒ほどの動く物体をようやく確認。


よくあんなの見つけられたな。
子グマはずいぶん毛が茶色い。
しかし民家のすぐ背後に、やっぱりいるもんなんだな。
久々の未舗装。

南下して都会になったとはいえ、まだまだ未開発未舗装地帯はざらにある。
この道は、車はたまにしか通らない。
対岸のハイウェイから車のノイズは聞こえてくるが、まあのどかだ。
未舗装でアップダウンもきついけど、車と関わらずに走行できるというだけで、格段に快適になる。



素直に川沿いに道をつくってくれればフラットに行けるのに、どういうわけかいちいち山の方に寄っていくのでアップダウンが繰り返される。
いろいろ事情があるんだろうけど、いまだに道のつくり方ってよくわからない。
少なくとも、「自転車の人かわいそうだからアップダウンやめてフラットにしてやるか」なんていう心遣いは微塵もなさそうだ。




カナダでは一家に一台ボートを所有している?

大英帝国の時代はとっくに終わったが、当時陣取り合戦がうまかった(えげつなかった)おかげで現在もアングロサクソンは豊かに暮らせているのだな。
カナダ人のこの生活水準の高さは、この国の莫大な資源の恩恵だ。

カムループスという街。
これまた大都会。
今まではGSに併設されているぐらいだったセブンイレブンが、街の中にある。

日本みたい。
またとてつもなく暑い。
30℃超。
強い日差しと熱風。
こんなの初めて、っていうぐらい暑い。
暑い時はコンビニでスラッシュだ。

これでLサイズ。
次はエクストラを買ってみよう。
キャンプ場はまたC$25(2023円)。
またWi-Fiありだがコンセントなし。
昨日も充電できなかったので今日はしておきたい。
レセプションのおばちゃんは、「持ってきてくれればここで充電してあげるわよ」と言ってくれたが、そういうことじゃないんだよな。
キャンプ場とはいえ宿泊施設、高い金払ってるんだから電気ぐらい整えておいてくれないかな。
一昔前と違って、今は数多くの電子機器に依存してるんだよ。
ちなみに昨日も今日も、ランドリーなし。
洗濯はいつも手洗いなのでいいのだが、ランドリーにコンセントがあるパターンが多いのだ。
キャンプ場から3km、街中にあるマクドナルドへ。
コンセントがあるのを確認してから、マックシェイクをオーダー。
しかしここのマック、なんとコンセントに電気が通っていない!
他の箇所も試してみたが、全部ダメ。
しかも、ネットもつながらない!
クソッ、何のためのマックだよ。
街ぐるみで僕に充電させない気か。
僕はただマックシェイクを飲むためだけに、疲れた身体で炎天下を自転車で3km、往復6kmもこいだ。
しかも長居するつもりだったからLサイズ、正確な額は忘れたが、C$4(326円)以上払った。
10年後にはどうなっているだろう?
すべてのデバイスは自然エネルギーで自動充電され、コンセントだとしてもわずかな時間で瞬間充電、ネットは世界中どこでもフリー。
そして10年前である現在を思い出して「昔は大変だったんだよ」とか言ってるだろうか。

熱帯夜。
眠れん。
Kamloops, BC, Canada
28222km
いわゆるカナディアンロッキーをすぎても、大陸の西側にいる限りだいたい山。
プレートにギュッと押されてるからね。
終わらないアップダウン、1日100kmペースを保つのは少々ダルい。
北米に入って初めてトンネルが現れた。
しかも4つぐらい連続で。
サイクリストにとってトンネルは恐怖だが、カナダのトンネルは照明バッチリで明るく、幅も十分広く、距離も長くなく、排気ガスもこもらず、危険はまったくなかった。
でも橋は怖い。
橋になると路肩が消失し、100km/hで飛ばす車と同じ車道を走る。
標高1300m。
グレイシャー国立公園。
野宿に適した場所がなく、不本意ながら国営キャンプ場へ。
C$21.50(1734円)。
高い。
シャワーもWi-Fiも電源も一通りそろっている私営キャンプ場より高い。
何度も言うが、シャワーもない、ただ場所を提供するだけのキャンプ場に金を払いたくない。
しかもここは、焚き火するのに別料金C$8.80(709円)も取る。
悪どい商売してやがるな。
君は冬越せるの?
また時差。
1時間戻す。
この日は1日下って、レベルストークという街でストップ。
標高は450m、すっかり低地。
気温が上がり、街は人口が増え、世界が変わりつつある。
久々のWARMSHOWERS民泊。
少ない人口ながらカナダにも多くのWARMSHOWERSメンバーがいるが、返信率も承諾率も低い。
電波がないからメールチェックをあまりしない、という説もある。
実際、リクエストを送った1ヶ月後ぐらいに「しばらく電波のないところで仕事してたから君のメール今見たよ」という返信が来たりもする。
もう5Gの時代が来ているというのに、カナダの通信事情は実に遅れている。
カナダで生きるということは大自然とともに生きるということだから、あえてテクノロジーとは距離を置いているのだろうか。
僕としても、SIMがないので連絡とりづらい。
今回承諾してくれたホストは退職した夫婦で、だいたいいつも家にいるようだ。
一軒一軒の敷地の広いこと、家のでかいこと、本当にうらやましい。
家に入る時、「まずは持っている食料すべて家の中に入れて」と言われた。
もちろん、クマ対策。
住宅地でも、いや住宅地だからこそ、食料の管理は怠れない。
ホスト宅の庭。
2ヶ月ぶりにベッドで寝た。
キャンプ場が激増。
道中、あちこちに現れる。
見た感じ、ガラ空きだ。
これなら1日の走行距離を短く調整できる。
シカマスという街で、モーテルの裏庭でキャンプ。
C$25(2023円)。
キャンプしているのは僕ひとりだけ。
テントの上には、プルーンが成っていた。
いただき。
隣の木には、真っ赤なリンゴが成っていた。
いただき。
もぎ取ったわけじゃないですよ。
落ちてたやつだけ拾って食いました。
このモーテルのWi-Fiは爆速だった。
動画ダウンロードもあっという間。
やはり、南下するほどいろいろ変化がある。
翌日。
人口の増加が著しい。
わずか30km進んだだけで、次の街が現れた。
サーモンアームとかいう誰も知らなさそうな街で、地図にも大きく描かれているわけじゃないのに、こんな大都会。
ウォルマートもあった。
ちょっと戸惑う。
今後は水と食料をドッサリ積む必要はなさそうで楽になるが、もう大自然とはおさらばなのかと思うとちょっとさびしい。
あと、立ちションしづらくなる。
街を離れても家があったりして、人の気配が絶えない。
天気も安定。
チェイスという街で1泊。
今までの街にはなかった、商店街っぽいストリートがある。
アングロサクソンたちが北米を開拓していった順序を考えれば、環境の厳しい北は一番最後で街が新しく、南下すればいくらか歴史のある街並みとなっていく。
個人経営の小さな売店もあったりする。
通りすがりの人が「ハロー!」とあいさつしてくれる。
道の向こう側にいる人が、僕を見て親指を立てながら笑顔を見せてくれる。
ヨボヨボのおじいさんが「どこから来た? 日本? それはそれは。」と笑ってくれる。
ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」が頭の中で流れた。
キャンプ場はC$25(2023円)が相場のようだ。
Wi-Fiありだがコンセントなし。
とても暑い。
日没後も扇子であおぎ続ける。
これから夏が始まるのか、と思って日付を見たら9月じゃないか。
なんでこんなに暑い?
翌日。
次の街カムループスまでは、川の対岸にあるローカルロードで行く。
カナダ人も目がいい。
「あなた、あの斜面にクマがいるの見える?」
全然見えない。
指でさされた方向を目をこらして、豆粒ほどの動く物体をようやく確認。
よくあんなの見つけられたな。
子グマはずいぶん毛が茶色い。
しかし民家のすぐ背後に、やっぱりいるもんなんだな。
久々の未舗装。
南下して都会になったとはいえ、まだまだ未開発未舗装地帯はざらにある。
この道は、車はたまにしか通らない。
対岸のハイウェイから車のノイズは聞こえてくるが、まあのどかだ。
未舗装でアップダウンもきついけど、車と関わらずに走行できるというだけで、格段に快適になる。
素直に川沿いに道をつくってくれればフラットに行けるのに、どういうわけかいちいち山の方に寄っていくのでアップダウンが繰り返される。
いろいろ事情があるんだろうけど、いまだに道のつくり方ってよくわからない。
少なくとも、「自転車の人かわいそうだからアップダウンやめてフラットにしてやるか」なんていう心遣いは微塵もなさそうだ。
カナダでは一家に一台ボートを所有している?
大英帝国の時代はとっくに終わったが、当時陣取り合戦がうまかった(えげつなかった)おかげで現在もアングロサクソンは豊かに暮らせているのだな。
カナダ人のこの生活水準の高さは、この国の莫大な資源の恩恵だ。
カムループスという街。
これまた大都会。
今まではGSに併設されているぐらいだったセブンイレブンが、街の中にある。
日本みたい。
またとてつもなく暑い。
30℃超。
強い日差しと熱風。
こんなの初めて、っていうぐらい暑い。
暑い時はコンビニでスラッシュだ。
これでLサイズ。
次はエクストラを買ってみよう。
キャンプ場はまたC$25(2023円)。
またWi-Fiありだがコンセントなし。
昨日も充電できなかったので今日はしておきたい。
レセプションのおばちゃんは、「持ってきてくれればここで充電してあげるわよ」と言ってくれたが、そういうことじゃないんだよな。
キャンプ場とはいえ宿泊施設、高い金払ってるんだから電気ぐらい整えておいてくれないかな。
一昔前と違って、今は数多くの電子機器に依存してるんだよ。
ちなみに昨日も今日も、ランドリーなし。
洗濯はいつも手洗いなのでいいのだが、ランドリーにコンセントがあるパターンが多いのだ。
キャンプ場から3km、街中にあるマクドナルドへ。
コンセントがあるのを確認してから、マックシェイクをオーダー。
しかしここのマック、なんとコンセントに電気が通っていない!
他の箇所も試してみたが、全部ダメ。
しかも、ネットもつながらない!
クソッ、何のためのマックだよ。
街ぐるみで僕に充電させない気か。
僕はただマックシェイクを飲むためだけに、疲れた身体で炎天下を自転車で3km、往復6kmもこいだ。
しかも長居するつもりだったからLサイズ、正確な額は忘れたが、C$4(326円)以上払った。
10年後にはどうなっているだろう?
すべてのデバイスは自然エネルギーで自動充電され、コンセントだとしてもわずかな時間で瞬間充電、ネットは世界中どこでもフリー。
そして10年前である現在を思い出して「昔は大変だったんだよ」とか言ってるだろうか。
熱帯夜。
眠れん。
Kamloops, BC, Canada
28222km
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