2018年7月19日

サリタシュ

キルギススタート。


第一ユルト出現。


第一キルギス人っ子たち、やはり「ハロー! ハロー!」と駆け寄ってくる。


後ろを振り返り、下ってきた山々。






地平線の果てまでユルトが点々と。


キルギス人は筋金入りの遊牧民だな。






遠くから目ざとく僕を見つけて全速力で駆け寄ってくる子供たち。


幼少から生きていくための仕事を手伝っている子供たちだが、まだ遊び盛り。
自転車に乗った外国人が現れたら、そりゃ仕事放ってからみたくもなるだろうな。















標高3200m、最初の街サリタシュ。


宿のお姉さんも目ざとく僕を見つけて寄ってきて、うまいこと連れ込まれた。


ナイスビュー。


パミールとは比べ物にならないほど立派。


姉妹ふたりとお母さんが、ここで働いている。
姉妹のひとりはとてもキルギス人には見えない、日本人あるいは韓国人だと言われても信じてしまいそうないで立ちで、上手な英語を話す。

今までの中央アジア諸国と同様、キルギスも旧ソ連の一部で、1991年に独立。
第一外国語はなんといってもロシア語で、英語は通じない。
こんな上手に英語を話せる人がいてくれると本当に助かる。

中央アジアの一連の「~スタン国」で、キルギスだけが国名から「スタン」を取ってしまったが、今でも旧称で「キルギスタン」と呼ぶ人は多い。

宗教はイスラムだが、やはりイスラム感は薄い。
タジキスタンではイスラム圏であることを忘れるほどだったが、ここではアザーンが聞こえてくる。

Wi-Fiあり。
「本当に使えるの? ちゃんと使えるの?」とうたぐってしまう。
「ええ、チェックしてみたらいいじゃない。」と自信ありの様子。

窓からの眺めもGood。




タジキスタンからずっとそうだが、小さな街の宿では朝夕二食つくってくれる(料金込みか別料金かは要確認)。


ドミトリーUS$10。


難を言えば、部屋にはコンセントが1つしかないので、他の客が来たら面倒なことになる。

街のGSで両替できるらしいが、ここの宿でもタジキスタンソモニからキルギスソムに両替してくれた。
レートは良くない。
ATMはない。

厳しく不便なパミールからこんな天国のようなところにたどり着いたら、連泊だ。
翌日、思う存分ネットをやってダラけてやろうと思ってたら、、、

9~17時まで停電!

やはりそう甘くなかった。
停電になると当然Wi-Fiも使えない。
ラップトップに入ってる映画を見て、あとは写真の整理と、そして寝るしかなかった。


Osh, Kyrgyz

5914km



2018年7月16日

タジキスタン → キルギス 国境越え

国境が見えてきた。


越境者は第三国の旅行者がほとんどで、この時は僕以外誰もいなかった。

今まで書いてこなかったが、タジキスタンの路上には軍のチェックポイントがちょくちょくあり、パスポートとビザの提示を求められる。
ビザは電子化されてスマホの画面を見せるだけでいいが、チェックポイントの軍人は古めかしいノートに手書きで情報を書き込むアナログスタイル。
この国境に最後のチェックポイントがある。

そのすぐ先にイミグレーションがある。
これまたお粗末なプレハブで、窓に手書きで「PASSPORT CONTROL」と張り紙されている。
パスポートを見せると、ここでも軍人はまた古めかしいノートに記帳する。

「カレア(韓国人)?」
僕が何も答えずにいると、「オイ! カレア!? オーイ!」と大声で吠え始めた。
僕は無言のままパスポートを取り上げ、「JAPAN」の文字を指でさしてみせた。
文字も読めねえやつが国境で仕事してんじゃねえよ。





イミグレーションが峠だと思っていたが、そこからさらに1kmほど登ったところが峠だった。
標高4336m。


中央アジアの国境には2kmほどの緩衝地帯がよくあるが、ここの緩衝地帯はなんと20kmもある。
理由はわからないが、キルギスのイミグレーションまで20kmも進まなければならない。
下りだから楽だけど。

もし、ここで通りすがりの旅人を殺したら僕は誰に裁かれるのだろう?



No Man's Land。
どこの国でもない、誰の土地でもない、空白地帯。

でも民家が現れちゃったよ。


ふつうに一家族、何なんだろこの人たち。


あら。


血の乾き具合から見て、死後まだ数時間。
腹はボヨンボヨンだから、背中から切り裂いてみるか。



内蔵ドババババ。
こいつほとんど内蔵だな。
小動物とは思えない大きな心臓、肝臓、腸がドバドバ出てくる。
肉なんかどこにあるんだ?
手脚も短いし、首まわりの肉を強引に削いだ。

コンソメスープでグツグツ。




いただきマーモット。


うまい!
いけるじゃん!
今まで食べたことのない初めての味。
次はもっと段取り良く捌いて、上手に肉を取れるようにしよう。

周囲のマーモットたち、いつも以上に大声でざわついていた気がする。
同族が食べらているの感づいていたのかな。



標高3400mまで下って、ようやくキルギスのイミグレーションが現れた。
パスポートを見せると、笑顔で日本語で「コンニチハ」と言われた。
こちらのイミグレーションも小屋みたいなもんで、眼紋だけ撮られて、質疑もなし、いとも簡単にスタンプが押されて入国完了。
60日以内の滞在ならビザ不要。

両国側ともに両替屋はいない。
キルギス側では最初の街サリタシュで両替可。
タジキスタン側ではどこで両替できるのか未確認。
ムルガブにはATMなし、ホログにはあるがまともに使えるのか怪しい。

タジキスタンソモニ。





Sary Tash, Kyrgyz



パミールハイウェイ 3











カラクル湖(標高3923m)。








すさまじい蚊の猛襲を受けて湖畔には近づけず。
サングラスの中まで入ってきて、顔も手足もボコボコに刺された。

湖畔の村がタジキスタン最後の村。
宿は何軒かあったが売店は閉まっていて何も買えなかった。
井戸で水は汲めた。





午後から向かい風が強まってきたので、早めにストップしてキャンプ。
この先キルギスとの国境まではスーパーウィンディ、との情報。
いつものパターンだと風が吹くのは昼から夕方にかけてなので、風のない早朝に出発して午前中には越境してしまう作戦。

朝、気温0℃。


気温0℃でこの川を渡れ、と。


靴の中を浸水させたくないので、爪先立ちでチョイチョイっと難なく渡れた。


作戦通り、無風の中を調子よく進む。







Sary Tash, Kyrgyz



2018年7月15日

パミールハイウェイ 2

ムルガブから北上。





北風。
緩やかな舗装道路を少しずつ登っていく。



ここから峠に向かって急勾配、そして未舗装化。


標高4300mを超えたが、こんなところにも人が住んでいる。


また強い商売っ気を感じたが、休みたかったし腹も減っていたので、お誘いに乗っかった。

やはりキルギス族。






後ろを振り返ると、5年前に新疆で見たムスターグアタ山(7546m)がここからも見えるという話を聞いたが、まったく見えない。


↓これ。


峠はあれか。


標高4655m。


一応、パミールハイウェイの最高地点なんだけど。
パミールの峠はなんとも殺風景、旅人の達成感など一笑に付される。
この点、チベット圏ではタルチョで盛大に飾り付けてあって気分も盛り上がったんだけどな。



とりあえず避暑。




しばらく下り、未舗装、向かい風。



標高4100m。
この風じゃキャンプは厳しいかなと思っていた夕刻、キルギスの遊牧民家が現れた。
中からお姉さんが出てきて、当たり前のように僕を中に入れてくれた。



モンゴルではゲルと呼ばれていたこの移動式住居、ここではユルトと呼ばれる。
つくりはまったく同じように見える。





マンティ、ヤクのヨーグルト、ヤクのバター。












僕はまだキルギスに行かないうちに、中国とタジキスタンですでにキルギス族にお世話になった。
自給自足しながら移動する遊牧民にとって、国家あるいは国境はどんな意味を持つのか。
キルギス族の独立運動なんて聞いたことない、我々と似た顔をしていてもその人生は想像を超える。
でもかれらは、タジク人でもなく中国人でもなくキッパリ「キルギス人だ」、と明確なアイデンティティを持っている。
(発音は「クルグス」、「ル」は軽く巻き舌っぽく聞こえる。)



翌朝出発しようとしたら、こんな看板があったのね。



Sary Tash, Kyrgyz



ムルガブ

標高3600m、ホログに次ぐパミール第2の街ムルガブ。


あまり期待しないようにとは思っていたけど、十分ガッカリさせられるショボさ。





街一番のまともな(?)ホテル。


ドミトリー1泊US$10。
レストランあり、ミニショップあり。

ここでまたティナと再会した。

他にもっと安そうな宿もあるが、少しでもまともなサービスを期待して、旅人はここに集まる。
お金をかけて車やバスで移動するグループ旅行者も、他にまともなホテルがないからここに来る。
日本語も聞こえてきた。

ムルガブには電気が通っていない。
いつもそうなのか、この時たまたまだったのかはわからない。
この街一番のホテルにはジェネレーターがあって、18時半~22時の間だけ発電してくれる。
この時間帯にあらゆる電子機器をまとめて充電する。
部屋にはコンセントがひとつしかないので、ルームメイトとうまくシェアしなければならない。
ホットシャワーが使えるのもこの時間帯のみ。
Wi-Fiはない。

ここに到着した日はSIMでネット接続できたが、翌日はまったくつながらなくなった。
日付を確認したら、SIMを買った日からちょうど1ヶ月が経過していた。
有効期限が1ヶ月だったということか。
どうして購入時にそういう説明してくれないかな。

幸い、バザールにメガフォンショップがあると聞いたので行ってみた。


電気が通っていないのに携帯ショップが機能しているのか疑問だったが、メガフォンショプの屋根にはソーラーパネルが付いていた。

チャージして再びネット接続できるようになったが、本当に本当に遅い。
写真1枚アップするのに数分、いやアップできればまだマシで、「アップロードできませんでした」となることも多い。
これは、お金を取っていいレベルのサービスではない。

そんなわけで、ここでもブログアップは断念。
Facebookにだけ簡単な近況報告をしておいた。



それにしてもこのバザール、、、コンテナ!







見おぼえのある帽子をかぶった人たち。
キルギス族だ。

5年前に中国新疆ウイグル自治区でキルギス族にお世話になった時、お父さんがこの帽子をかぶっていた。
↓この人。


人々の顔つきは、今までのロシアっぽさが薄れ、モンゴロイドっぽさが濃くなった。
このまま東へ向かえば中国新疆ウイグル自治区、すぐお隣りだ。

ちょっと品ぞろえのいい店の中の様子。


必要なのは水と食料、日用消耗品ぐらいなので、これぐらいの品ぞろえでも十分。
自転車用品やアウトドア用品は、パミール、いやタジキスタン全域で入手は期待できない。
入国前に十分に備えて、走行中に深刻なトラブルが起きないことを祈るのみ。

ちなみに、ここからタジキスタン出国まで、ネットは一切つながらなかった。
タジキスタン、世界で最もネットと道路の整備が遅れている国の候補に挙げておこう。


Sary Tash, Kyrgyz



パミールハイウェイ 1

アスファルトー!

ホログから東へのびているパミールハイウェイ。
僕はワハーンとパミールハイウェイの両方を走ってみたかったので、前半は遠回りしてワハーンを、後半はパミールハイウェイに合流するルートをとった。




一気にスピードアップ。
気分良く鼻歌交じりになるが、すぐに息が切れる。

僕は高山病になりやすい体質だ。
ふだんから人の2倍も3倍も飲み食いしなければ生きていけない高燃費人間だからなのか、酸素に関しても同様で、空気が薄くなるとすぐに酸欠になる。
この程度の高度でも油断は禁物、深呼吸しながらゆっくり進む。


アスファルトっていってもこんなんだけど。

村が現れた。


ホームステイは豊富にある。
しかしワハーンの村よりも貧相で不便。
ネットは相変わらずつながらない。

タジキスタン東部の山岳地帯はパミールと呼ばれる。
「パミール」はペルシャ語で「世界の屋根」。
パミール人はタジク人と同じくイラン系アーリア人だが、タジク人とは異なる言語を話す。












湧いてる。

湧いてる。




標高4137m、やはり標識なしの峠。

しかし標高4000mを超えてもまだちゃんと舗装されてるなんて、すごいじゃないか。
タジキスタンらしくないぞ。

ウズベキスタン人のサイクリストなんて初めて出会った。

オペラ歌手だそうで、僕の前で大声で歌ってみせた。
こっちは鼻歌でも息が切れるのに、タフなじいさんだ。




久々に1日で100km以上走った。


Sary Tash, Kyrgyz



ワハーン回廊 3



こう見えても標高3500m。
しかし暑い。
なんて暑さだ。





無人地帯のはずだけど、また唐突に遊牧民家が。


英語で「Come! My House! Tea! Bread!」と言ってくる。
この時は別に休みたくもなかったし水と食料も足りていたし、何よりもトラップの匂いがプンプンしたので「No thank you.」と言った。
すると「No problem! Come! Come!」としつこい。
タジキスタンの人はいつもそう、こちらの「No thank you」が一度で通じたためしがない。
時にそれはかれらなりの親切心友好心なのかもしれないが、こちらとしては同じセリフを繰り返したくないのでその後は口を閉ざすようにしている。



アフガニスタン側にはラクダが。




国境走行はここでおしまい、ここから北へ。
峠へ向かっていくこういう道の方が僕好みではある。


この川の水は一見きれいだが、上流の方でも家畜がいたのでそのまま飲むのはお勧めしない。



標高4200m。


道路から見えてしまうが、車が通るのは数時間に1台程度。
大丈夫でしょう。



4000mを超えても、日が照っているとまだ暑い。
日が沈んでからようやく涼しくなった。

この高度だとスパゲティがうまく茹で上がらず、まずい。



カルグシュ峠(標高4344m)。


看板も何もない。











誰もいない。
ひとりじめ。










Sary Tash, Kyrgyz