朝のキエフ。
走行条件はきわめて良好。
広々とした道路、フラット、無風。
これだけ広い路肩があれば車の脅威は感じないし、無意味なクラクションも鳴らない。
ホロヴィッツ、リヒテル、ギレリス、といった第一級のピアニストを輩出したウクライナ。
僕がピアノに没頭した頃はまだソビエトだったので、かれらをソ連=ロシアの人、という目で見てきたけど、実はウクライナ出身だったりする。
リヒテルの生地、ジトーミル。
特に音楽が盛んという空気は感じない。
リヒテルも幼い頃に移住したので、ここはただ生まれただけの場所。
それにしても銅像のひとつでも建ててもいいぐらい、歴史に名を残す人だ。
ここから40kmほど南にあるベルディーチウという街がホロヴィッツの生地だが、行かなかった。
ちなみに、リヒテルとギレリスの師であり、ブーニンの祖父であるネイガウスもウクライナ出身。
ウクライナにはグルジア料理屋がある。
いつかもう一度食べたいと思っていた、ヒンカリ!
サイズは小さいが、味は紛れもなくあのヒンカリ。
見た目は中央アジアのマンティと似ているが、味は比較にならないほどヒンカリの圧勝。
ハチャプリ。
パンの中にチーズが練り込まれており、ちぎるとトロっとチーズがのびて、真ん中の黄身につけて食べる。
これも絶品!
さすがグルジア料理、他国で食べても最高!
コーラ1Lと合わせて計136フリヴニャ(539円)。
ところで、グルジアを「ジョージア」と呼ぶのはもう慣れたけど、「ジョージア料理」とか「ジョージア文字」とか「ジョージア人」とか呼ぶのはまだ違和感あるな。
ハイウェイ沿いにはホテルがたくさんある。
多分それほど高くないだろうけど、キャンプに適した場所も豊富にあるのでキャンプした方がいい。
ウクライナの国土は日本の1.5倍。
人口は4500万人。
好条件はそう長く続かないものだ。
向かい風が吹き始め、アップダウンもでてきた。
そこそこの街にはホステルがある。
120~150フリヴニャ(475~594円)。
やはり客は旅行者という感じではなく、素性のよくわからない人たち。
もっとも、かれらからしたら誰よりも素性が謎なのは僕なのだろうけど。
カザフスタンからずっとそうなのだが、ドミトリーの室内で、大声で電話したり、大音量で動画を見たりすることに何の躊躇もない人たち、うるさい。
キエフからリヴィウまで560kmを4日で走った。
1日平均140km。
南旅館で1ヶ月以上ダラけても、すぐさまサイクリストに戻れる。
やっぱ自転車乗ってる時が一番気持ちいい。
Lviv, Ukreine
7682km