2018年9月12日

キエフ 1

アルマトイ→キエフのフライトは直行便。
荷物の超過料金は免れたが、ラッピング1500テンゲ(438円)、自転車代15000テンゲ(4386円)。
自転車は重量にかかわらず15000テンゲ請求される。
パスポートコントロールは長蛇の列ができていて、出国に時間がかかった。

入国は待たされることもなく、パスポートを見せてすぐにスタンプもらえた。
90日以内の滞在であればビザ不要。
ATMは一度に1000フリヴニャ(3933円)しか引き出せなかった。
空港でSIM購入。
3店並んでいたが、lifecellという店で10GBで180フリヴニャ(707円)。
一体どういう経緯があって「フリヴニャ」なんて名前の通貨になったのだろう。

空港はキエフの隣町にある。
キエフ市街中心までスムーズに行ける道だと36kmほどだが、これは自動車専用道路。
自転車だと遠回りな道で48km、半日かけて市街へ向かう。
成田空港から東京までと同じ感覚。



市街に近づくと、信号や横断歩道がほとんどない。
歩行者は地下道で横断する。
地下道への階段にはスロープがあったりなかったりで、荷物を積んだ自転車はとても困る。

ウクライナを東西に分断し、黒海へと注ぐドニエプル川。


この川より東側には親露派のロシア系が住み、西側には親欧米派のウクライナ人が住み、長年にわたる対立がある。



ロシアとヨーロッパという巨大な力がぶつかり合うウクライナ。
中でもこのドニエプル川が両者の境となっている。



ロシア系が多い東岸。


キエフ中心市街がある西岸。






ウクライナの歴史。

6世紀にスラブ人が住み始め、9世紀後半にキエフ大公国が成立、モスクワやベラルーシを含む領土を支配した。
キエフ大公国はキエフ・ルーシとも呼ばれ、後のロシアの語源ともなる、つまりウクライナとロシアの両国にとってのルーツである。

13世紀にモンゴル帝国によって滅亡、以後200年にわたってモンゴルの支配下となった。
キエフは荒廃し、住みついた無法者などが後のコサック騎兵となる。
代わりに中心地はモスクワとなり、15世紀にモンゴルの支配から脱するとモスクワ大公国(後のロシア)が成立、ドニエプル川の東側を領土とし、西方ではポーランドが勢力を拡大、ドニエプル川の西側はポーランド領となった。

ルーツを同じくし兄弟とも言えるウクライナとロシアだが、モンゴル支配後から別々の道を歩むことになる。
ロシアはキリスト教正教会にモンゴルの文化が加わり、武力による独裁政治(政教一致)を強めたのに対して、ウクライナはポーランドのカトリックの影響を受けて欧米の民主主義(政教分離)に寄るようになった。
ドニエプル川を境とする対立は、モンゴル支配後までさかのぼると言える。

18世紀に成立したロシア帝国は広大な領土を治め、ポーランド全土をも併合。
20世紀にソビエト連邦が成立、ポーランドは独立したがウクライナはソ連の一部となった。

1986年、チェルノブイリ原発事故。
10日間で放出された放射性物質は東電福島第一原発の6倍、全世界で観測され、ソ連とヨーロッパの広範囲で食物が汚染されて処分された。
現在も周囲30kmは立ち入りが制限されている。

1991年、ソ連の崩壊にともなってウクライナとして独立。
モンゴルの襲来以来、実に7世紀半ぶりの自国国家成立となった。

ウクライナ危機。
2010年、親露派のヤヌコヴィッチ大統領がEU加盟手続きを停止したことに対して親欧米派が反発し、内戦となった。
ヤヌコヴィッチがロシアへ亡命すると親欧米政権が発足、今度は親露派で反発が起こり、ロシア系の多いクリミアで住民投票が実施されて独立を宣言、これを受けてプーチン大統領は2014年にクリミアをロシアに併合した。
不凍港を持たないロシアにとって、黒海北岸から突き出たクリミア半島は軍事的にきわめて重要、欧米にとってはここをロシアに抑えられると脅威となる。
欧米諸国および日本はクリミア併合に対してロシアへの経済制裁を下したが、ロシア国内ではプーチンの支持率が上昇した。
同年、ウクライナ東部の上空でマレーシア航空機が撃墜された。
数時間前にプーチンが乗った飛行機が同じ航路を飛んでおり、ウクライナ軍が間違えて撃墜したという説、親露派がウクライナの軍用機と間違えて撃墜したという説があるが、真相はいまだ不明。






Kiev, Ukreine

7110km