2019年11月16日

デスバレー国立公園 3











標高1500mほどの峠を越える。
たいしたことなさそうに思えるかもしれないが、海抜以下からスタートして登り上がる1日の仕事量としては、なかなかイカツイ。
スカイツリー2本に東京都庁を足したぐらいの高さを荷物満載の自転車で30℃の炎天下で1日で登る。
寒ければ途中でストップして野宿してもいいのだが、この暑さで汗でベタベタ、なんとしてもシャワーを浴びて冷たい炭酸をガブ飲みできるところまでたどり着きたい。

たかだか1500mだが、久々のガッツリ峠越え。

あまりに今さらだが、アメリカでは距離表示は主にマイルだが、標高はフィートで表示される。
マイル、ヤード、フィート、インチが互いに100倍とか100分の1とかの関係だったらまだしも、これらには何の相互関係もない。
マップアプリのルート検索でも、アメリカとイギリスのマップはマイルやフィートで表示される。
スーパーの肉や野菜の重さはポンドだが、その略称がなぜかラテン語由来のlb、ポンドならpでいいじゃんって思う。
アングロサクソン人はわざわざ複雑でめんどい単位を使うひねくれ者のようだ。

ごちゃごちゃ言ってないで、とっとと下らないと日が暮れる。

峠の先には、また別の広大な谷が見える。





日没ギリギリでパナミントスプリングスに到着。
キャンプ場$10。
Wi-Fiあり、コンセントなし。
売店があるが食料は少ない。
17時半にもなるともう真っ暗。
スプリングスという名の通り、こんな荒涼とした土地でも水が湧くようで、水道もシャワーもある。

朝焼け。

南北アメリカ大陸の西海岸は、全域山岳地帯。
北はロッキー、南はアンデス。
南北縦方向に皺のように山脈が走っているので、東西の移動は険しい峠が繰り返される。
この日は西進は避けて、南へ伸びるマイナーロードで。
アップダウンは控えめ、交通量は少なく、路面は粗いが、静かでいい道。



カリフォルニア州。
面積は日本の1.1倍。
アラスカ州、テキサス州に次ぐ3番目に大きな州。
人口は合衆国最大で3700万人。

現在のアメリカ南西部から中米にかけては18世紀までスペイン領であったが、19世紀にメキシコとして独立。
しかしまもなく、領土拡大を目論むアメリカと戦争になり、カリフォルニアやテキサスを始めとする当時のメキシコ領の3分の1がアメリカ領となった。
その後カリフォルニアでは金鉱が発掘されてゴールドラッシュとなり、さらに油田も発見され、アメリカ経済成長の契機となった。


そんなカリフォルニアだが、まず人がいない。



すでに国立公園外に出たが、電波なし。
天下のカリフォルニアでも電波ないのかい。



アメリカの人口密度は日本の10分の1(カナダは100分の1、アラスカは1000分の1)。
最強の軍事力、最先端のテクノロジー、華々しいカルチャー、根深い人種問題、渦中のトランプ政権。
ニュース等で植え付けられるアメリカのイメージは強烈かもしれないが、実際に旅をしてみると、まずそもそも人がいない。


たくさん敵もつくってきたし、恨んでいる人もいるだろう。
でも眼前に広がるのは、途方に暮れるほどの無垢な大地。
人類の所業とは無縁、我々が生まれた星。


近くに空軍があるのか、空で暴れまわっているようだ。










アップダウン控えめの道とはいっても、それでもそこそこ登る。



リッジクレストというそこそこ大きい街に到着。
ようやく電波復活。
インド人が多い。
キャンプ場なし。
観念してまたモーテル泊。
モーテルの従業員もインド人。
税込$41。


Ridgecrest, California, USA