ホステルが集まる市街中心へと向かう。
予想に反して、自転車レーンが整備されている。
信号も、いちいち赤で引っかかることなくスムーズ。
坂もなく、快調に進む。
世界有数の大都市のイメージとは程遠く、しばらくは低い建物がのっぺりと続き、ふつうの街並み。
路上テントの多さ、ションベン臭さ、ガラス破片の散乱っぷり、などはラスベガスと変わりない。
日照時間の短さにもかかわらず、この日はがんばって132km走行。
LA Internationalに投宿。
ドミトリー1泊$18.24。
調べた限り、ここが最安。
Booking.comでは、税・手数料抜きの料金が表示されるので注意。
低価格な宿泊料金を表示しておいて、べらぼうな税・手数料を取る詐欺まがいの悪徳宿がいまだ多い。
ここは労働者の宿のようだ。
黒人、白人、中国人、国籍不詳、実に多種多様。
旅行者は、見たところいないわけではないが少ない。
好ポジションのベッドは長期滞在者に陣取られていて、残された空きベッドは荷物の置き場にも困る。
各ベッドにコンセントがあるのは良し。
Wi-Fiは不安定で、よく途切れる。
トイレ、洗面、シャワーはいずれも水の流れが悪い。
部屋で電話するバカ。
イヤホンせずに動画を見るアホ。
労働者の絶対法則が早くも炸裂。
日本人旅行者もふつうにBooking.comを利用しているはずだが、こういう底辺宿で日本人に出会ったことがない。
皆この辺は見極めているのだろうか。
でも明らかに旅行者が集まりそうな宿は軽く$30~40するので対象外だ。
ゆっくり休みたくて3泊予約したのに、こんなストレスフルな宿じゃ安らげない。
しかし、環境にすばやく適応するのが旅人の特技。
思考を切り替える。
ドミトリーは男女ミックスで、この男くせえ汚ねえ部屋にはひとりだけ女性がいる。
こういうたくましさを見せられると自分はなよっちいもんだと思い知らされる。
ハリウッドが映画の撮影地として選ばれたのは、晴天率の高さ。
1年のうち325日が晴天だという。
しかし僕が到着したとたん、天気ガタ崩れ。
これから向かう中南米に備えて自転車パーツを一新したいのだが、この天気じゃ動けない。
しかも、28日はサンクスギビングデー、29日はブラックフライデー、と祝日が続き、自転車屋も閉まってしまう可能性が高い。
観光するにも、街の規模がでかすぎて徒歩じゃどこにも行けない。
何もせず体を休めるには、雨天というのはいいかもしれない。
でも祝日ということは、ホステルの労働者たちもずっと部屋にいるのだろうか。
今日は雨だったが、一時の晴れ間に散歩。
宿。
一軒家タイプで、裏のパーキングに自転車を置ける。
よく、キューバではクラシックカーが走っていると聞くが、アメリカだってそこらで見かけるオンボロ車。
Los Angelesはスペイン語。
losは定冠詞で英語のtheと同じ、特に意味はない。
天使の複数形は英語だとangelsだが、スペイン語なのでよく見るとスペルが違う。
18世紀にスペインの探検隊がこの地に流れる川を「聖母ポルシウンクラの天使たちの女王」と名付け、後に「天使たち」だけが残されてこの地の名となった。
スペイン語の発音だとロスアンヘレス、表記は今もスペイン語だがアメリカ領となってからは英語の発音で呼ばれるようになった。
コロニアル風の古い街並みが残る。
なんたってここがアメリカ領となってから、まだ170年しかたっていない。
聞こえてくるのは英語よりもスペイン語、メキシカンミュージック、店に入るとスペイン語であいさつされたりもする。
宿の周辺はほぼメキシコといっていい。
メキシカンフードでも食べてみたいところだが、ついついチャイニーズへ。
$10。
値段ははるが、ボリュームは合格。
日本人がイメージする中華とはかけ離れているが、アメリカではこんなもん。
Los Angeles, California, USA