2019年1月11日

アメリカビザ申請 in ロンドン

2011年以降にイラン、イラク、シリア、イエメン、リビア、ソマリア、スーダンのいずれかに渡航歴のある者がアメリカへ行く場合はビザを取得しなければならない、というルールが2016年から施行されている。
申請から取得まで長い日数がかかるという話を聞いていたので、滞在期限に余裕のないシェンゲン圏内ではなく、シェンゲン圏外のイギリスで申請することにした。

①オンライン申請
観光目的であれば、B-2と呼ばれるビザを選択。
僕は12月中旬、ドイツにいる時にオンライン申請を済ませた。

Online Nonimmigrant Visa Application (DS-160)

アカウントを作成し、ログインして質問に答える。
質問の数が非常に多いので短時間では終わらないが、セーブしてログアウト、ログインを繰り返すことができる。
数十秒アクションがないとタイムアウトになり、最悪最初からやり直しということもありうるので、頻繁にセーブしながら進めていく。
「あなたはテロ組織の一員ですか?」なんて質問もあった。

オンライン申請の過程で支払いも済ませる。
£131.20(18078円)。

完了したら、DS-160 Visa Application Confirmationのページをプリントアウトする。

②面接予約・受け取り予約
オンライン申請は全世界共通のサイトで行うが、イギリスでの面接と受け取りについては、

Official U.S. Department of State Visa Appointment Service

のリンクがオンライン申請完了後に現れる。
これもまた別にアカウントを作成する。

面接の日時を選択。
予約可能な日がカレンダーに表示される。
変更可能。

受け取り場所を選択。
イギリス各地に点在する宅配ボックスに配達される。
特定の住所に配達してもらうには別料金が発生。
変更可能。

完了したらメールが来るので、Appointment Instructionのページをプリントアウトする。

以前はプリントアウトはネットカフェを利用していたが、最近はすっかり姿を消してしまった。
print shopとかcopy shopなどで検索すると、プリントできる店を見つけられる。
ホステルなどでも頼めばやってくれるところもある。

③必要書類の準備
・パスポート
・DS-160 Visa Application Confirmationのページ(要プリントアウト)
・Appointment Instructionのページ(要プリントアウト)
・顔写真(5×5cm)1枚。

事前情報で戸籍謄本が必要と聞いていたので、日本にいる親に頼んで役所で取ってきてもらい、スキャンして画像で送ってもらった。
当然日本語なので、自分で英訳を付け、プリントアウトした。

残高証明書もあった方がいいと聞いていたので、銀行のサイトから発行、プリントアウトした。
うまいこと英文での発行が可能だったが、銀行によっては日本語のみのところもある。

顔写真(5×5cm)というのは通常の規格ではないので、日本にもよくあるようなインスタント証明写真ではつくれず、サイズを指定できる写真屋に行った。

③面接
在イギリスアメリカ大使館で、必要書類の提出と面接。
書類に不備があったり遅刻したりすると、また面接の日取りを組まなければならない。
館内に持ち込み可能な物、不可能な物などは事前にメールで知らせてくれる。

ブリクストンから3.5km、徒歩で行った。
可能な限り公共の交通機関を使いたくない僕としては、ブリクストンに安宿があってちょうどよかった。

エントランス前には、イカツイ銃を持ったガードマンがいる。
入館時には、空港と同じように金属類をすべてはずして、所持品を機械に通す。
僕はペットボトルの水を持っていたのだが、一口飲んでみてくれと言われて、飲んで危険物でないことを証明させられた。

20~30人ぐらいの申請者が列をつくっていた。
アジア人が多いが、日本人らしき人は見なかった。
係員の英語は容赦なく、あまり聴き取れなかった。
申請者たちも流暢な英語を話す人が多く、緊張感もなく余裕の表情。
ここでは僕が一番英語が下手なように思えた。

受付で番号が与えられ、2階の面接会場へ行って自分の番号が表示されるのを待つ。

最初に1~12番の窓口。
「interview, appointment」を「面接」と日本語訳してしまうと、会社の面接みたいで緊張してしまうが、窓口でいくつか事務的な質問をされるだけで、大げさなものではない。
それから機械で指紋をとる。
プリントアウトした用紙2枚とパスポート、顔写真を渡し、ファイルに入れられて返される。

次に13~18番の窓口。
ファイルを提出し、また似たような事務的な質問をされ、また指紋を撮る。
そして「あなたのビザは認可されました。1週間待ってください。」と言われて終了。

なぜ1回で済まさずに2回窓口に行かされたのかはよくわからない。

パスポートはホールドされる。

事前情報と異なっていた点
・せっかく苦労して用意した戸籍謄本、残高証明書は必要なかった。
・申請から受け取りまで1ヶ月ぐらいかかるという話を聞いていたが、1週間(3~5営業日+1~2配達日)。

最初のプランでは、申請を済ませて、1ヶ月ぐらいかけてイギリスとアイルランドを走行して(両国間はパスポート不要と聞いている)、ロンドンに戻ってビザを受け取るつもりだったが、1週間で受け取れるのならロンドンで待機することにした。

以前と比べて流れが改善されたのか、それともたまたま閑散期だからなのか。
アメリカビザを取得したという旅人はまだ多くはなく、出回っている情報も十分ではない(在日本アメリカ大使館で申請した日本人の記事が大半)。

ともあれ、認可されたのがわかっただけで、ホッとしている。

大変ではあったが、さすがにアメリカ、ビザ取得までの流れがとてもきっちりしている。
サイトに明確な説明が書かれているし、メールでの案内も親切だし、大使館の係員もフレンドリーで、忠実に従って事を進めれば問題ないと思う。
これがアフリカとかアジアとなると、必要事項が明記されていないので旅人同士で情報交換しなければならなかったり、大使館では窓口がわかりにくかったり、係員が無礼者だったり口からでまかせで適当なことを言ったり、他の申請者が順番を守らず割り込んできたり。
そういう意味では、アメリカビザはストレスフルではなく、きわめてオーガナイズされている。

1週間後に受け取れる、というのもウソではないはず。
多分。


London, UK