2019年10月9日

パラダイスバレー


ミズーラを離れると、また電波消失。
結局アメリカも、都市圏やそこそこの街でないと携帯が使えないということか。



また、広大な土地がありながらえんえん有刺鉄線が張られているため、なかなか寝場所を見つけられない。

橋の下。


雨も防げるし、水も流れている。
橋の下野宿は好条件。

ニューテントは高額なだけあって、ジッパーが軽やかでスムーズ。
耐水性はまだわからないが、今まで使っていたものより良さげだ。
ただ、野宿は人に見られたくないので明るいカラーはやめてほしいのだが、完璧に条件がそろった物なんてそう簡単には見つからない、しゃあない。


今自分がどこの国にいるのか忘れさせるような風景。


標高2000mほどの峠、雹に打たれた。

下ったところで、ヘレナという街。
WARMSHOWERSホストとコンタクトをとっていたのだが、途中から連絡が途絶えてしまった。
街のファーストフード店に入り、連絡を待つ。
このホストは住所も電話番号も公開していないので、メールでしかやりとりできない。
何か不都合があったにしても、せめて一報を入れてほしい。
なんとなく、メールの文章もどこかおかしな人だった。

20時まで待ち、あきらめることにした。
もうすっかり暗い。
キャンプ場はあることはあるがかなり離れており、しかもこの時間だとレセプションが閉まっている可能性が高い。

結局、モーテルに泊まった。
北米で初のモーテル泊。
$51。
建物は古く、2階の人の歩く足音がギシギシと響く。
最低限のサービスはあるが、電気ケトルやティッシュなどは置かれていない、もちろん朝食なんて付かない。
13年前の記憶だと、アメリカのモーテルはどこもハイクオリティで良質のサービスがあり、相場はもっと安かったと思う(州や地域によって差は大きい)。
世界中の宿で泊まった僕の基準で査定するなら、このクオリティだとせいぜい1500円ぐらい。
せっかく大金を投じたモーテル泊だったが、気分も盛り上がらず、時間も遅かったので、ただ寝ただけで終わった。

でもつくづく、物価の高い国をうまいこと気温の低い時期に旅できてよかったと思う。
もし夏だったら、根負けしてホテル泊してしまう頻度が高まるだろう。
クソ暑い時にエアコンと冷えたコーラ、そんな誘惑に勝てそうな気がしない。
今回はヨーロッパも冬だったし、季節のおかげで出費を抑えられていると思う。

その後も、広大なファームと小さな田舎街。
天気が悪かったので写真は撮っていない。

スリーフォークスという小さな街のキャンプ場、$27。
しかしたけえなー。
到着した夕方には氷点下になっていた。
ランドリーは暖かく、コンセントもあったので、寝るまでそこですごした。
悪くないキャンプ場だったが、この額を払うなら野宿しとくべきだったかな、とまた後悔。

翌朝、快晴。




のどかな田舎街。

小さなスーパーの前で休憩していると、出入りする客が「いい天気だね!」とか「安全な旅を!」とか、次々に笑顔で声をかけてくれる。


気温上昇、日中15℃。
冬から春になったかのよう、穏やかで気持ちいい。



ボーズマンという街。
たいして大きな街でなくとも、ウォルマートやらマクドナルドやらがあり、物に困ることはない。
WARMSHOWERSホストにリクエストを送っていたのだが、返信なし。

キャンプ場は$20。
もうテント泊のシーズンは完全に終わっており、僕以外は皆RV。
テントサイトはすぐそばに高速と線路があり、すごくうるさい。
レセプションのおばさんは、
「こんなうるさいところで、それに夜寒いのに、テント泊するなんてあなた正気?」
「ちょっとあなた、短パンじゃないの。長ズボン貸してあげようか? えっ、いらない?」
「車も列車もうるさいから、耳栓をあげるわ。」
「何か必要な物があったら遠慮なく言ってね。」
となんとも世話好きで親切な人。
昼間は暖かったが急激に気温が落ち、夜は0℃ぐらい。

翌日。

10kmほど一般道が消失する区間があったので、またハイウェイ90を走る。
自転車禁止とは書かれていないし、他にルートはないからここを走るしかない。


リビングストンという街。
スーパーで買い物していると、次々に話しかけられる。
皆、本当にフレンドリー。
サイクリング中のおじさんにも話しかけられた。

これからイエローストーン国立公園へ突入する。
複数のエントランスがあり、僕は北口から入るつもりだが、2日後は大雪の予報で、北口の道路は閉鎖される可能性が高いという。
その場合は引き返して西口から入るしかない、西口は閉鎖されることはない。
あらかじめこういう情報を得ていれば最初から西口に向かっていただろうが、近づいてみて初めて知る情報ってけっこう多い。
西口に行くには、またボーズマンに戻らなければならない。

話しかけてきたこのサイクリング中のおじさんはボーズマンに住んでおり、ボーズマンに戻るならウチに泊まっていきなよ、と言ってくれた。
名前と連絡先を交換すると、なんとこの人、僕がリクエストを送ったけど返信をくれなかったWARMSHOWERSのホストだった。
なんだよ、返信ちょうだいよ。
やはり毎日メールチェックをするわけではなく、気づかないことが多いらしい。

この日は、ここから19km先のWARMSHOWERSホストとすでにアポイントを取っていた。
2日後の天候や道路状況次第では引き返すことになるかもしれないが、約束をキャンセルするわけにはいかないので、進み続けた。

イエローストーン川。

ホスト宅、またすごいところに住んでる。



すごいガレージ。


退職した夫婦が暮らしている。



僕は地下のフロアをまるまる自由に使っていいと。



ベッドルーム。


この谷はパラダイスバレーと呼ばれ、バルコニーからイエローストーン川も見渡せる。


ちょっと散歩。







Pine Creek, Montana, USA

30387km