再び湖上探索。
こんなん渡れないでしょ、って思うでしょ。
渡れちゃうんです。
また水たまりで補給。
またオリホン島へ引き寄せられた。
雪が積もっているところは通れない。
厚さ1mの氷をすっかり信頼して安心しきってた時、とうとう見つけてしまった!
昨日もここを通ったが、こんな穴はなかった。
釣りで開けられた穴ではない。
気温上昇で自然に開いた穴だ。
こえ~。
湖面は日々豹変する。
昨日はツルツルだった表面に霜がのって、自転車走行できそうになっていた。
あー、気持ちいい。
わざわざ高額なスパイクタイヤを買わなくても、ノーマルタイヤでこの辺をしばらく走っていたらそれでもう満足。
いい気になって遊んでいたら、天候悪化してきた。
氷上にペグは刺さらないのでオリホン島の岸辺にテントを張った。
しかしみるみる強風になり、設営不可能となった。
周囲に風を防げそうな壁などない。
これは、本土に戻るしかない。
テントをたたんで歩き始めたが、ツルツルの湖面で強風に吹かれると踏んばることもできず、氷上を流されてしまう。
やべえ。
やむをえず引き返し、とりあえずオリホン島へ戻った。
なんぼ強風でも陸地ならまだ安心、未舗装道路を歩いて港まで行った。
40分ほどかけて港の待合所までたどり着き、最悪のピンチは逃れた。
さて、この待合所で野宿すべきか。
それとも、氷上を渡って2.6km先の本土まで戻るべきか。
天気予報によると、この後風はおさまる。
思い切って、日が暮れる前に氷上を歩いて本土に戻ることにした。
前半は調子良かったが、しかし、風はさらに強まり、暴風となった。
僕も自転車も、風に押され滑らされ踊らされ、なかなか進まない。
そして、ふと気づけば、信頼していた厚さ1mの氷が大きく口を開けている!
何がなんでもこれに飲み込まれてはならん。
なんたって世界最深。
少しでもグリップの効く雪の上を渡り歩いた。
その後本土に近づくと、車のタイヤ跡が現れたが、これもまた昨日とは様子が変わっており、ドロドロの雪道。
ズボズボと沈みこみながら、重い自転車を少しでも浮かせながら、ああ、本土までの道のりのなんて長いこと。
なんとかかんとか、無事帰還。
これも写真だとわかりにくいが、表面がかなり水浸しになっている。
わかりきったことだが、相手は自然。
わかりきったことだが、侮っちゃいかん。
出費がかさむことになったが、結局また同じ宿に連泊。
天気予報はまったくデタラメ、この後風はさらに猛威をふるい、窓に打ち付ける風音にゾッとした。
Irkutsk, Russia