2019年3月17日

エッサウィラ



街が現れると例によって少年たちがからんでくるが、それほどタチ悪くない。
でもこのアラブ世界全体で、からんでくる少年は皆同じ目つきで、行動心理も同じ。
程度の差があるだけで、共通するものがある。



154km、久々に長距離走って疲れ切った時、ちょうどいいところにキャンプ場が。


ここはビーチでもなく自然あふれるところでもなく、だたの小さな田舎街だが、唐突に街の中心にキャンプ場が現れた。

ユーロピアンキャンパーがずらり。


若者はおらず、全員老夫婦。
退職後の人生をゆったりと過ごしている。

もしかして、キャンプ場でキャンプするのって今回の旅で初?


60ディルハム(697円)。
Wi-Fiは使い物にならず、充電も十分にできないが、1泊だけなら特に問題ない。

隣のオランダ人のところのイヌがちょいちょい訪ねてくる。


街でヤギ肉を買ってみた。


コリコリした食感と独特の臭味、ウマかった。
でもいいかげんフランス語を勉強しないと、買い物もろくにできない。

エッサウィラ。


海に達すると、一気に涼しい風が吹き込んでくる。
マラケシュなどの内陸はすでに厳しい暑さだが、沿岸部は寒流のおかげですごしやすい。

























僕の目当ては、エッサウィラの中心から南へ約4kmほどにあるディアバト。




1969年にジミ・ヘンドリックスがここを訪れたという話。
真偽は不明だがいろいろエピソードがあり、ジミヘンはこの地を気に入っていたようだ。





Jimi Hendrix Cafe。


絵、ヘタっ。


おばさんたちがたむろってるだけの店だった。



Jimi Hendrix Hotel。


ジミヘン歴26年の僕としては、泊まらないわけにはいかない。





ここで働いている人たちは、ジミヘンはおろか音楽の心得があるような匂いはない、いたってふつうのモロッコ人。
BGMでジミヘンを流してくれるどころか、J-popみたいな腐った音を垂れ流している。

でもギターはちゃんとチューニングされていた。
ネック反りまくって弾けたもんじゃなかったけど。



ベッド2つもある個室、100ディルハム(1162円)。


部屋でひとりでジミヘンを聴いた。
50年経っても、唯一無二の音は生きている。
それどころか、これを超える音を出すギタリストはまだひとりも出てきていない。



26歳のジミヘン、ここに来たんだな。
そしてその1年後に死んだ。



たしかに、Castles Made Of Sandっぽい情景かな。


あ、1年経ちました。


Essaoira, Morocco

16871km