緩やかで長いストレート。
ブレーキをかけることなくスイスイと進む、理想的な下り。
後ろを振り返ると、オリサバが。
美しき独立峰。
これは、メキシコで一番美しいかもしれない。
下って下って、海抜0m。
東海岸のメキシコ湾へ出た。
気温上昇。
湿った潮風。
メキシコ湾といえばオルメカ文明、オルメカ文明といえばこの頭像。
西から東へメキシコを横断したことになる。
港町、ベラクルス。
床屋へ行った。
上手に丁寧に要望通りにカットしてくれて、40ペソ(236円)。
アメリカの床屋はこれよりやや大ざっぱで20ドル(2196円)、およそ10倍!
こういう理解しがたい物価の差を目の当たりにすると、貧しい国でもちゃんと仕事する人を応援したくなる。
宿は180ペソ(1063円)。
便座なし、洗面所が詰まっていて水がなかなか流れない。
でも安いからいい。
暑い。
扇風機なしではいられない。
またあの小さな蚊が復活。
室内にゴキブリも出た。
日本のと同じぐらいのサイズかな。
でも安いからいい。
ゴキブリは何の害もない。
僕はまったく気にならない。
日本でシェアハウスで生活してた時、同居人(主に女性)たちのゴキブリに対する異常な過剰な騒ぎっぷりを思い出した。
旅に出てしばらくたった後も、シェアハウスの同居人から「浅地さん、またゴキブリが出ました、どうすればいいですか?」というメールが来たりした。
決して殺さず仲良く共存してください。
翌日。
ベラクルスはローカル色の強い汚い街だと思ってたが、海沿いに少し進むと近代都市が現れた。
アメリカ資本の大きなホテルが軒を連ねていた。
こっちは安宿はなさそうだ。
路肩ありの一般道。
日中32℃。
死にそう。
なぜ高原から下界へ降りてきてしまったのか。
でも無人地帯ではなく、所々にコンビニOXXOがあるので助かる。
アイスと冷たいスプライトをたっぷり体内に流し込んで冷やす。
向かい風の熱風を食らうが、この辺は風の影響よりも勾配の影響の方が大きい。
何よりも路肩がちゃんとあるから、それだけで安全安心。
ミニチュアみたいな街。
よく見たら墓地か。
ドライな西側と違って、東は湿地帯なのか。
大河に沿って。
また路肩消失したが、交通量少ないのでそれほど脅威はない。
こういうローカルロードだと舗装されてるだけでもマシと思うべきか。
雨のため連泊。
宿は200ペソ(1169円)。
狭いボロ宿、また便座なし。
でもWi-Fiはまとも。
最近、宿代の安さをいいことにダラケてペースが落ちている。
メキシコもまだ先が長い。
ひとつの国に長くいすぎると気持ちの盛り上がりを維持できなくなる、少し急ごう。
プリン735g、60.27ペソ(352円)。
メインの晩飯代よりプリン代の方が高くなってしまった。
しかしこれで735gなら、2kgぐらいは平らげられそうだ。
いつかチャレンジしてみたい。
Cosamaloapan, Mexico
37695km