ユーコン準州の州都ホワイトホース。
人口3万1000人。
ユーコンで唯一の人口1万人超の街。
一番端が路駐車、次に自転車レーン、それから車道、と棲み分けしている。
日本の道路づくりもこういう発想を取り入れない限り、永遠にダメなままでしょう。
とにかく腹が減ってしょうがない。
頭の中は食べることばかり。
ウォルマートへ直行。
しかし、ここのウォルマートは品薄。
恋い焦がれていたココナッツクリームパイもなく、ジェリービーンズもなく、米もない。
日用品やアウトドア用品も同様、全体的にさびしいウォルマートで、何も買えなかった。
ガッカリ。
他にも何軒かのスーパーが同じエリアにある。
ウォルマートよりも他のスーパーの方が品ぞろえ豊富だった。
依然として電波はない。
スーパーのWi-Fiでメールチェック。
4人のWARMSHOWERSホストにリクエストを送っていたのだが、返信をくれたのは1人だけ、それも素っ気ないお断りの返信だった。
ガッカリ。
やむをえず、キャンプ場へ。
ざっと調べた限り、キャンプ場は安くてC$27(2236円)、ホステルはC$35(2898円)。
そういえば、一緒に走っていたはずのジェフとはいつの間にやら離れ離れになっていた。
だいたい、自転車で長旅するようなヤツに協調性なんぞなくて当たり前。
一緒に走り続けるなんて土台ムリな話なのだ。
特にジェフは、天然マイペースのB型タイプ。
血液型で例えるのはいいかげん古臭いかもしれないが、やっぱしっくりくるな。
そのジェフと街中で遭遇。
彼はホステルに泊まるつもりだったが満室のため、街中のキャンプ場へ向かうという。
街中のキャンプ場はテント泊専用で、充電ができなさそうだった。
僕はいつもの如く、どうせお金を払うなら一通りそろっているところへ。
「街中のキャンプ場」と日本語で書いて初めて違和感をおぼえたが、北米やオーストラリアやヨーロッパでは、街中にキャンプ場があるのは当たり前のことなのだ。
市街中心から7kmほど離れたHi Country RV Parkで1泊、C$28.35(2348円)。
米だ米だー。
チキン、タマネギ、大根。
「大根」って英語で「radish」だと思ってたけど、そのまま「daikon」で通じるのね。
食っても食っても腹が減る腹が減る腹が減る。
翌日用に買っておいたパンや菓子も全部食い尽くしてしまった。
どうすりゃいいの、この狂おしい空腹感。
このキャンプ場も、柵も塀もない。
特に僕のサイトは端っこで、道路と隣り合わせ。
本当に誰でも気軽に侵入できてしまう。
テントサイトで砂利はやめてほしい、ペグが刺さらん。
このキャンプ場は充電には困らないが、Wi-Fiが1デバイスにつき30分の時間制限。
ケチだなー。
今時どこ行ったって、Wi-Fiに時間制限を設けている国なんてないぞ。
しかも、超スロー。
30分かけて写真を6枚しかアップできなかった。
インターネット後進国、カナダ。
ネットに関してはアフリカよりひどい状況だ。
ただ、ここに連泊する気にはなれなかったので、懲りずにWARMSHOWERSにリクエストを送っていたら、ひとりだけ即答で承諾してくれた人がいた。
ありがたい。
翌日、再び市街中心へ。
キャンプ場のWi-Fiがてんでダメなので、マクドナルドでネット。
マックシェイク(L)、C$5.24(433円)。
ホイップクリームは乗っていない。
それから、またスーパーで買い物。
ホワイトホースを離れるとまたしばらく大型スーパーはないので、可能な限り買い込む。
それから、WARMSHOWERS宅へ。
市街から40km、もはやそこはホワイトホースではない。
また山の中へ。
またすごいところに住んでるのね。
人里離れた一軒家で、ひとりの女性が暮らしている。
どうしてこんな辺鄙なところに住んでいるのか。
すぐ近くに息子や友人が住んでいるので不便もないしさびしくもないと言っていたが、近くに家なんか見えなかった。
そしてどうしてこんな高い生活水準を保てるのか。
風鈴。
誰もが携帯しているベアスプレーをもらった。
カナダでの価格は確認していないが、アラスカではUS$35~40。
高すぎるので僕は買わないでいた。
すると「君の命はいくらなんだい?」とおこられたりする。
でも、このベアスプレーの効果にも僕は懐疑的だ。
よほど限られた条件でしか使えないと思うし、実際クマに向かってスプレーしたことがあるという人に会ったことがない。
持っていれば安心というだけのお守りのようなものだと思う。
後日、野宿中にテストしてみたら、想像以上に強烈。
もちろん風上から風下に向かってスプレーしたが、それでもちょっと吸い込んだだけで喉が焼けるように痛み、しばらく咳き込んだ。
クマを撃退できたとしても、自分も相当なダメージを負うだろう。
Carcross, Yukon, Canada
24589km