2019年2月22日

ファロー

ロカ岬からリスボンまで同じ道を戻る。
日曜日だからか、岬へ向かう地元サイクリストと100人ぐらいすれ違った。
僕に手を振ってくれる人も多く、立ち止まって話しかけてくれる人もいた。
今までの国でも人から話しかけられることはあったが、ラテンの人特有の、ゆったりとした感じが印象的だ。



ポルトガル人と話すと必ずと言っていいほど、日本語の「ありがとう」とポルトガル語の「obrigado」は似てるね、という話題を振られる。



ポルトガルは、紀元前に最初にフェニキア人が都市建設を行い、次にギリシャ人が植民し、そしてローマ帝国の支配下となり、5世紀にはゲルマン人が侵入、8~12世紀はイスラム帝国に支配された。
レコンキスタ(国土回復運動)によってイスラムから国土を奪還し、1143年ポルトガル王国が成立。

15~17世紀の大航海時代、先陣を切って世界に進出したのがポルトガルであった。
内乱が続いていた他国と違ってポルトガルは安定を保ち、大西洋に面した地理的優位性もあり、他国を出し抜いて海外進出することができた。
ディアスの喜望峰到達、ヴァスコ・ダ・ガマのインド洋航路開拓、カブラルのブラジル発見、マゼランの世界一周、さらに東南アジアや中国のマカオまで手を伸ばし、香辛料貿易によって巨万の富を得て、未曾有の繁栄を遂げた。
当時のリスボンは世界最大級の都市であったという。

日本に初のヨーロッパ人としてポルトガル人が到来したのもこの時代。
フランシスコ・ザビエル(スペイン生まれのバスク人だがポルトガル王の命令でやってきた)によって日本にキリスト教が布教され、火縄銃が伝わり、100年にわたって南蛮貿易が行われた。
この時代にポルトガルから日本に西洋文化がもたらされ、豊臣秀吉や織田信長もその影響を受け、南蛮文化が大いに流行した。
ポルトガル語が由来となっている言葉の例として、カッパ、ボタン、テンプラ、カボチャ、パン、カステラ、バッテラ、コンペイトウ、タバコ、シャボン、ジョウロ、ブランコ、ミイラ、カルタ、ピンキリ、などがある。

同じく海外進出したスペインと世界を二分したポルトガルであったが、黄金時代は長くは続かなかった。
香辛料バブルは間もなく弾け、世界の植民支配はイギリスやフランスやオランダが主導権を握るようになり、16世紀後半にはスペインに併合され、19世紀にブラジルが独立、衰退の一途をたどった。

和食ブーム?。


スーパーの和食コーナー、充実してる。


ああ~、ヨダレが。


スシ1パックよりエッグタルト5パックの方がずっと安い。


1パック4個で€1.35✕5パックで計€6.75、1個当たり42円ぐらい。
寿司は1パックで€10ぐらいする。

やばい、エッグタルトおいしすぎて止まらない。
この日のランチは20個一気食い。

ポルトガルのスーパーも日曜日営業している。
今回のヨーロッパ旅はスーパーの営業日縛りに困ることがあまりないな。





ポルトガルの歩道は石畳。


車道が狭かったり交通量が多かったりする時は歩道に逃げるのだが、石畳は嫌だなー。
アスファルト舗装より石畳の方がつくるの大変そうだけど、ヨーロッパ人はそんなに石畳が好きなのか。



まだ2月だが、日曜日のビーチは大にぎわい。





リスボンから南の対岸へ。


わずか20分の航海で€5。
橋があるのだが、例によって自動車専用道。
自転車も橋を渡らせてくれたらタダで済むのに。



セトゥバルという街のホステルで1泊。
ドミトリーを予約したはずなのだが、シングルルームが与えられた。


€16。
個室はいつ以来だろう?
激狭だけど、広さよりもプライベートを確保できる貴重さ。

豚肉が安い。


660gで€1.31。
骨の重量も含まれているが、にしても安い。
ステーキにしてみたかったが、キッチンがちょっとお粗末だったので、細かく切ってスープスパゲティにぶち込んだ。

この夜はかなり強い雨が降った。
やっぱ雨は降るのね。
宿に泊まっといてよかった。

翌日、セトゥバルから南の対岸へ、またフェリー。
また20分の航海で€5。
いちいち高くつくな。



ポルトガルの幹線道路は必ずしも高速化されておらず、自転車走行可の幹線道路が多い。
1本の道路をしばらくまっすぐ進めるので、いちいち立ち止まってマップチェックすることもない。

気温も上がったことだし、スマホのバッテリーの持ちがいい。
ディスプレイの明度を上げてみたりする。

森でキャンプ。
夜は気温が落ちるが、昼間汗をかくので、ベタベタして気持ち悪い。
気温的には、キャンプのベストシーズンは終わってしまったな。
これからは宿に泊まりたい誘惑に負けることが多くなりそうだ。

アップダウンが続き、山の中へ入ることも。
なんかヨーロッパっぽくない風景。


この日は日中ずっと雨。
やっぱ雨は降るのね。







こんな風車、回転するのかな。


ラゴスという街のホステルで1泊、€10。
ちょっとした海辺の街だが、ずっと山道で少々疲れたので、街歩きする気にもなれず。

ラゴスからは、イベリア半島のアゴを東進。
といっても道は海の近くにはつくられておらず、風景は何ということもない。
アップダウンもそれなりにあり、しかも向かい風。

ファロー。














ヨーロッパではすっかりおなじみ、電動キックボードのシェアサービス。


詳しいことは知らないが、スマホでQRコードをスキャンすれば乗れるのかな。
特に坂の多いポルトガルの街では、自転車よりこっちの方が普及するかもしれない。
でも石畳だから快適ではなさそう。



街の中心にあるホステル、€9。

宿のトイレに、「紙を流さないで」という張り紙がちらほら現れ始めた。
トイレに紙を流せるかどうかは、先進国と後進国の分かれ目のひとつ。
この辺からもう怪しいのか。

豚肉、595gで€1.78。


生姜使ってないけど生姜焼きっぽいのができた。


上出来。

ポルトガルの田舎道は概ね走りやすい。


道路というのはシンプルにつくるべきだ。
イギリスや日本のように余計なものをゴチャゴチャつくっても、通行のジャマにしかならない。
アスファルトに白線引くだけでいい。

でもポルトガルの街中の道路は、自転車の存在を完全に無視したつくりになっているので走りにくい。
他のヨーロッパの国と逆だな。
自転車だけでなくベビーカーとか車椅子なんかにとっても、ほぼ通行不可能と思えるほど段差だらけ。



またフェリー。


例によって橋は通行不可。
€3。


Huelva, Spain

15551km