2019年2月11日

ゴールウェイ

アイルランドに入国。

引き続き左側通行。
国境には標識も何もなく、いつの間にか道路標識がアイルランド語と英語の二言語表記となり、距離はkmで表示されるようになった。

ブレグジット後はこの国境で関税やパスポートチェックを行うことになるのかどうか、議論の争点となっている。
2016年の投票では、スコットランドと同様に北アイルランドでもEU残留派が過半数であったこともあり、いっそ北アイルランドを併合してしまえばという南北統一の声も高まってきている。
EU離脱は、「アイルランドは誰のものか」という問題を再び掘り起こしてしまっている。

アイルランド島は北海道よりやや大きく、南側の80%以上がアイルランド、残りの北側がイギリスとなっている。

先住民のケルト人と、9世紀に移住してきたノルマン人が混じって現在のアイルランド人の基礎となった。
1541年アイルランド王国が成立し、1801年イギリスに併合された。
1922年アイルランド自由国として独立し、現在のアイルランド共和国として独立したのは1937年。

プロテスタントでアングロ・サクソンのイギリスとは異なり、アイルランドはカトリックでケルトの文化を受け継いでいる。
イギリスによる圧政を受けてきた歴史から、イギリスに敵意を持つ伝統がある。
イギリスの圧政期にアメリカに移住したアイルランド人は多く、ケネディ大統領やレーガン大統領もその子孫であるアイルランド系アメリカ人。
こういった経緯からアイルランドは反英親米であり、90年代のEU発足以来アメリカからの投資が功を奏して急成長し、現在は一人当たりのGDPは世界6位。

やはり農場ばかりでキャンプ地探しが大変。
廃墟の裏にテントを張る。


地面が固くてペグが刺さらない。
ペグなしだと自立できないワンポールテント、なんだか不格好。



アイルランドのスーパーも日曜日は営業している。
でも、やけに高い。
イギリスより高い。



道路はイギリスよりはいくらかマシになった。
緩いアップダウンの繰り返し。

時々小さな街が現れる他は、どこまでも農場農場農場。
隅々まで隙なく私有地。
森があってもフェンスで侵入できないようになっている。

ちょっとした土手を乗り越えて、奇跡的にテントを張れた。


ここも私有地かもしれないけど、誰にも見られてないし、ペグを打って広々とキャンプできた。
夜、雨が降った。
若干浸水してきた。
やっぱこのテント、ダメだな。



なんだか廃墟が多い。



経済活動が活発には見えないのに謎の経済力で物価が高い国としては、北欧と通ずるものがある。



ゴールウェイという街のはずれの農場地帯で、2014年にタイで出会ったアイルランド人サイクリストのエリザベスの家でお世話に。

↓この人。


エリザベスはニュージーランドのWARMSHOWERSで出会ったポールと一緒に自転車で旅をし、日本も走った。
現在二人でこの家で暮らしている。
二人ともとても歓迎してくれて、気にせずリラックスして、いくらでも泊まっていけばいいと言ってくれる。









1950年製のラジオが現役。


僕はこの部屋で。


こんな厚待遇されてしまうと動きたくなくなってしまう。

プレゼントも。






ポールは少年期から背骨を痛めており、幾度も手術をしながらも自転車旅をこなし、雑誌にも掲載されている。












ドライブに連れて行ってもらった。

ゴールウェイ。






口で吹かない笛?


肘でクッションのようなものを押して音を出している?

アイルランド語はゲール語と呼ばれ、第一公用語となっている。
標識等はまずゲール語で、その下に英語。


アイルランド語って英語の方言ぐらいに思っていたが、だいぶ違うようだ。
第一公用語なのに話者は30%ほどで、ほとんどの人は英語を話す。



農場ばかりの内陸とは違って、海岸沿いは風光明媚。
海岸ルートで来ればよかった。
特にこの西海岸にゲール語話者が多いようだ。







ホームパーティ。




ご近所、といっても一番近い家でも数百m離れているのだが、総勢23人が集まった。



おじいさんがフィドルを弾き始めると、自然と皆でアイルランドの歌を歌う。





気づいたら6泊もしてしまっていた。




Dublin, Ireland

14973km