2019年4月19日

バオバブ街道

バオバブ、西にも生えてたんか。


引き続き追い風フラット。
多少なりとも草木が生えていると風の影響力はぐっと弱まるが、追い風は追い風、ありがたくいただく。



カラフルな衣装の女性たちに目を奪われる。
これぞアフリカという光景だが、カメラを向けたら絶対怒られるだろうから、撮れない。



外国人はまったく立ち寄らないような田舎街でも、バケツを持った少年たちが小銭を求めてさまよう。
これはもう都市部限定ではなく、全土に根付いた文化とも言えるかもしれない。
(物乞いをするのは男の子だけで、女の子にはやらせないようだ。)

年端もゆかぬ子供に仕事をさせるわけにもいかず、学校に行かせる金もないなら、物乞いでもやらせるしかない。
どうにかならないものか、この発想。
恵みを施す人がいるから物乞いもいつまでもなくならないのだろう。
かれらにとってはその日を生きるのに必要な仕事だとしても、生産性のないこの循環には将来が見えない。
20年後、30年後にまたここに来たら、何か変化は起きているだろうか。



貧困国で人口が増えるとロクなことないな。


自由奔放な生き様は魅力的だけど、こういう規律はまったくもって皆無。
どこもかしこもゴミだらけ。
そのゴミをウシやヤギが食う。
その肉を人間が食う。

リスに似た小動物をよく見る。

人口密度が増えた分、交通量も増した。
すれ違う車がいちいちピーピーうるせえ。
鳴らす必要性はミジンコのクソほどもない、クラクションというのはただただ迷惑で不愉快なノイズ以外の何物でもないということをいいかげん学習しろよゾウリムシどもめ。





サンドウィッチ、500CFA(96円)。
値段は良心的だが、辛い。
初日のチェブジェンに比べたらだいぶ軽傷ですんだが、でも辛い。

コーヒーはおいしかった。


東アフリカでも飲んだ、マサラコーヒー。
ほんのりとスパイスが入れられて独特の香ばしさ、砂糖もちゃんと入ってる。

店の前にいた愛嬌ある女性にお願いして撮らせてもらったが、カメラを向けたらやっぱ怒ってる?


アラビア語はなくなったけど、いずれにしても読み方わからない。


アフリカ人はNで始まる言葉が好きだな。

なんつー荒業。


もう一度サンドウィッチに挑戦。


やっぱり辛い。
ちゃんと肉と野菜も入っているし(ただし生のタマネギも入ってる)、サイズもそこそこだし、辛ささえなければおいしくいただけるのに、残念。

この店はマサラコーヒーも辛かった。
スパイス入れすぎ。

もうわかった。
たまたま運悪く辛いものにブチ当たってしまったわけではなく、基本的に全体的に辛い。
アジア以外にもこんな辛子文化圏があったなんて、これは落ち込むな。



宿探しは困難。
サンルイは観光都市なので比較的リーズナブルなドミトリーがあり、あらかじめその情報を得ていたが、田舎街ではそうはいかない。

まずは、地図上にある安そうなホテルに目星を付けて行ってみるが、実在しない。
アフリカはこういうところも適当、誰かがデタラメに登録したのだろう。

次に、街中にあるなるべく質素に見えるホテルをいくつか当たってみるが、最安のシングルルームでも20000CFA(3680円)。
値段交渉する気も起きない。
セネガル人はこんな大金払えるのだろうか。
何もかもがきっちり整ったちゃんとしたホテルでもこの値段じゃ泊まる気になれない、ましてアフリカンクオリティでこの値段とは、一体何がどうなってるのだろう?

あてもなく街の外に出て走り続け、しがないモーテルを発見。


シングル14000CFA(2702円)。
これもありえないが、もう観念してここに泊まることにした。



水シャワー。
トイレは水洗だが便座なし。
毛布も布団もなし。
扇風機があるのはありがたいが、コンセントが1つしかないので、扇風機と電子機器の充電を同時にはできない。
僕の基準で査定するなら、高くてもせいぜい700~800円のクオリティ。

近くにレストランも売店もないので、街道にあるGSまで自転車で行った。

GSにあるファーストフード店で、ハンバーガー1個2000CFA(386円)。
ポテトも何もつかない、とりたててうまくもない、ただのハンバーガー。
この日の晩飯は以上。

こんなすさんだ食生活するなら自炊したいところだが、食材がそろう店もない。

同じくGSにあるスーパー、といっても売店に毛が生えた程度だが、高すぎて何も買う気が起きない。

炭酸は1.25Lで500CFA(96円)のものから800CFA(154円)のものまであるが、いつも安い物を見つけられるわけではない、高い物しかない時はやむをえず買う。
ヨーロッパでも1.5Lで€1以上の炭酸を買うことはめったになかったが、この暑さでは高くても我慢できず、ドリンクだけは買ってしまう。

他の客たちが見慣れないジュースを買っていたのを見て、地元民が買うのなら安いに違いないと思って僕も買ってみた。


しかしこれ、1.5Lで1600CFA(308円)!
やっちまったなー。
しかもやたらと濃くて、薬の味がする。
あまりにも濃いのでこれはカルピスのように薄めて飲むものでは、と全部飲んだ後に思った。

なるほど、旅人が寄りつかないわけだ。
貧しくて治安が悪くていろいろ不便を強いられる代わりに安く旅できる、というのが世界旅行のセオリーだと思うが、それが見事に覆される。
貧しくて治安が悪くていろいろ不便を強いられてもわざわざ高い金を払って来る物好き、訪問国数を稼いで世界制覇した気分になりたい人、あるいは西アフリカによほど何か強い興味関心を持つ人、ぐらいしか来ないだろう。
食も乏しい(辛い物が平気な人はこれは異論ありかもしれない)。
セネガルはビザフリーだが、他の国では法外なビザ代が要求される。
僕はなぜ西アフリカを走っているのだろう?
腹が減りすぎてまともに思考できない。



首都ダカールに近づくと、あちこちでひどい渋滞。


大型車の多さに対して道幅が狭すぎる。
スキあらば我先にと突っ込むのですぐに詰まる。
砂塵にヘドロ臭が混じって目と鼻を突き、ドス黒い排気ガスが呼吸を止め、無意味なクラクションが耳をつんざく。
地獄。


Dakar, Senegal

19603km



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