2019年4月15日

サハラ縦断 5

朝のヌアクショット。




この日も追い風フラット、快調。


と思いきや、途中から道路工事区間で悪路となった。


やはり好条件というのは長続きしないものだ。
舗装工事していたので、数年後にはヌアクショットより南も全舗装されているかもしれない。

この暑いのに、ヌアクショットより南は店がまったくない。
110km走ってようやく街が現れた。


サンドウィッチ大サイズ、50ウギア(153円)。
ここは良心的。



ガタガタも嫌だけど、何よりも進行を阻むのは砂。




街は少ないが、無人地帯でもない。
まばらに散らばった家屋が続く。
子供たちが僕を見るたびに何やら叫ぶ。
こういうところでキャンプはやりづらい。
宿もまったくない。

やむをえず、検問所の軍人の許可を得て、近くの廃屋にテントを張った。
許可を得てとはいっても、軍人も別にキャンプするのに許可なんかいらない、何の問題もないよ、といった感じ。
でも検問所の近くなら悪ガキが寄ってくることもないだろう、という安心感が僕は欲しかったのだ。



しかしその安心感と引き換えに、検問所で停車するトラックのエンジン音を一晩中聞かされるハメになった。
トラックとかバスのドライバーって、どうしてエンジン止めないんだろう?

翌日。



少しずつ木が増えてきて、砂漠の終わりを予感させる。



ひっでえ道。


世界中いろんなところを走ってきたけど、毎度砂漠走行になるととたんに日本の知人友人たちから「自転車で砂漠を走れるの?」という質問が続出する。
砂漠に限っては道路が存在しないものだと思いこんしまう人が多いのはどういうことだろう?
やはり今まで見てきた砂漠の映像がそういうイメージを植え付けてしまっているからだろうか。



メインロードは、南東方向にあるロッソという国境の街へ向かう。
多くの旅行者がセネガルへと越境するメジャーな国境だが、僕は南西方向にあるマイナー国境のディアマへ向かう。

ローカルロードのはずだが、メインロードよりきれいに舗装されている。






水!




ふいに現れた水と緑。
ここはセネガルとの国境をなすセネガル川。
サハラが終わった。

そして舗装道路も終わった。


未舗装はしんどいし暑いけど、木々が生い茂っているだけでも気が楽。

ディアマはまだしばらく先。
セネガル川に沿って国立公園の中を進む。



イノシシがたくさんいる。
家族で群れをなしており、僕の気配を感じると親子ともども道路へ出てきて、すごい勢いで逃げ去っていく。



中にはかなり大サイズの成体もいて、間近で見るリアル猪突猛進はすごい迫力。



逃げ遅れた子供がお母さんからはぐれてしまい、パニックになってピーピー泣きながらぐるぐる周り始めた。
やがてお母さんが迎えに来て、一緒に去っていった。
怖がらせてしまってごめんよ。
まともに戦ったら君たちの方がはるかに強いんだけどね。



計30頭ぐらいは見たかな。

この未舗装区間にも検問がある。
軍人は掘っ立て小屋でボケーとしており、僕が通過して数十m進んでから気づいて、大声で「オイッ! 止まれ!」と叫ぶ。
そんな無礼な呼び止め方しないで、ちゃんと仕事しろや。

この1枚の写真に、ラクダ、ウシ、イノシシ、水鳥。








魚も。


唯一(?)の水場が国境の川だなんて。
モーリタニアとしてはこの川をまるまる欲しいところだろう。

全土が砂漠のモーリタニアがなぜ海沿いに道路や街をつくって発展させないのかは謎だが、僕としてはやや内陸の砂世界を体験できたので良かった(文句を言いながらもあれは楽しめた)。

砂漠から一転、ワニ注意ですか。




国立公園が終わると、公園通行料200ウギア(612円)を請求された。
ちゃんとプリントされた領収書をもらえたので、不当請求ではなさそうだ。
おそらく、信頼せず払おうとしない外国人がいるのでわざわざ領収書をつくるようになったのでは、と思う。
もちろん地元民は払わない、外国人だけだと思う。

小銭を処分するために立ち寄った最後の売店で。


こんな国で自国生産している物などないだろうと思っていたが、この手のドリンクはよく見たらモーリタニア産。
330mlで20ウギア(61円)。
これは安い。
でももっと払わされた店もあった気がする。
ぼったくりだ!
だいたいいつも100ウギアとか150ウギアとか、キリが良すぎるんだよな。
その場の思いつきで値段を言っているっぽい。
店によっては冷蔵庫の中のドリンクもホコリをかぶって炭酸も抜けて、一体何年前のものだ、というのもめずらしくない。

モーリタニアウギア。





Saint Loius, Senegal

19332km



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