2018年12月31日

ユトレヒト

アムステルダムから40kmほどのユトレヒトに移動。

大都市じゃなくても和食屋はたくさんある。


スシも自転車でデリバリー。


ピザも自転車で。


€19のホステルに1泊。
必要な設備はそろっており、スタッフも親切で、迷惑な客もいなかった。
欠陥のない宿に泊まるならこれぐらい払わなければならないということか。



カプセルタイプのリカンベント?


空気抵抗が抑えられているので速そう、でも夏は暑そう。


せっかく晴れても、正午でも太陽の高さはこんなもん。




もちろん水上交通は発達しており、けっこうな大型船が運河を行き交う。







どこまで行っても決して途切れない自転車道。
車の存在を忘れられるので、本当にストレスフリー。
でも相変わらず10分に1回ぐらいは立ち止まってマップチェック。





少しでも晴れてくれれば、写真撮るのも楽しい。
そしてめずらしく無風。















WARMSHOWERSで民泊。
食べ盛りの4人の息子たちと夕食をともにしたが、一番ガッツイてたのはやはり僕だった。

キンデルダイク。


最も多くの風車が見られる世界遺産。
でも、天気悪。



この手の風車で回転しているのを見るのは初めて。


でも実用しているわけではなく、観光客に見せるためのミュージアムだった。
現在の風力発電の風車はコンピューターで制御されているが、これは完全手動。
背後にぶら下がっているロープを引っ張ることで動かしたり止めたりできる。
羽は地面スレスレの高さまで来る。



こんな形状のゴミ箱(?)、オランダ以外では見たことない。




魚を捕る仕掛けに似てる。





Rotterdam, Netherlands

13027km



2018年12月27日

アムステルダム 2







人間の数より自転車の数の方が多い国。















多種多様な自転車があるが、これがオランダ的なひとつの典型。


オランダ人の平均身長は、男性184cm、女性171cmで世界一の巨人国。
ホイールは27~29インチが多く、ハンドルもサドルもかなり高め。
前傾ではなく直立で走行しているので、走行中もだいぶ見下ろされてる感がある。

ハブダイナモで自動点灯。




オランダメーカーが多い中、台湾のGIANTもよく見る。
















水没の脅威から国を守るため、国土を自らつくり上げてきたオランダ人。
かれらにとっては、環境は自力でつくりだすのが当たり前なのかもしれない。



オランダの自転車道は、スクーターも走る。
スクーターもノーヘル。





もっと自転車がガンガン行き交う様子を見てみたかったのだが、あいにくのクリスマス。
23日までは雨、やっと晴れた24~26日はクリスマス休日。
地元民は外出もせず、閑散としている。
もちろん自転車屋も休み。
自転車大国を見学するには最悪のタイミングで来てしまった。

そういえば、セルビアのテーマソング、「誰かがオレの自転車を持っていちまった~」という歌い出しのあの曲のタイトルは「Amsterdam」だった。



Utrecht, Netherlands

12911km



2018年12月26日

アムステルダム 1

首都アムステルダム。




晴れた!
オランダに入国して初めて見る青空。





市街中心地は外国人旅行者でにぎわっている。
多人種だが、アジア人は中国人が多く、日本人らしき人はほとんど見なかった。







オープンマインドなオランダでは、大麻も売春も合法。
なんでもOKというわけではない。
全面禁止しても完全に追放するのは無理だから、一部を許可して国の管理下でコントロールし、より危険で深刻な問題へ発展させないようにするという発想。

コーヒーショップという店でマリファナを吸えるらしい。
土産物屋では、観光客向けにマリファナ風味の菓子やケーキやアイスなどが売られている。











閉鎖的であるがゆえにユニークになる国もあれば、オープンであるがゆえにユニークになる国もある。
オランダは間違いなく後者だ。







運河が街中を巡る。



「アムステル川のダム」というのが街の名の由来。
「ダム」という言葉もオランダ語。

窓清掃、大変そう。


よく見ると、窓はまったく清掃していない様子。
これもビジネスチャンスでは?





Sleep Innに4泊。
ドミトリー1泊€11。
ただし日によって料金の変動が激しく、1泊€30にまで跳ね上がることもある。

過去最大の30人部屋。
決して部屋が広いわけではなく、限界まで押し込められている感じ。

ここんとこ粗悪な宿が続いていたので慎重になってしまうが、吉と出るか凶と出るかは実際に泊まってみないことにはわからない。

実際に泊まってみると、ドイツほどではないが、まあ良い宿ではない。
客層は旅行者なのか労働者なのか、素性も国籍もよくわからないが、いずれにしてもろくでもなさそうなのばかりだ。
スタッフの対応も良くない。
客もスタッフも含めて、ここには生粋のオランダ人はおそらく一人もいない。

こういうハズレ宿で日本人に会ったことはない。
皆どこに泊まってるんだろうな。

コンセントは、各ベッドにある。
Wi-Fiは後進国レベルだが、まあ良しとしよう。
最後にキッチンを見てみると、

・・・コンロがない!

クソッ!

電子レンジ、トースター、ケトルはあるが、調理はできない。
物価が安くて食文化が豊かな国ならキッチンなんていらないが、物価が高くて食文化の乏しいこんなところで調理ができないなんて。
米を炊いて、心ゆくまでたらふく食べてエネルギー補給するのが、都市部の宿での最大の楽しみだったのに。

これだったら、もう少し高くてもコンロがある宿に泊まった方が、安く済ますことができた。
まったく、スタッフの対応が悪くても客のマナーが悪くても、必要なものが一通りそろっている安宿って、西ヨーロッパにはないのかね。

ところが夕食時、キッチンからいい匂いが漂ってきたので様子を見に行ったら、スタッフが自前の電気コンロをつないで調理していた。
ズルイ。
ヒドイ。

この宿が1泊€30の日もあるというのは受け入れがたい詐欺だ。
€30の価値があると期待してここに来た客の失望っぷりは、可哀想すぎて想像もしたくない。
他にも気に入らないことがいくつかあったが、文句ばかりになってしまうのでこの辺でやめておく。

ヨーロッパで外食といったら、ケバブ一択。
オランダのケバブは€6~8ぐらいするが、うまいこと€4.50の店を見つけて、3日間その店に通った。
ケバブ好きの僕でも、さすがにもう飽きた。
それにボリュームはあるとはいっても、僕の腹がこんなもので満たされるはずもない。
街の中心には、和洋中はもちろん様々な国の料理店があるが、あまりのバカ高さにとても手が出ない。

そして、クリスマス。
皆さんもご存知と思うが、キリスト教徒にとってクリスマスは宗教行事。
仕事は一切せず家族と一緒にすごす日なので、ほとんどの店は閉まり、街は静まり返ってゴーストタウンのようになる。
調べてみたらスーパーは24~25日も営業していると書かれていたので油断してしまったが、実際にはほぼ閉まっていた。
奇跡的に営業しているスーパーを発見し、25日はケバブ屋ではなく、スーパーで買ったものを宿で食べた。

アップルパイ、€5.50が35%割引で€3.57!


最近本当に深刻なスイーツ不足だったから、これはテンション上がった。

チキン450g、€4.57。


たいして腹膨れんかった。
ひもじい。


Amsterdam, Netherlands



2018年12月23日

アフシュライトダイク

オランダ入国。


オランダでの国名はネーデルラント。
英語ではNetherlandsと呼ぶのが一般的だが、Hollandでも通じる。
「オランダ人、オランダ語、オランダの」と言う場合はDutch。

ネーデルラントは「低い土地」という意味。
九州よりやや大きな国土で、その4分の1が海抜0m以下であり、常に水没の脅威にさらされてきた。
13世紀から干拓が行われ、堤防を築き、風車によって排水し、国土を拡大して作り上げてきた。
しかし干拓はさらなる地面の低下を招き、今もなお低下し続けている。

大航海時代、スペインやポルトガルに遅れをとって17~18世紀に海外進出し、植民支配と香辛料交易でやがて先発国を凌駕するようになった。
主な植民地はインドネシア、スリランカ(セイロン)、台湾、南アフリカ、ブラジルなど。

この時代にオランダはオーストラリア大陸、タスマニア、ニュージーランドを発見した。
タスマニアは発見者のタスマンにちなんで命名され、ニュージーランドも同じくタスマンに発見されたがオランダのゼーラント州にちなんで命名された。
アメリカのニューヨークも、イギリスが進出してくるまではオランダ領でニューアムステルダムと呼ばれていた。

日本では、江戸時代の鎖国下で唯一オランダとは交易を保ち、杉田玄白の「蘭学事始」や「解体新書」などによってオランダの学問がもたらされた。
「おてんば」、「ポン酢」、「八重洲」、「ヨードチンキ」、「ランドセル」、「リュックサック」といった言葉はオランダ語が由来となっている。

フローニンゲンという街で、またWARMSHOWERSで民泊。
街の中心地で若い男性一人暮らしの部屋。


ヨーロッパでは国境を越えても劇的な変化を感じることはないが、オランダに入国してその自転車大国っぷりに驚かされた。
もちろん話には聞いていたが、実際に目の当たりにすると、ものすごい自転車の数。
オランダでは、一人当たりの自転車保有率が1.1台で世界一、つまり人間より自転車の方が多い。
特にここフローニンゲンは大学生の街で、自転車レーンには自転車に乗った若者が絶え間なく流れ続ける。
スクーター大国ベトナムに匹敵するほど、見ていて面白い。

そして興味深いことに、誰もヘルメットをかぶっていない。
法律で定められておらず、必要だとも思われていないようだ。

多くの自転車はオランダ国産で、形状もユニーク。
ステムが長いのでハンドルが高く、前傾姿勢ではなく直立姿勢で走行している。

写真は撮っていない。
街に到着するのは日没後、翌朝出発するのは日の出前なので、暗くてうまく撮れない。

今までと同様、幹線道路は高速化されており、自転車道を模索しながらの走行。
自転車道の整備率はきわめて高く、縁石や段差で衝撃を食らうことも少ない。
しかし、道は複雑でまっすぐ続くことがなく、平均して10分ごとぐらいに立ち止まってマップチェックしなければならない。
GPSがある時代で良かったとは思うが、これではバッテリーがみるみる減っていく。





運河、用水路、池、堀が張りめぐらされており、どこもかしこも水。



こういう風車は現在は稼働していない。


美しい田園風景。
でもとにかく天気が悪いのであまり写真を撮る気になれない。

右から歩道、自転車道、路駐、車道。


物価はドイツより高い。
デンマークよりは安いが、スーパーでの買い物は慎重になる。
マックのビッグマックセットは€8.50。

面積も人口も、だいたい九州と同じぐらいのイメージ。
こう見えて人口密度は高い。

キャンプは難しい。
森が一気に減少し、ほとんどが農場。
森はあったとしても柵があったり堀で囲まれていたりして、簡単に侵入できないようになっていることが多い。

なので連日、WARMSHOWERSで民泊。
どの国よりもサイクリングに理解の深いオランダには無数のホストがいるが、それでも承諾率より拒否率の方が高いので(でも無視率は低い)、やはり多めにリクエストメッセージを送る。

ホストのお宅は、とんでもない田舎、田園地帯にポツンとある一軒家だったりもする。
住所をGoogle Mapsに入力してもヒットしない場合はたどり着くのに苦労する。
日没後、暗闇の雨の中を走り続け、本当に見つけ出せるのかと不安になるが、タダで泊めてもらうのだからここは頑張らなければならない。

アフシュライトダイクという全長32kmにおよぶ世界最大の海上堤防がある。


北海の海水を堰き止め、この堤防より南側は淡水化されて湖となっている。
車道は高速だが自転車道もあり、海岸線を進むならこの上を通ればショートカットできる。

予報を見たのでわかっていたが、強い向かい風と雨。


条件が良ければ気持いいんだろうな。
変化のないフラットな直線で向かい風雨、というのはただの苦行。

右側が北海、左側がエイセル湖。


またまたWARMSHOWERSで民泊。
どこのお宅へ行っても、「この季節にゲストを迎えるのは初めてだ」、それから「短パンで寒くないのか」と必ず言われる。

一軒家でお世話になる時は、だいたい食事をつくってくれる。
今のところ、全家庭がベジタリアンで、肉料理がメインということはまずない。
野菜を煮たり炒めたりしたものと、スープなど。
もちろんありがたくいただくが、このメニューでどうしてあんな大柄な身体に育つのか、不思議。

ともあれ、本当に助けられている、ありがたい。





オランダも山のないフラットな国土だが、入国してからずっと向かい風で、ひたすら登り続けているような感じ。

無料のフェリーで川を渡り、首都アムステルダムへ。


オランダでは、田舎でも街中でも、よく話しかけられる。
気さくでオープンな国民性が伝わってくる。






Amsterdam, Netherlands



2018年12月22日

ブレーメン

雨が雪になることもあるが、走行状況は相変わらず。
アップダウンがないことが、短い日照時間でも1日100km走行を可能にしている(日没後の暗闇走行も当たり前になってしまったが)。

ブレーメンという都市で2泊。
またしてもハズレ宿を選んでしまった。
二度続くと、ドイツにはろくな宿がないという印象を持ってしまう。
僕はただゆっくりくつろぎたいだけなのに。

例によって、長電話する労働者。
人が寝ていようがかまわず大声で話したり、イヤホンせずに動画を見る労働者。
だいたいロシア人、それから黒人。

やはりコンセントの問題で部屋で充電できず。
Wi-Fiは部屋まで届くが不安定でよく途切れる。
ロッカーの鍵をもらったが、壊れているので使い物にならず。
貴重品は24時間肌身離さないが、カメラやラップトップなどはベッド下の奥の方に隠すしかなく、隙を狙って盗まれる可能性もある。

自転車はガレージに置かせてもらったが、出発する時はガレージの鍵を開けてもらわないと自転車を出せない。
朝何時に出発するかと聞かれたので8時と答えたら、「8時は早すぎる。出社は9時だよ。」と言われ、「わかったよ。じゃあ9時に頼むよ。」
出発の日の朝。
こういう時の嫌な予感ってたいてい当たるもので、9時になっても誰も来ない。
電話したら、「今向かってるところだ。数分で着くよ。」
結局、スタッフが到着したのは9時40分だった。
貴重な短い日照時間を、ただ待つだけでムダにされてしまった。
ドイツはもうダメかもしれん。

アジアショップでラーメン発見。


€5.50と高額だが、我慢できずに奮発。

ジャパニーズラーメンとジャーマンソーセージの融合。


キッチンにはどんぶりなんて物は存在しないので、鍋のまま食べた。
もちろん箸もないので、フォークで。

欧米では、麺をすすって音を立てて食べるのはマナー違反。
人前でスパゲティを食べる時はいつも苦労する。
日本人としては麺をすすらず無音で食べるのはほぼ不可能、でもできる限り静かに食べる。
この時はリビングに誰もいなかったので、思いっ切りすすって音を立てて食べてやった。





こんなところで日本。


ボンサイガーデンが流行ってるらしい。






小さな田舎街で、WARMSHOWERS。



Amsterdam, Netherlands

12854km



2018年12月16日

ハンブルク

デンマークに比べたら、ドイツの道路はまるで発展途上。
自転車道はすぐに消失したり、車道の右側に現れたり左側に現れたり、縁石だらけ段差だらけ。
こんなんだったらずっと車道を走っていた方がマシなのでは、と思うようになった。



風力発電量は、人口の多い中国がダントツで、アメリカがそれに次ぎ、ドイツは3位。
ドイツの人口はヨーロッパ1位(8200万人)、デンマーク(570万人)の14倍。
風車の数でいったらデンマークよりこっちの方が断然多く、農場地帯では視界にだいたい風車がある。







これはロープアクセスでは厳しいな。



ヨーロッパは自転車のヘルメット着用にはうるさいくせに、高所作業では誰もかぶってないな。









雨の降らない日はない。
気が滅入る。
こんなに雨天ばかりなのに、世界でトップクラスにサイクリングがさかんというのは不思議だ。

束の間の慰め。




以前は国境があったはずだが、そんな痕跡もなく、いつの間にか西ドイツに入った。

ドイツ第2の都市ハンブルク。
ここでは観光も街歩きも一切せず、事務作業、書類作成に専念。

The Hostelに滞在。
ドミトリー1泊€13。

ここは大ハズレ。
また東側特有の、労働者御用達の宿。
もう西側に入ったはずだが。
(Booking.comには「レジャー」か「ビジネス」かを選ぶ項目があるのだが、あれってちゃんと機能しているのだろうか。)

こいつらの何が嫌って、くせえんだよ。
洗濯しろ。
酒を飲むな。
ここは1夜につきベッドシーツ代€1の別料金をとるクソ宿。
バカバカしいので、僕は拒否して自前のシュラフシーツを使った。
でも他の客を見たら、誰一人としてシーツを使っておらず、じかに寝ている。

あと何が嫌って、大声で長電話するヤツが必ずいる。
長電話するヤツの声って、どうしてこんなにも不快なのだろう。

8人部屋なのに、コンセントが2つだけ。
旅人だろうが労働者だろうが誰もがスマホを持ってるだろうに、人数分のコンセントがない宿はクソ。
そして、部屋にWi-Fiが届かない。
今時どこの後進国行ったって、各部屋にWi-Fiは届いているというのに、先進国ドイツの大都市でこれはどういうことか。

スタッフも無能で気が利かない。
自転車は外に駐輪、敷地内だが誰でも入ってこれてしまう敷地内。
どうも、僕の知ってる優秀国家ドイツではない。

ドイツは全体的に宿代が高いので、街の中心地から離れたところを選んだのだが、読みを外したか。
宿を予約するというのは、こういうリスクがある。
3泊予約してすでに支払ってしまったからには、別の宿に移動するわけにはいかない。

それでも旅慣れしてる者なら、2日目には苦もなく平然とすごしている。
どんな宿でも適応して気を休めなければ、やっていけない。


Hamburg, Germany

12340km



2018年12月15日

ジョン・メイヤー来日決定

また逃してしまうのか。

ジョン・メイヤー、ワールドツアーで来日決定

誰よりもジョン・メイヤーを聴き込んでる僕だが、いまだ生で見たことがない。


Hamburg, Germany



2018年12月12日

ゲッサー

日の出は8:20。



デンマークの最高標高は170mほど。
「パンケーキのよう」と形容されるほど平坦な地形。
自転車目線だと微妙なアップダウンはあるものの、ほぼ全域フラットと言っていい。



13時で太陽はこの高さ。


今までの国と違って、デンマークでは自転車レーンが決して途切れない。
都市部から離れた田舎道でもなお。
この1mを確保してくれるだけで、れっきとした乗り物として認められ、安心して走行できる。



日没は15:40。

この日は14時にストップして、明るいうちに(といっても曇天だけど)テントを張った。
15時にもなるともう1日が終わりかける感じになるので、気持ちに余裕を持たせるため、たまにはこれぐらい早く切り上げてもいい。

ニューテントも初めて明るみに。


開封したその夜から雨に濡れた。
たとえ雨がやんでも、一度濡れたものはそうそう乾かない。
洗濯物を外に干す人はいない。
このテントは春が来るまで濡れっぱなしかもしれない。

メリットは、広い。
サイズが大きい割に2.0kgと軽量なのは、ポールが1本だからか。

1本ポールのテントは初めてだが、ペグを打って四方から引っ張ってあげないと自立できない。
フライシートも別にペグを打たなければ固定されない。
ヨーロッパではほぼ森キャンプとなるのでペグは打てるが、場合によってはコンクリートの上とか砂利の上ということもありうる、そうなるとペグが打てず自立できない。

そして、今まで使っていたワンタッチ式がいかに楽だったことか。
1本ポールでも、ワンタッチと比較したら設営時間の差は歴然。
雨天での設営は嫌なもの、ヨーロッパこそワンタッチにすべきだな。

雨の多い地方では、前室のあるタイプがよかった。
前室がないと、扉を開けるごとに雨が降り注いで中が濡れる。

カラーも、もっとダークにしてくれた方が闇に紛れていいのだが。

このテントは末永く使うものではないな。
ヨーロッパを終えたらまた買い換えるか。

ネットは良好。
都市から離れても、森のなかでも4Gが飛んでいて快適にネットできている。

デンマークは、風車の国。


土地がフラットな上に海に囲まれているので、風がよく抜ける。
1970年代から、化石燃料に依存しない自然エネルギーの開発事業を展開し、風力発電の先駆者となった。
現在は国内電力の42%を風力でまかなっており、この割合は世界一、しかもまだ伸び続けている。
デンマークは北海油田を有しているので産油国でもあるが、原油や天然ガスは主に輸出にまわしているそうだ。
さらに人材も優秀なのだから、豊かにならないわけがない。



Vestas。


ヴェスタス製の風車は世界60ヶ国に輸出され、世界でも日本でもシェア率1位。
僕も日本での仕事でヴェスタスに関わった。

風車のタワーは分割可能だが、ブレード(羽)はワンピースなので、このサイズのまま船でデンマークから運ばれてくる。



BONUSもデンマークの会社。


一つの島のように見えて実はいくつにも分割されており、また海に架けられた橋を渡る。


全長3km、強烈な横風を食らった。

またWARMSHOWERSのホストにお世話に。


広大な敷地に夫婦と2人の子。
夏は多くのサイクリストが訪れ、庭にテントを張るそうだが、この季節にゲストが来たことは一度もないそうで、僕は離れの小屋で泊まることになった。

主人のタゲは、なんとコペンハーゲン・フィルハーモニーのクラリネット奏者。
以下のフラッシュモブにもタゲは出演している。




僕はクラシックが好きなのでタゲがプロのオーケストラ奏者と知って驚いたし、タゲは僕が日本でヴェスタスに関わる仕事をしたことがあることに驚いていた。

たくさんのサイクリストたちが手記を残していったゲストブック。


もちろん僕も書かせてもらった。














ゲッサーという港街から、フェリーで再びドイツへ。
2時間に1本の運行、予約はしなかった。
乗り場には券売機と待合所があったが、無人。
誰もいなくてもわかるようになっていたが、もしわからないことがあっても、誰にも聞けない。
こういうところは、いかにも北欧っぽい。

チケットは、85クローネ(1461円)。
2時間の航海、これなら高いとは感じない。

シートがあり余るほどあって安心、というかこれがふつう。




シャワーこそなかったが、コンセントはあったので充電できた。
やっぱりあのポーランド~スウェーデンのフェリーはおかしかった。

しかしこのフェリー、チケットチェックされなかった。

デンマーククローネ。




穴あきコインは日本の専売特許ではない。


たしかノルウェーも穴あきコインがあったな。


Rostock, Germany

12151km