2019年4月12日

サハラ縦断 4

午前中の恐ろしい横風を乗り切り、午後の追い風に救われ、無事150km走行。

大きめの街が現れた。
しかしこれでは街の中に入れない。


幹線道路は舗装されているが、他はすべて砂。

道路際のレストランに行くのにも、道路から店までの砂で往生する。
店のおばさんは、突然現れた言葉の通じない外国人にもやさしくしてくれた。
メニューはよくわからないので、とりあえずまたチキン。
僕が冷たい炭酸を4本頼んで一気に飲み干すのを見て驚き、冷たい水750mlをおまけでくれた。

街にホテルらしきものはあったがどうせ高いだろうから、人気のないところまで進んでキャンプ。
道路から200mほどにある木を目指し、そのまま砂漠には入れないので、荷物を外して2回に分けて運んだ。





風は夕方には穏やかになった。
何もかも砂まみれ、きれい好きな僕は身体と電子機器を濡れティッシュで、バッグ等を濡れタオルで拭き上げた。
でもたとえ弱風でも砂の粒子は常に舞っているので、テントの窓を開けておくと中は砂っぽくなり、堆積していく。



朝。

脚ながーい。




骨折してる?


それとも、砂地仕様に進化した!?
いや、この形状にメリットがあるようには見えない。
何だろな。

哀愁。




モロッコ・西サハラのラクダより気持ち小柄でやせ細っているように見える。


時折現れる村の売店には冷たい炭酸があり、後先考えずに金を注ぎ込んでしまう。


当たり前すぎて言うまでもないことだけど、こういう状況に追い込まれると改めて痛感。
何よりも最優先すべきは水分、宿泊その他は二の次でいい。



毎日3~4回は検問がある。
モロッコ・西サハラと違ってモーリタニアの警官は英語は話せず若干高圧的なので、こちらもイライラを出してしまう。





ウシもこの過酷な環境で生きていけるのか。


ラクダでさえ木陰で涼んでる。




申し分のない砂漠感。
美しい。



また現れた村で、子供たちがからんできた。
何かくれ的なジェスチャーもされたが、何を求めて僕にからんできたのか、かれら自身もよくわかっていないようだ。
めずらしいものが現れたので反射的に興奮してしまっただけだろうか。

写真を撮ろうとすると、やはり嫌がる。
おそらく外国人やカメラというものを見るのもほとんど初めてだろうし、写真を撮られることは悪いことだ教育されているわけでもないだろう。
国によっては大はしゃぎする子供も多いのに、この違いは何だろう?

お母さんらしき人が出てきて、ようやく撮らせてもらった。


笑ってくれないなー。


そんな悲しそうな表情しなくても・・・

モロッコや西サハラのアラブ人とは明らかに違う、ネグロイドの特徴が強い。


この辺りから道は海沿いに戻った。
しかし、涼しくない。
寒流もここまで南下すると暖まってしまうのだろうか。

広域温度分布を見ると、モロッコと西サハラの沿岸が例外的に涼しいのがわかる。


意外にアルジェリア北部も涼しいようだ。

アフリカ全域で見ると、やはりサハラ内陸が最強に暑いんだな。


この日も150km走行。
地図にはGSのみが書かれている村に到着。
売店あり、レストランはなさそう。

ひとりの青年が話しかけてきた。
たどたどしい英語で、「レストラン、ナイ、デモ、アナタニ、ディナーツクル。」みたいなことを言われた。

よく見るとGSの隣に宿があり、青年はここで働いているようだ。


しっかりした石作りだが、どことなくモンゴルのゲルやキルギスのユルトを思い出させる。


250ウギア(762円)。
最初は300と言われたが、「お金ないんだよね」と言ったら「じゃあ200でいいよ」と。
後でボスと連絡をとったら、結局250ということになった。

たどたどしくても、せっかく英語を話せる人に出会ったので、水はどうやって手に入れるのか聞いたら、GSに配給が来て、タダで汲めるらしい。
その配給もどこから来るのか、この国に十分な水源があるのだろうか。
万が一村の貯水タンクが底を尽きたり配給が遅れたりしたら、と考えると恐ろしい。

彼は僕のために水をたっぷり汲んできてくれた。
この日もキャンプするつもりだったが、彼のおかげで水浴びして砂を洗い流して、洗濯もできて、本当にスッキリ。

何だか誠実な青年。
他のモーリタニア人と雰囲気が違うなと思ったら、彼はマリ人。


モーリタニアに出稼ぎに来るって、マリはどんだけ困窮しているのだ?
彼は「モーリタニアは良くない国だ」と言った。
うん、まあそう言うだろうな。



「ディナー、デキタ」
もう~死ぬほど空腹、早く早く!

そして出されたのが、、、


えぇ・・・

売店で買ったスパゲティをワンパック全部茹でたらしい。
ソース、味付けはなし。
素のままのスパゲティ。
魚は、この日海に行ったら誰かがくれたらしい。
魚も茹でただけで、味付けなし。

彼は売店で買ったスパゲティ代25ウギア(75円)だけを僕に請求した。
うん、根はすごくいいヤツなんだ。



ヌアクショットまで95km。
この日は文句ない追い風。
真後ろから押してくれる。
しかもアップダウンなしのオールフラット。
たまにはこれぐらい楽チンな日があってもいいでしょう。

追い風にもデメリットはある。
まず、ハエが風に乗って追いついてくる。
常時顔や腕にたかり続ける。
これはオーストラリア走行でも同様だった。
それから、風の涼しさを感じることができないので、暑い。







昔はここも海だったようだ。



Nouakchot, Mauritania




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