2020年1月30日

メキシコシティ 2

メキシコシティの中心、ソカロ。


「CDMX」はメキシコシティの正式名称「Ciudad de México」の略。

ここは、15~16世紀に繁栄したアステカ帝国の都であった。
アステカの太陽と戦争の神「メシトリの大地」を意味する「メシコ」から、その中心的部族が「メシカ」と自称するようになり、後にこの地が「メキシコ」と呼ばれるようになった。
公用語はナワトル語で、現在もメキシコ先住民の言語として広く話されている。
メキシコ原産である「アボカド」もナワトル語から由来している。



16世紀に到来したスペインによってアステカは滅びた。
スペイン人は、ここソカロにあったアステカの中央神殿を破壊し、その上に新たな都市を築いた。
1970年代に電気工事中に偶然、地下にその神殿が発見されて発掘が始まった。
現在は世界遺産となっており、見学できる。


今もなお、この巨大なカテドラルがカトリックの重厚な威圧感を放っている。
地下に埋もれたアステカ神殿の上にずっしりと。

世界を旅してるとずっと感じる、「支配者vs被支配者」。
中南米では混血が進んでぼかされたものの、ここではまさに支配者が被支配者の上に物理的にマウントをとっている姿が残っている。






















国立人類学博物館。

自転車置場あってよかった。
入場料80ペソ(465円)。

メキシコに勃興した文明、オルメカ、マヤ、テオティワカン、トルテカ、アステカを主とする発掘物が豊富に展示されている巨大博物館。



膨大な数の展示物の中でも主役は、アステカカレンダー。

元々ソカロに置かれていたアステカの暦で、直径3.75m、重さ24tの一枚岩。
18ヶ月365日で1年となっており、これを元に農業をおこなっていたという。
アステカは先のマヤ文明を継承しており、高度な天文学、数学を用いていた。



アステカといえば、凄惨な生贄の儀式で知られている。
アステカカレンダーによると、2012年に太陽が消滅して世界が滅ぶという終末思想があり、人間の新鮮な心臓を神に捧げることで世界の終焉を先延ばしにできると信じられていた。
生贄を生きたまま黒曜石のナイフで胸部を切り開き、手づかみで心臓を摘出して神に捧げるという人身御供が日常的におこなわれていた。
雨乞いや豊穣祈願でも生贄を捧げることがあり、生贄を確保するために戦争をすることもあったという。



「ジョジョの奇妙な冒険」の世界観。









トウモロコシは古からの主食。

トウモロコシを持った石像。





ペンションアミーゴでのその後。
例のルームメイトは自ら部屋を出て、別の空室へと移動した。
仕事をしている人にとっても、生活スタイルや意識レベルがまったく違う旅行者と同室なのは嫌だろう。
最初から旅行者同士でくっつけるとか、閑散期だったらそういう調整もできるだろうから、配慮してほしかった。

最後の4泊目に旅行者が2人やってきて、ようやく日本語で会話らしい会話ができた。
最初の3日間は、これじゃ日本人宿に来たメリットがあんまないな、と落胆していたのだが、まあ結果オーライということで。


それにしても、しばらく日本語を話さないと滑舌が悪くなり、ちょっとしゃべっただけで声が枯れる。


Teotihuacan, Mexico

37104km



2 件のコメント:

  1. 球技大会で勝った方が生贄にされてたと聞きました。

    孤島で話し相手も読み物もない生活を送る人は人寂しさよりまず活字に飢えると話されてました。
    ひとり外つ国を旅する御身としてその気持ちと通じるものはありますか?
    僕はひとりで旅に出ますが現地では仲間が欲しいツンデレです。

    ラウンド1と経路が再び交差しましたね。

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    1. 以前は宿で日本語の本を見つけたり、テレビで日本の映画やアニメが放送されていたりしたら、吸い付くように見ていましたが、スマホやラップトップを携帯するようになってからは日常的に見ているので不自由してません。
      日本にはない異質なものを求めて旅に出るのに、旅を続けると自分と同質のものを求めてしまう、という自己矛盾はたしかにあります。
      単なる日本語のやりとりだけでなく、日本的な気遣いだとか話題だとか笑いどころだとか、を自分と共有できる人と出会えると安心する、というのはふつうの感覚としてあると思います。

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