2019年5月23日

シエラレオネ 1

シエラレオネ入国。


初訪問だけど、この既視感はいったい?



15世紀にポルトガルが到来し、奴隷や象牙の貿易をおこなった。
18世紀に奴隷解放の声が高まり、イギリスが沿岸部にフリータウンを建設して解放奴隷の移住地とし、後に領域を拡大してイギリス植民地となった。
1961年独立、その後クーデターと内戦が繰り返された。
豊富な鉱物資源を有し、特にダイヤモンド生産量は世界10位。
このダイヤモンドをめぐって内戦が引き起こされたこともあった。



面積は北海道より一周り小さい。


国境から10kmほどの街カンビア、Hotel Africanaで1泊。


15万レオン(1915円)。
電気が使えるのは19~7時。
Wi-Fiなし。
朝食付き。
コンセントはイギリス式。
白人客が数人いた。

カンビア。


公用語は英語。
シエラレオネ人の英語はかなりクセがあって時々わけがわからないが、それでも宿泊や買い物のやり取りが英語でできるということがなんと楽なことか。





食は今までと変わりない感じ。


1万レオン(127円)。
ひとつの煮込み料理に肉と魚が同居しているのが特徴的。
味は、辛い。
一目見ておかわりするつもりだったが、食べてみてこの辛さで一気に食欲消失。
このボリュームでももう十分。

ギニアは350mlの炭酸ばかりだったが、シエラレオネは500mlの炭酸がメインで、相場は5000レオン(63円)。
これならいくら買っても損だとは思わない。

激しい雷雨。


ついに来たか。
でもこれが気温をぐっと下げてくれる。

道はきれいに舗装されている、路肩も!


交通量は少なく、アップダウンも緩く、とても走りやすい。
しかし、たまにすれ違う車やバイクはもれなくきっちりクラクションを鳴らしてくる。
いつまでも成長しない白痴どもめ。

この先は最短最速で終わらせることにしたので、首都フリータウンはスキップする。



どこへ行っても大注目され監視され続ける外国人。
休憩する時は誰もいないところを選びたいのだが、やっぱり子供たちが嗅ぎつけてくる。


大人たちも寄ってくる。


また言葉が変わった。
ここでは「アバト」と呼ばれる。
意味は言うまでもなく「白」。



「アバトー! ギミーマニー!」
「アバトー! ギミーチョコ!」

戦前か!?
いや今までも似たようなことを言われていたのかもしれないが、公用語が英語だから子供たちの言葉がわかってしまうだけか。



2014~15年、シエラレオネを中心としてギニアからリベリアにかけてエボラ出血熱が大流行し、総死者は1万人を超えた。



発端は、ギニアで子供がコウモリと接触したことだった。





「アバトー! アバトー!」
こればっかり、1日何百回言われるだろう?





ギニアに続いてシエラレオネも検問が多い。
警官も軍人も歓迎してくれて、握手して声援を送ってくれる。



ルンサーという街で1泊。
10万レオン(1274円)。

村ではアバトコールばかりだが、街では中国人呼ばわりされることも多い。

「チャイナ!」
「チャイニーズ!」
「チンチョーン!」
「チョンチーン!」
「チンチャンチョーン!」
「チョンチンチャーン!」
「チンチャンチョンチンチョンチンチャーン!」

なんてレベルの低い・・・

このチンチョンコールは子供のみならず大人からも言われる。
農村の田舎もんは黒白の二色しか識別できないが自分たちはチャイナという新色も知ってるんだぜすごいだろ、と得意気だ。

今や絶大な経済力で世界を牛耳りつつある中国。
そうとも知らず、アジア人を見るやチンチョンチンチョンとおどけることしかできないアフリカ人。
なんと哀れ。

外国の援助で多少近代化したかもしれないが、素のままのかれらはいまだ先史時代を生きている。
もちろん外部の介入はかれらが望んだことではないのかもしれない、大国の思惑で勝手に近代化が推進されただけで、ほっとけばかれらは先史時代のまま平穏に暮らしていただろう。
しかし食うか食われるかの熾烈な生存競争の世界で、無防備のままおとなしくしてたら食いつぶされるということも摂理だ。

自然と共存する原初のままの農村を尊く思う自分もいれば、いつまでも未発達で不便な生活に甘んじていることを愚かだと思う自分もいる。
僕は僕で、アフリカに対して矛盾した心情を抱いている。

しかし世界でもこの大陸だけ時の流れが異質なのはなぜだろう。



たまには大人の写真も撮りたいのだが、カメラを構えるとどうしても子供が前面に出てきて、結局子供の写真になる。


やや大きな街マケニにて。


料理名はよく聞き取れなかったが、なんとかリーフと言っていたので、何かの葉っぱのペースト、中にはチキンが一切れ入っている。
味は、カレー味の海苔の佃煮みたい。
1万レオン(127円)。



走行中、スコールにつかまってしまった。
日中はとにかく暑いので、ずぶ濡れになるのも悪くない。
スコールが降り出すと、子供たちは全裸になって路上に出てきて、天然のシャワーを浴びる。
そこで僕を目撃すると、走って追いかけてくる。
土砂降りの雨の中、後ろを振り返ると全裸の子供たちが「アバトー! アバトー!」と言いながら追いかけてくる。
もう、頭おかしくなりそうだわ。


Monrovia, Liberia



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