2019年5月3日

カシューナッツ街道

ギニアビサウ入国。


世界に4つある「ギニア」が付く国名のひとつ。
・ギニアビサウ
・ギニア
・赤道ギニア
・パプアニューギニア

「黒い肌の人」という意味のベルベル語が語源、と言われている。
パプアニューギニアは、現地人がギニア人に似ているからということでスペインの探検家によって名付けられた。

アフリカには、同様に「黒」を意味する国名が他にもある。
・ナイジェリア
・ニジェール
・スーダン
・ソマリア
・モーリタニア

ナイジェリア(Nigeria)とニジェール(Niger)は「ニグロ」(negro)の語形変化と考えると連想できる。

面積は九州ほど。


15世紀にポルトガルが上陸して植民支配し、奴隷貿易の拠点とした。
公用語はポルトガル語。
1974年独立。
独立後もクーデターや内戦が幾度も繰り返された。



南下するほど緑豊かになり、直射日光から逃れられる。


街はなくても農村が続く。
売店もレストランもないので、補給は井戸水のみ。


ジェスチャーで「水もらっていいですか?」と尋ねると、意外に英語で答えてくれたりする。
たくましいお姉さんたち、突然現れたよそ者にも快く水を汲んでくれた。

やっぱり子供たちが群がってくる。



ここでは僕は「ブランコ」と呼ばれる。
ポルトガル語で「白」を意味する。
言葉は変われどアフリカでは農村全域で白、白、白と呼ばれ続ける。







この1日で300回ぐらいブランコと言われた。
走行していると子供たちがワーワー湧いてきて、どいつもこいつも「ブランコ! ブランコ!」。
大声援を受けてスターのようにもてはやされるが、その言葉の意味が「白」っていうのがね・・・

逆に、アフリカ以外で黒人を指さして「ニグロ!」なんて言ったりしたら大変なことになるぞ、なんてことはかれらは知るよしもないのか。
でも元々はただ単純に色を表す言葉である「ニグロ」や「ブラック」が黒人蔑視の差別用語として言葉狩りされる、そんな世界の方が不健全だ。
もちろん僕はここでブランコと呼ばれることが差別的だなんてこれっぽちも感じない。



街が現れた。


活気はあるが、店頭に見えるのは衣類や雑貨ばかり。
僕が求めているのは、冷えたドリンクとメシ。
ギニアビサウ人は外食しないのだろうか。
結局何も買わずにスルー。

道中、どこまでも続くカシューナッツ畑。


カシューナッツはギニアビサウの主産業。


ナッツは果実の先端からニョキッと生える、ユニークな形状。


赤い果実も食べる。
甘酸っぱくておいしい。

今は収穫期なのか、実がバシバシ落ちてくる。



この暑さで店がないのなら、井戸で飲水をつなぐしかない。


どこへ行っても、水を汲むのは女性の仕事。
家畜を導くのは男性の仕事。
世界の共通項。



大河が流れ、水には恵まれている。


世界最貧国のひとつとも言われ、政情も安定しないギニアビサウ。
でも農村では自然と共存し、井戸水を飲み、笑顔が絶えない。
情報だけ調べてみると不幸な国のようだが、いざ人々の生活をのぞいてみると、平穏そのものだ。



このサイズ、オーストラリアの蟻塚にも匹敵するのでは?




Bissau, Guinea-Bissau



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