2018年10月8日

エンドレスアップダウン





頻繁にイヌに追われるようになった。
ウクライナからその傾向があったが、ウクライナでは首輪で繋がれていたり敷地から出られないようになっていたことが多かったのでまだ大丈夫だった。
モルドバに入ってからは、飼い犬なのか野犬なのかの判別もつけがたいイヌが襲ってくる。
ふつう、野犬はこちらに興味を持たないものだが、この辺の野犬は飼い犬だった頃の習性が残っているのだろうか。





悪路、アップダウン、向かい風。











坂を登りきると次の登りが見えてくる、黄金のパターン。



この辺はウクライナとの国境が近い。
ウクライナに再入国したい誘惑に駆られた。
物価安いし、SIMはまだ使えるはずだし、チョコチップクッキー売ってるし。
でもいろいろめんどいこともあるので、このままモルドバ走行を続けることにした。

えんえん農地が続くと、寝場所探しが難しい。
ようやく人気のない湖が現れて滑り込んでみたら、釣り人たちがいる。



テントを張っているところを何人かの釣り人に見られてしまったが、もうここで寝るしかない。
ヨーロッパ人がよそ者に無関心であることに賭ける。
うん、本当は良くない、人に見られちゃいけない。
どんなにキャンプに慣れても、やはり危険と隣り合わせだ。



夜。
こぼれる天の川を横切る流れ星。

朝。














コムラト。


水が汲めるってありがたい。


このルックスはもはやモスク?


イヌの襲撃が激化してきた。
7~8匹に囲まれたり、いつ噛まれてもおかしくないぐらい接近してくる。
そろそろ棒っ切れでも用意するか。

一応幹線道路なのに、長い未舗装。


旧市街でもないのに、石畳。


モルドバ最後の夜。
田舎街にホテルが現れた。
規模はそこそこ大きいが、ソビエト風の古びた建物。
これだけボロければ安いだろうと料金を聞いてみたら、なんと600レイ(4042円)、却下。
これから野宿か、と考えていたら、レセプションのおばちゃんが追いかけてきて、「ツインルームで200レイ(1341円)でいいよ。ただし後から単身の客が来たら一緒にさせてもらう。」という条件。
ホステルでもないふつうのホテルで相部屋か、まあそれでもいいか。

部屋はいたってショボい。
きれいにはされているが、元がボロいので何かと不便不具合が多い。
シャワーの排水は当たり前のように流れず、あっという間に洪水になる。
そして、Wi-Fiなし。
今のご時世にヨーロッパの街のホテルでWi-Fiなしとは。

これは、どんなに背伸びしたって1000円以上とってはいけないホテルだ。
やはりモルドバの物価はおかしい。
EU主要国だって、田舎街だったら4000円(€30)も出せば立派な部屋に泊まれるはずだ。

結局、後から客は来ず、200レイでプライベートを確保できた。

逆説的だが、物価が高くなると出費を抑えられる。
今まで緩んでいた気が引き締まって、モルドバではトータルでたいしてお金を使わずにすんだ。



ルーマニアとの国境近くのGSで休憩してたら、めずらしく英語で話しかけられた。
日本人だと答えたら、空手のポーズをとって「オス!」と言われた。
そしてコーヒーと菓子をごちそうしてくれた。



ここんとこ日々いろいろ状況が悪化していたので、少々腐れていた。
最後にこんな優しくしてもらって、一気にモルドバいいところだな、と思うことにした。



モルドバレイ。





Bucharest, Romania

8972km



2 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。
    不謹慎ですが犬にも地域性があって面白いですね。
    タイの犬は遠吠えばかりで襲っては来ませんでした。
    連中痩せてましたがそちらのは体躯が良さそうな。
    それが自信に繋がってるのでしょうか。

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    1. 今思い出せる記憶では、アジアでイヌが追いかけてくる国はタイとモンゴルだけかもしれません。
      イヌの国民性に詳しくなってもしょうがないですが、サイクリストが一番身をもってそれを感じていると思います。
      体躯が良くて獰猛なのは農場でヒツジを追っているイヌ、これは恐怖です。
      野犬は本当にガリガリでみすぼらしく、野犬のくせに体躯が良いのは元々飼い犬だったのが野生化したのかもしれません。

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