2019年12月10日

ティフアナ

メキシコ入国。
世界が変わる、いい緊張感。

国境の街ティフアナ。

アメリカにはたくさんのヒスパニックがいるが、メキシコではアメリカ人はほとんど見ない。
ここにいるのはほぼメキシコ人、言葉はスペイン語。
あちこちで屋台からタコスの香りが漂う。


13年前にメキシコ入りした時は度肝を抜かれた。
経済水準、人口密度、街並み、交通マナー、民族、言葉、食、すべてが一変した。
人間がつくったラインひとつ越えただけで、まるで映画のセットに入り込んでしまったかのような異世界。
こんな劇的な国境越えは後にも先にも他になかった。



今回は、何か違う。

・・・クラクションが鳴らない!!!
静かだ!!!
僕が道路を横断しようとすると、車が止まってくれる!!!
譲り合ってる!!!
アフリカと同じく中南米も完全車優先社会で、自転車歩行者は車から逃げまわらなければ本当に轢き殺される、だったはずなのだが。
これは一体、どうしたことか。

メインストリートには、コンビニがたくさん。
セブンイレブンもある。
キオスコはどこへ消えてしまったのか。
ちょっとした買い物はキオスコと決まっていた、商品を手にとって選ぶことができず、欲しい物を店の人に口頭で伝えなければならない、スペイン語がしゃべれない者には無理ゲーのキオスコ、どこにもない。
中南米全域でコンビニなんてあるわけない、だったはずなのだが。

バ、バリアフリー!!!


絶対、こんなの絶対なかったよ。

僕の知ってるメキシコの歩道は、これぐらい高低差をつけてあらゆる車輪の進入を阻んでいたはずだが。


進化してる。
アメリカに近いこの街だけなのか、メキシコ全体が変化しているのか、まだわからない。
でも可能性を感じる。

長期にわたる世界旅行を一度だけやり遂げて、それで終わらせてしまう旅人は多い。
でも10年とかある程度時間を置いて、もう一度同じ土地を訪れてみるのもいい。
旅をする人は、旅をしない人に比べて外国に対する固定観念を持たない柔軟な思考が身に付くと思うが、しかし自分が一度見たもの経験したことこそが現実だとして固めてしまうかもしれない。
世界は変わり続けている。
この国はこうだった、という記憶をいつまでも固持してると、旅の経験は本当にただの過去となっていくだろう。

ティフアナの中心地から、プラヤと呼ばれる海岸へ向かう。
そこにWARMSHOWERS宅がある。

国境の壁に沿って海へ。



メキシコ側はギリギリまで住宅がひしめいているが、アメリカ側は自然保護地区になっているのか、誰もいない。

ホスト宅に到着する頃、雨が降り出した。
メキシコといえば乾ききったイメージだが、この日から3日間雨となった。


やや高齢の男性とイヌがここで暮らしている。
ホストは英語を話せる。



翌日から、なんと2日間にわたって断水。
メキシコも発展したもんだと感心した矢先、断水とは思わぬ不意打ち。
ここ最近まあまあ雨は降っているし、アメリカでは断水なんてなかったけど。
3日間水が出て2日間断水、というパターンだそうだ。
中南米では一時的な停電断水はめずらしくないが、丸2日断水とは、メキシコ大丈夫か?
家にはすでに大量の水がバケツやペットボトルに備えられており、その水でやりくりする。

雨を口実にゆっくり体を休める。
滞在許可日数も余裕があるし、季節の問題もないので、メキシコは時間を気にせずのんびりしてもいい。

ようやく晴れて、一日散歩。







オクソと読むのかな、コンビニはこの一強。


セブンイレブンもある。


24時間営業って本当かな。



なんと和食屋もたくさんある。














壁の西端。

向こうにサンディエゴの街が見える。 


全長3145kmにおよぶ国境がここで尽きる。

















いろいろな立場、議論、思いをここで感じた。
壁っていうのは、ナイーブな人間の感情を刺激する。
人間は皆同じとも言えるし、皆違うとも言える。
その境界がこの壁によってギリギリのバランスで持ちこたえられているように思えた。



久々のタコス。

1個24ペソ(135円)。
やはり物価上がってる。

緑色のペーストはアボカド。

エビタコス。

1個40ペソ(226円)。
たけえ。

これは新しい、チョコケーキの上にプリン。

28.90ペソ(163円)。

オクソでSIM購入。

アメリカで買ったSIMはローミングでメキシコでも使えるが、あと数日で有効期限切れになるので、もう新たに買ってしまった。
telcel社を所有しているのは、かのカルロス・スリム。
カルロス・スリムは、2010~13年にビル・ゲイツを抜いて長者番付世界1位だったメキシコの通信王。

SIM代とアクティベート代で計199ペソ(1125円)。
すぐに使えるが、この時点でデータは200MBしかないので、オンラインでチャージ。
30日3.5GBで200ペソ(1130円)。
アメリカのバカげた料金に比べたら安いが、世界標準でいったらこれも相当高いぞ。

ちなみにコンビニのおばちゃんは「SIM」と言っても通じなかった。
ここでは「アミーゴチップ」と言うらしい。
なんか笑える。


Tijuana, Mexico



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