2019年7月10日

アラスカハイウェイ 2

カナダ最初の街ビーバークリークのキャンプ場で1泊、C$15(1244円)。
キャンプ代がぐっと下がったのでホッとする。

しかしスーパーはなく、売店の食料の割高感はアラスカと大差ない。
商品に値段が書かれておらず、レシートももらえなかったので、個々の商品がいくらしたのかわからないが、ちょっとした食料の購入でも本当に愕然とするほど、あっという間にお金が減っていく。

トークを離れてから、電波をまったく受信しなくなった。
AT&TのSIMはアメリカ国内だけでなくカナダとメキシコでも使えると聞いていたのだが、電波そのものがないので何もできない。

キャンプ場のWi-Fiは、テントサイト利用者には使わせないという。
ケチだなー。
目の前にビジターセンターがあり、そこでフリーWi-Fiを使えるが、恐ろしくスロー。
ここではブログ更新は断念。



カナダ。
日本の26倍、世界第2位の広大な国土。
人口は3700万人、人口密度は日本の約100分の1で世界第8位の希薄さ。
開発されているのは国土の3分の1以下で、人口の80%が南部のアメリカ国境から200km圏内に居住している。
中部から北部にかけてはタイガ(針葉樹林帯)、ツンドラ(永久凍土)が広がる。
湖の個数は300万以上で世界第1位。
アメリカと接する五大湖は総面積がイギリスとほぼ同じ、スペリオル湖単独でも淡水湖の面積としては世界第1位。
資源にも恵まれており、原油埋蔵量は世界第3位、鉱物資源の豊富さも世界有数。
少ない人口ながらも、GDPは世界第10位。

16世紀にフランスが入植し、東部にケベックを設立。
17世紀からイギリスが進出し、18世紀に英vs仏で北米における植民戦争が起こり、結果大部分がイギリス領となった。
19世紀にアメリカで南北戦争が勃発すると、アメリカに併合されることを懸念したイギリスの植民地が連邦を結成し、カナダとなった。
1931年独立。

公用語は英語とフランス語。
フランス語を主要言語としているのはケベック州のみ。

10の州と3つの準州から構成される。
ここユーコン準州は、日本の1.3倍の面積がありながら人口たった4万人。
人口が1000人以上の街は3つしかない。



アラスカハイウェイはいつもどこかしら工事している。
自転車での通行が許可されない箇所もあり、トラックに乗せられる。


13年前も状況は同じで、工事区間でこんな風にトラックに乗せられた記憶がある。
でも当時はもっと長い距離の未舗装区間があった(ハイウェイのくせに)。
面積に対して人口が少なすぎるから維持するのは大変だろうが、改善されているようだ。



グリズリーらしき親子を見た。
あまりに遠すぎたので確証はないが、色はあの薄茶色だった。



野宿は、やはり虫との戦い、いつまでも強い日差し、そしてクマの恐怖。




北米の西側は全般的に山岳地帯。
太平洋から来る湿った空気が山にぶつかって雲を形成するため、今後も曇天雨天になりがちと思われる。



山岳地帯でも、この辺は限りなくフラットで、しかも追い風、快調。



デストラクションベイという街(?)のキャンプ場で泊まるつもりだったが、最近グリズリーが出たそうで、閉鎖中。
モーテルもあるが、最安の部屋でC$110(9124円)。

さらに26km進んだところのキャンプ場で1泊、C$25(2073円)。


依然として電波はない。
もしかして、端末がカナダの電波に対応していない?

キャンプ場のWi-Fiはページを開くので精一杯で、アップロードやダウンロードは無理。
ここでもブログ更新は断念。
人口希薄地帯とはいえ、カナダのネット環境がここまで遅れているとは。



アラスカでもカナダでも、気さくに話しかけてくれる人が多い。
RVで旅する夫婦が路上で何度も僕を見かけたそうで、菓子を差し入れてくれた。


クマ対策のため、このキャンプ場にはゴミ箱がなく、ゴミは持ち帰ることになっている。
GSやレストランやモーテルも一緒に営業しているならまだしも、キャンプ場一本で商売している人にとっては、クマの出現は死活問題。



クルエーン湖。


夕方。


朝。








路上で僕と鉢合わせして一瞬フリーズするヤギ親子。


逃げろー。


逃げろー。


あっという間に急な岩壁を難なく登っていく。


勝ち誇る。




この辺りは、ハエやアブがすごい。
登り坂でスピードが落ちると、追い風に乗ったハエやアブがつきまとってうっとうしい。
ちょっとオーストラリアを彷彿させる。
下り坂で一気に突き放し、登り坂でまたつきまとわれる。



ヘインズジャンクション。


カナダもアメリカもアングロ・サクソンによってつくられた国だが、プロテスタントが多数派のアメリカに対して、カナダはカトリックが多数派。


アラスカのWARMSHOWERSでお世話になった教会の人たち、進化論を全否定していたあの保守的な人たちは典型的なWASP(White Anglo-Saxon Protestant)だろうか。
もちろんカナダにもプロテスタントは少なからずいるが、頑なな聖書至上主義はアメリカほど感じられない気がする。

ホステルの敷地内でテント泊、C$15(1244円)。


オーナーは気さくで親切、話しやすい人。
裏庭のスペースにテントを張ったが、壁も柵も何もないので誰でも勝手に侵入できてしまう。
建物のドアも常時開いており、夜中でも自由に出入りできる。



アラスカからカナダにかけてのこの治安の良さは世界でも有数だと思う。
もちろん都市部はまた別だと思うが。



テント泊者でも、ホステルの設備は自由に利用できる。



すばらしい。


これは連泊するしかない。

Wi-Fiも良好、ようやくまともにネットできる。

フルキッチンの宿は久しぶり。


フリーコーヒーもあり、調味料もそろっていてテンション上がる。
思う存分メシをつくりたいところだが、売店に毛が生えた程度の小さな店しかなく、食料を買い込むと金がすっ飛んでいく。

物価の高い白人文化圏で腹を膨らますのに食パンは欠かせないが、これがC$4.95(410円)もする。


たまには牛乳も飲みたいが、1LでC$3.45(286円)、ちょっと手が出ない。
炭酸は2LでC$4.25(352円)、これは高くてもガマンできないので買ってしまう。

こんな粗食でも、一食でいくらかかってるか、計算するのも怖い。


食材さえ安く入手できれば、1週間ぐらいここでのんびりすごしたかった。

ここからホワイトホースまで2日間、このホステルで出会ったオーストラリア人サイクリストのジェフと一緒に行くことになった。
陽気でおしゃべりでマイペースな57歳のおじさん。

ヘインズジャンクションから80kmほど進み、レストランの敷地でテントを張らせてもらった。
その後4人のサイクリストが来て、やはりここにテント泊していった。
サイクリスト多いな。



野生馬。








通りすがりのドライバーが止まってドリンクを差し入れてくれた。



Whitehorse, Yukon, Canada

24297km



2 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。
    雄大な風景を眺めながらの走行は毎日心洗われるでしょう。
    蚊、ハエと物価高に苛まれることなければ精神、金銭的衛生上もっと良いのでしょうが。
    ヤブ蚊は汚い水辺、雨水溜まりに卵を生むと思うのですが見た感じ清流ばかりでそんなところに産卵するのかと思います。
    今回はじめてのサイクリスト仲間との走行だったのでは?

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    1. 蚊やその他の虫たちの生態は謎が多いです。
      数の多さに対して獲物が少なすぎる。
      毛に覆われていないヒトは最も手軽な獲物なんでしょうけど、ふだんは何を食べて(飲んで)いるのか。
      ペアランは3回目ぐらいだと思います、いずれも短期間ですが。

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