2020年2月21日

パレンケ

サンクリストバルの先は下り。
しかし道は単純ではない。
険しいアップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を下げていく。
下りも傾斜がきついので、ブレーキをかけっぱなしで手が疲れる。

さらに無数のバンプが次々に現れ、せっかくの下りのスピードをいちいち殺さなければならない。


これも今に始まったことではないが、アフリカや中南米など貧しい国ほどドライバーが粗暴になるので、街や村の前後にはバンプが設置されていることが多い。
メキシコのドライバーはだいぶお行儀良くなったから、もうこんなもの壊してしまっていいんじゃないかとも思っていた。
車もいちいちブレーキをかけるので、バンプ周辺で無意味に渋滞が発生することもある。

しかしアメリカから遠ざかるほど、特にベラクルス以降ドライブマナー悪化、車優先(自分優先)的になり、クラクションを鳴らすクズも増加してきた。
まだかれらにはバンプは必要なのかもしれない。
国としては、いつまでもこんなものを残しているのは恥ずべきことだ。

にしても、この山間部の先住民エリアは数が多すぎる。
こんなに執拗につくらなくてもいいし、つくるにしてももっと角度をなだらかにしてもいい。

何にしても、自転車にとってはとばっちり、いい迷惑だ。
ブレーキも摩耗するし、パーツや荷物も衝撃でダメージを食らう。



この日は100kmかけて標高2100mから900mまで下ったが、けっこうハードだった。
下った気があまりしない。

翌日。
標高900mからほぼ0mまで下る日なのだが、朝からいきなり長く険しい登り。

朝出発した街がはるか眼下に。

素直に下らせてくれ。

そして相変わらずバンプの嵐。

そして、再び猛暑。


イヌも多すぎる。
ちゃんと管理しとけや。


メキシコにこんなきれいな川があるとは。


「グリンゴ!」

この山間部で何度か聞こえてきた。
発展を遂げているメキシコで「グリンゴ」なんてもはや死語になっているだろうと思っていたのだが、奥地ではまだ生きているようだ。

「Gringo」は「よそ者」という意味で、元々はスペイン人のギリシャ人に対する呼称だったが、中南米ではアメリカ人に対する蔑称となった。
蔑称といっても、僕を「グリンゴ」と呼ぶのは幼い子供だけで、意味も知らずただ反射的に呼んでいるだけのように見える。



いったん標高0m近くまで下った後、最後に標高400mの峠をかまされた。
舗装道路でこんなにも楽に下らせてくれない下りはなかなかない。


120km進んで、なんとかパレンケの街に到着。
標高80m。
とてつもなく暑い。
汗が吹き出る。

Casa Janaab Palenqueに2泊。
ドミトリー1泊193.5ペソ(1147円)。

円安になっちゃいましたね。
嫌んなっちゃいますね。

欧米チックなホステル。
設備はまあちゃんとしており、きれいな宿だ。

客は白人ばかり。
見たところ、非白人客は僕だけ。
なんでパレンケにこんなに人が集まるのかわからないが、混雑している。
僕よりはるかに強そうなガタイのいい白人女性たちが、半裸同然で闊歩している。

部屋は狭くて窮屈。
2日とも満室、予約してなかったら泊まれなかったかもしれない。
白人旅行者はマナー悪くないし、エアコンもあるので助かるが。
でも最近は個室に慣れてしまったせいか、どうもこの浮かれた空気になじめない。

パレンケの街から遺跡まで8km。

自然保護区域入場料37ペソ(219円)。
遺跡入場料80ペソ(474円)。


パレンケは、7世紀に隆盛したマヤの古代都市遺跡。

エジプトのピラミッドからは王の墓は発見されていないが、このピラミッドからは王の遺体が装飾品とともに発見されている。



遺跡内は思ってたほど混雑してないが、また白人女性が半裸同然の格好で男に写真を撮らせている。



天体観測所。

イグアナ発見。




けっこう近づけた。









遺跡よりイグアナと戯れた時間の方が長くなってしまった。





Chable, Mexico

38620km



2 件のコメント:

  1. やっつけ感のあるバンプなので近隣住民が勝手にこしらえたんでしょうか。
    今更ながら思うのですがどこに行っても結構起伏がありますね。
    西アフリカサハラ紀行はそれ程でもなかったような。
    最近あまり食レポがありませんね、先住民料理は食されてないのですか?

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    1. バンプはここだけでなく全国的にありますが、出来は悪く崩壊しかけているところも多いです。
      住民が勝手につくってる可能性も否めませんね。

      中米の山道は標高はそこまで高くないですが、勾配のきつさに加えて厳しい暑さで、何気にタフですよ。

      外食はたまーにしかしない事情は今までの投稿にも書いてきました。
      それに僕の自炊力も日々上がり、安く美味しく腹を膨らませるなら断然自炊です。
      台湾のような美食天国なら話は別ですが、メキシコではこれ以上何もなさそうです。

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