2019年11月23日

セコイア国立公園



セコイア国立公園は南北にのびているが東西を突っ切る道路がなく(ハイカー専用トレイルならあるらしい)、基本的に西側からのアクセスとなる。
僕は東のデスバレーからやってきて、そのままセコイアに行けたらもっと早かったのだが、道路がないので南側から西側へグルっとまわりこんで来た。


アクセスがこんなに不便なのは、セコイアの東側には4000m級の高峰が連なっているからだ。
(アラスカを除く)アメリカ本土最高峰ホイットニー山(4418m)もこの山脈に位置している。



アメリカ最低地点と最高地点がこんなすぐ隣り合わせというのも面白い。
不毛な死の谷から一気に巨木の森へ駆け上がる、プレートテクトニクスが生み出した稀有なダイナミズム。


目的地は「シャーマン将軍の木」。
山道をひたすら登り続ける。
初日は雨予報だったこともあり、少しだけ進むことにした。

午後から雨。
久々の雨、しかもけっこうしっかり降る。

最初に現れたキャンプ場は、なんとフル。
ローシーズンで混んでるようには見えないのだが、全サイト予約済と書かれていた。
次に現れたキャンプ場は、閉鎖中。
もういい、ここに泊まる。
水道も止まっていてトイレも施錠されていたが、近くに川が流れていたので不便はなかった。
幸い、レンジャーが巡回に来た様子もなかった。

いつも夜は、ライトをつけているか、あるいはパソコンを見ている。
明かりに引き寄せられて、虫たちがテントに集まってくる。

これ何? 

翌朝。



デカイ。
そういえば、アメリカ本土でクマを見るのは初めて。
カナダで見たブラックベアよりデカイ気がする。
冬眠に備えているせいだろうか。



ちょっと進んだら、路上に子グマが。

セコイアはクマたくさんいるんだな。




長く険しい登り。
フラットも下りも一切なし、とにかく登り続ける。



地図を見ただけでも嫌になるエグさ。

ちょくちょく車が止まって声をかけてくれる。



 昨日の雨、山の上の方では雪だったようだ。



いよいよジャイアントフォレストへ。






標高2000m。


ミュージアムで休憩。
めざすシャーマン将軍の木は、世界最大の生物。
高さと面積においては他に譲っているが、体積と重量においてはこれが最大。
自由の女神より高く、スペースシャトルより重い。


高さは83.8m。
20階建てのビルに相当し、桜田門の警視庁が同じぐらいの高さ。
重さは1385トン。
プリウス1000台分に相当する。
クジラもゾウもこれに比べたら小さなものだ。

ちなみに世界一高い木は、同じくカリフォルニア州のレッドウッド国立公園にあり、115m。



また冬が来たみたい。
最近1年のサイクルが早いな。




埋めたら育つ?





ジャイアントセコイア。
巨木の世界。
物語っぽい。







到着。


シャーマン将軍の木。


予期していたが、写真に収まりきらない。

地球上で最大の生命体。
樹齢は推定2200年。
人類は自然を破壊し続けてきたが、一方で到底人智の及ばぬこの不変っぷり、不動っぷり。
触って感じてみたかったな。


すでに雪はやんでいるが、巨木の葉に乗った雪がいつまでも降り続ける。



有名な場所だが、人はちらほらといる程度で、騒がしい団体客はいなかった。


来た道を引き返した。
ブレーキを握りっぱなしで手が疲れる。
下りも楽ではない。


Tulare, California, USA

33425km



6 件のコメント:

  1. 凄いです。標高の高いところに、この様なうな巨木林があるとは知りませんでした。世界は、凄い。ありがとう。

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    1. 世界一高い木があるレッドウッド国立公園も険しい山中にあるようですし、屋久杉なんかもやや標高が高いところにあるようです。
      樹齢の長い巨木が育つ限られた条件があるのでしょう。

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  2. これだけ高く巨大に育つには大きな自然の猛威にさらされなかった幸運さもあるのでしょうか?
    落雷にも遭ってないのですね。
    そのサイズの松ぼっくりが落ちてくることを思うと少し怖いです。
    雪山がなければ台湾でみた風景を思い出します。

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    1. 2000年以上自然災害にあっていないとは考えにくいです。
      山火事なんかはむしろ木を大きくするのに必要だとも聞きます。
      一番の弊害は人間による伐採で、国立公園に指定される以前は切られまくってたらしいです。

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  3. 実物見たら圧倒されそうだ。
    自然の力に人間は勝てないな…

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    1. スケールでかすぎて写真に収まりきらないし、見上げてもてっぺんが見えない。
      ここはほんと来といてよかったと思える場所だ。

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