2019年9月21日

シアトル 2

いいベッドで大の字になって死んだように眠り、朝遅く起きて、ダラダラとネットをやって、ああずっとここにいたい。
というわけにもいかず、午後お出かけ。

リフォームして新しく見える家だが、築120年らしい。


ダウンタウンを一望できるケリーパークもお宅からすぐ近く。


良く晴れてくれたが、雲がなければ高層ビル群の右側にレーニア山(4392m)が見える。




坂を下りればシアトルセンター。








ポップカルチャーミュージアム。


職業病はまだ抜けていない。
こういう建物を見ると、無意識にロープアクセスをイメージしてしまう。





ジミヘン、カート・コバーン、プリンスなどの展示がある。

ジミヘンブース。


1969年ウッドストックで使用された1968年ストラトキャスター。


50年前にこのネックをあのジミヘンが握っていたのかと想像すると、鼻血出そうだ。
アンプやエフェクターも展示してほしかったな。
事前の下調べとは違い、ジミヘンブースは期待してたより充実していなかった。





クラプトンが使用していた1956年ストラトキャスター「ブラウニー」。


ギターで遊べるブース。


下手に弾いても上手く聞こえる、すごく弾きやすいセッティングになってた。

エアギター。


「お手を触れないでください」

グッズショップ。




外出は手短かにすませて、家に戻ってまたくつろいだ。

ディナーは上の階で夫婦がつくってくれた。
食後、談話していて、「最後にスシを食べたのはいつだ?」と聞かれ、「旅の途中では食べてないから、1年半以上前かな」と答えたら、「本当か!? よし、今からスシレストランに行くぞ」と連れて行かれた。

徒歩数分でレストラン街。
アジアンレストランも数多くある。
13年前に旅した時より、北米は確実にグルメの多様化が進んでいる。
今は小さな田舎街でもスシレストランがあるし、そこら中で「TERIYAKI」という看板を見るし、話をしても皆日本の食文化のことをよく知ってくれている。



つくっているのは中国人だろうか。
こっちのスシはアメリカナイズドされたものばかりだと思っていたが、思いのほかちゃんとしていてビックリ。



うまい!
想像以上で驚いた。
日本にいる時でも回転寿司ぐらいしか食べない僕には上等すぎるぐらいだ。
チャーハンもいい!
あと、久しぶりに本物のコカコーラを飲んだら、これまたウマイ!



僕が食べているのを見て夫婦も喜んでくれた。
「持ち帰りできるから無理して今食べなくてもいいんだぞ」と言われたが、食べきれないなんてことはない。

いや~、満足。
ごちそうさまでした!

でもよくよく思い出してみたら、今回の旅で何度かスシは食べてたな。


Seattle, Washington, USA



2019年9月20日

シアトル 1

シアトル。


「スィアトゥル」と発音しても通じない。
アメリカ英語はtを強く発音しないので、「スィアロー」みたいな発音になる。
でも語頭のtはちゃんと発音するので、たとえば「TOYOTA」は「トヨラ」と発音される。

シアトルに来たのは、この人に会うため。


神。



1942年、ジミ・ヘンドリックスはここシアトルで生まれた。
1970年、27歳で死去。

シアトル中心から25kmほど南東のレントンという地区の墓地に、彼の墓がある。


ひときわ目立つ墓石。


この日は9月18日。
没後49年の命日。
もちろん偶然じゃない。
この日に合わせてこいできたよ。















キスマークまみれ。


「Voodoo Child」の歌詞。






両親もここに眠っているのか。


父の再婚相手、つまり義母はアヤコ・ヘンドリックス、日本人だった。
ジミヘン来日公演の計画もあったようだが、実現することはなかった。
しかしお父さん、2002年まで生きてたのか。

僕が生まれる前の人。
高校生の時、彼は突如として僕の心を鷲掴みにし、以来ずっと僕の中にいるギターヒーロー。



次々と人がここを訪れる。
アメリカ人とフランス人ヒッチハイカーと話をして、仲良くなった。
ここへ来る途中も、「どこへ向かってるんだい?」と聞いてきた人がいて、「ジミヘンの墓」と答えたらうれしそうに喜んでくれた。

WARMSHOWERS宅はシアトル中心近くなので、25km引き返す。





またとんでもない坂の上にあるようだ。

なんとか日没前に到着。
この時夫婦は不在で、あらかじめメールで入室の仕方を教わっていた。
中へ入ると、まるで豪華ホテルかマンションのよう。


後ほど夫婦が帰ってきたが、かれらは上の階で暮らしており、この階はAirbnb用の客室だという。
どうりで生活感がないわけだ。
Airbnbは有料だが、WARMSHOWERSゲストには無料で泊めている。
なんとありがたいこと。

冷蔵庫、電子レンジ、トースター、ガスコンロ完備。


コーヒーメーカーも。


バスルームにはランドリーあり。


ベッドルーム。


Wi-Fiもあり、速い。

これすべて、プライベート空間として自由に使っていいという。
住みたくなってきた。


Seattle, Washington, USA



エバレット

アメリカ入国。


大都市バンクーバーとは対象的に、アメリカ側は過疎ってる。
ナイアガラの時もそうだった。

州でいうと、ここはワシントン州。
でも首都のワシントンDCはここにはない、はるか彼方の東海岸にある。

また距離がマイルになり、計算がめんどい。
マップのルート検索もマイルで表示される。

アメリカの道路事情は良くない。
路肩未舗装。
自転車レーンはあったりなかったり。

同じアメリカでも、アラスカとは道路も店もいろいろ違う。
カナダの街並みとも違う。
この辺は中途半端な田舎街で、キャンプ場も見かけない。

南下するとともに人口が増えて都会化してきた。
ベリンハムという大きな街に着いた。

またATTでSIM購入。
アラスカで買ったSIMは1ヶ月の有効で、とっくに期限が切れていた。
アメリカ、カナダ、メキシコの3ヶ国で使えるとのことだったが、カナダは電波がないので使い物にならなかった。
1ヶ月ごとにチャージしていけば同じSIMで継続できるが、携帯が使えないカナダでチャージしても金のムダ、アメリカ再入国で新たに買う。
再びどこでもネット接続できるようになり、無敵感復活。

この日はアルマジット宅を発ったのが遅かったこと、そして国境越えで時間がかかったことで、日が暮れてしまい、また夜間走行してしまった。

WARMSHOWERS。
天候不安定な上にキャンプ場も少ないところでは本当に助かる、WARMSHOWERS様様。

オーシャンビューの丘の上に住む夫婦宅。
到着が夜だったので、残念ながら景色はよく見えなかったが。
ガレージには、自転車屋か、ってぐらいたくさんの自転車があった。

ディナーは巨大サーモン。


アメリカ人といったらハイテンションで豪快なキャラのイメージがあると思うが、この夫婦はいたって物静かで穏やか、まだカナダ人との違いは感じない。



植物に囲まれた家。
庭で育てているリンゴをいただいた。



雨天続きだったが、ようやく晴れた。









アメリカも、目的地までスムーズに行けるルートは高速になっている。
一般道との見分けは比較的明確なので、高速に迷いこむことはないと思う。
ただ、アラスカ~カナダのシンプルな一本道とは違い、この辺の都市圏では頻繁に立ち止まってマップチェックする。

車道を走っていたら、何度かクラクションを鳴らされた。
アメリカって歩道を走らなきゃいけないんだっけ!?
だとしたら止まって言葉で注意してくれればいいのに、人間なのだから。
クラクションだけ鳴らして去っていくドライバーはケダモノ以下の害虫、死んでくれ。



エバレットという街で、またWARMSHOWERS。
ここのところ、調子良くホストを見つけることができている。







ビュッフェスタイル。


右端の黒いのは、海苔。


だんだんアメリカンな人柄を感じるようになってきた。



奥さんは、ほっとくと永遠にしゃべり続けるタイプの人。
そして無限に僕に食べ物を与えようとする人。
世界共通の、世話好きおばちゃん。

てっきり僕の満腹中枢はぶっ壊れてしまったものと思っていたが、何度もおかわりして、ヘビーなデザートもいただいて、忘れかけていた満腹感がやってきた。



アメリカとカナダの違いとは何か?
ベースとなる文化は、同じアングロサクソン。
ひとつ考えられるのは、労働力の調達の仕方が違った。
アメリカは奴隷を使ってきたので、黒人の割合が高い。
近年は中米からのヒスパニック系移民の増加が著しく、将来的に支配層アングロサクソンの人口を超えるだろうとの予測もある。
異民族との共存、人種差別という問題と対峙して歴史を歩んできたのがアメリカだ。
ただ、黒人もヒスパニックも南部に多く分布しており、この辺はまだ白人が圧倒的。
言葉の言い回しやアクセントもカナダ人とは微妙に違うらしいが、僕にはその違いは識別できない。

そういえば、最近英会話の調子がいい。
イギリスにいた時は本場のイギリス英語が全然聴き取れなくて自信喪失したが、アメリカ英語の方が自分に合っているのだろうか。
出会う人たちが僕に対して手加減してくれているというのも大きいが、しばらく英語圏で生活しているとやはり耳が慣れてくるし、しゃべりも自然に言葉が出てくる。
この感覚も帰国したらまた忘れるんだろうな。

僕の寝場所は別の建物で、ふだん使われていないミーティングルーム。


どうして一般家庭にミーティングルームがあるんですかね。

トイレ・シャワー、キッチンもある。


完全プライベート。



翌日は雨のため連泊。
こんなに居心地のいいところで、雨を口実に連泊、ひそかにほくそ笑む。



床屋に行った。


時々自分で切っていて、不ぞろいでバサバサだった。
カットのみで$20。
たけえ。
アラスカの床屋も$20だった、こっちは少し安くなるはずと期待していたのだが。


Seattle, Washington, USA

28997km