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2018年10月8日

モルドバ(ジュルジュレシュティ) → ルーマニア(ガラツ) 国境越え

ウクライナ → モルドバの時と違って、ここは車での越境がメイン、歩行者は見かけない。

モルドバ側
パスポートコントロールで出国スタンプをもらうだけ。
質疑も荷物チェックもなし。

数百mの緩衝地帯を越えて、ルーマニア側へ。
写真撮るの忘れてしまったが、ドナウ川が国境となっている。
ドナウ川は全長2850kmでヨーロッパ最長(ロシアをヨーロッパとみなさなければ)。
6年前にドイツやオーストリアでドナウ川沿いの自転車道を走りセルビアでも見た。
ルーマニア東部で黒海に注ぐ。

ルーマニア側
数台の車が並んでいて、車の中をチェックされているようだった。
僕はどこへ行くべきかわかりにくかったので、その辺の係員に聞いた。
係員は英語が話せて、職務質問というよりは興味本位で僕にいろいろ質問してきて、冗談も言い合って、雑談になった。
荷物チェックは口頭で質問されただけ。
「武器は持ってるか? ドラッグは持ってるか?」
仮に持ってたとしても「持ってない」って答えるよ。
係員はフルーツを食べながら僕のパスポートにスタンプをした。
「おまえも食べるか? 持ってけよ。」
なんだかモルドバ人とはだいぶ気質が違うな、本当に同民族?

90日以内の滞在であればビザ不要。



係員からもらったプルーン。


モルドバ側には国境近くに数軒の店、GSあり。
GSにはATMあり、Wi-Fiあり。

ルーマニア側には何もなし。
約15km先にあるガラツという街まで行かなければならない。

ガラツの街には両替所がたくさんあるが、余ったモルドバレイを両替してくれる店はない。
ドル、ユーロ、ルーブル、スイスフランなどは扱っていて、隣国の同民族の通貨は扱わないなんて、不憫だな。

Orange storeでSIM購入。
1ヶ月有効で56GB、28レウ(784円)。
56GBと聞いて「えっ!?」と聞き返してしまった。
そんな使い切れるわけないよ。

SIMを買って、いつでもどこでもネットができるという無敵感。
モルドバでは買わなかったが、やはり不便だった。
一度この便利さを味わってしまうと、後戻りできなくなるな。

ここルーマニアから、EU圏に突入。
しかし、街並みは相変わらず共産チック。




まだまだ「鉄のカーテン」の内側。
ソ連圏は実に広大だ。

ブライラという街で、ドナウ川。


EU圏に入ったからか、CarrefourとかLIDLとか、ヨーロッパ定番のスーパーが現れるようになった。
チョコチップクッキーも売ってる!
まったく、こいつは麻薬だぜ、切らすと禁断症状が出やがる。



ルーマニアの面積は本州と同じぐらい、人口は1900万人。
中部から北西部にかけては山脈もあるが、この辺の南部は平原。
アップダウンはなくなったが、都市を結ぶハイウェイで交通量が多いのに、道幅が狭い。
強めの横風で、トラックとすれ違うとさらに突風が吹き、ハンドルがブレる。



イヌは相変わらず。
すべてのイヌが攻撃してくるわけではないが、ちょっと増やしすぎなんじゃないのってぐらい、あちこちイヌだらけだ。
路上には、轢死体も数多く放置されている。
どんな事情があるのか知らないが、野生動物じゃないんだから、人間の管理に問題があるはずだ。



メインロードをはずれて、しばらくセカンドロードを進む。




また未舗装になるかもとちょっと不安だったが、ちゃんと舗装されているし、圧倒的に交通量が少ない。
静かで気が休まる。









首都ブカレストまで、再びメインロード。


路肩未舗装なので車道を走る。
しかも車道の端だけ路面が滑らかじゃない。
すごい交通量、この狭い道幅で車はすごいスピードで僕のすぐそばをかすめて行く。
気が休まらない、緊張しっぱなし。


Bucharest, Romania



エンドレスアップダウン





頻繁にイヌに追われるようになった。
ウクライナからその傾向があったが、ウクライナでは首輪で繋がれていたり敷地から出られないようになっていたことが多かったのでまだ大丈夫だった。
モルドバに入ってからは、飼い犬なのか野犬なのかの判別もつけがたいイヌが襲ってくる。
ふつう、野犬はこちらに興味を持たないものだが、この辺の野犬は飼い犬だった頃の習性が残っているのだろうか。





悪路、アップダウン、向かい風。











坂を登りきると次の登りが見えてくる、黄金のパターン。



この辺はウクライナとの国境が近い。
ウクライナに再入国したい誘惑に駆られた。
物価安いし、SIMはまだ使えるはずだし、チョコチップクッキー売ってるし。
でもいろいろめんどいこともあるので、このままモルドバ走行を続けることにした。

えんえん農地が続くと、寝場所探しが難しい。
ようやく人気のない湖が現れて滑り込んでみたら、釣り人たちがいる。



テントを張っているところを何人かの釣り人に見られてしまったが、もうここで寝るしかない。
ヨーロッパ人がよそ者に無関心であることに賭ける。
うん、本当は良くない、人に見られちゃいけない。
どんなにキャンプに慣れても、やはり危険と隣り合わせだ。



夜。
こぼれる天の川を横切る流れ星。

朝。














コムラト。


水が汲めるってありがたい。


このルックスはもはやモスク?


イヌの襲撃が激化してきた。
7~8匹に囲まれたり、いつ噛まれてもおかしくないぐらい接近してくる。
そろそろ棒っ切れでも用意するか。

一応幹線道路なのに、長い未舗装。


旧市街でもないのに、石畳。


モルドバ最後の夜。
田舎街にホテルが現れた。
規模はそこそこ大きいが、ソビエト風の古びた建物。
これだけボロければ安いだろうと料金を聞いてみたら、なんと600レイ(4042円)、却下。
これから野宿か、と考えていたら、レセプションのおばちゃんが追いかけてきて、「ツインルームで200レイ(1341円)でいいよ。ただし後から単身の客が来たら一緒にさせてもらう。」という条件。
ホステルでもないふつうのホテルで相部屋か、まあそれでもいいか。

部屋はいたってショボい。
きれいにはされているが、元がボロいので何かと不便不具合が多い。
シャワーの排水は当たり前のように流れず、あっという間に洪水になる。
そして、Wi-Fiなし。
今のご時世にヨーロッパの街のホテルでWi-Fiなしとは。

これは、どんなに背伸びしたって1000円以上とってはいけないホテルだ。
やはりモルドバの物価はおかしい。
EU主要国だって、田舎街だったら4000円(€30)も出せば立派な部屋に泊まれるはずだ。

結局、後から客は来ず、200レイでプライベートを確保できた。

逆説的だが、物価が高くなると出費を抑えられる。
今まで緩んでいた気が引き締まって、モルドバではトータルでたいしてお金を使わずにすんだ。



ルーマニアとの国境近くのGSで休憩してたら、めずらしく英語で話しかけられた。
日本人だと答えたら、空手のポーズをとって「オス!」と言われた。
そしてコーヒーと菓子をごちそうしてくれた。



ここんとこ日々いろいろ状況が悪化していたので、少々腐れていた。
最後にこんな優しくしてもらって、一気にモルドバいいところだな、と思うことにした。



モルドバレイ。





Bucharest, Romania

8972km



2018年10月6日

沿ドニエストル

ウクライナとの国境をなすドニエストル川の東側にある未承認国家、沿ドニエストル共和国へ。
国際的にはモルドバ領とされているがモルドバ政府の支配が及んでおらず、独立国家として機能している。

「沿ドニエストル」の画像検索結果

入国
キシナウの中心地から南東へ約60kmの国境。

まずモルドバ側の検問があるが、チェックを受けるのは沿ドニエストル側から来た者のみで、沿ドニエストルへ向かう者はスルー。
モルドバにとってはこの先も自国領なので、パスポートチェックも出国スタンプもなし。

すぐ先に沿ドニエストルのイミグレーションがある。
モルドバ人またはドニエストル人は車から降りもせずにIDカードを見せるだけで通れるようだが、第三国者はパスポートコントロールへ。
「Ryo Asaji?」
「Yes.」
「Today come back?」
「Yes.」
係員とのやりとりは以上。

パスポートにスタンプはされず、個人情報と出国日時がプリントされた紙をもらう。
滞在は最大45日。
宿泊施設に予約した日数を入国時に申し出る。
以前は原則として日帰りで、宿泊するなら役所で届け出る必要があったらしいが、現在はイミグレーションで申し出て、出国期限をプリントしてもらうだけでいい。

https://tiraspol-hostel.com/about/getting-in-out/

イミレーションの建物から出ると、また適当な荷物チェックをされて、入国完了。







またキリル文字。



住民構成は、モルドバ人3割、ウクライナ人3割、ロシア人3割。
モルドバではソ連末期にキリル文字からラテン文字に変更したが、ここでは依然としてルーマニア語もキリル文字を使用している。



ドニエストル川の東側と書いたが、このベンデルという街だけは西側も沿ドニエストル領となっている。

ドニエストル川を越えて東側へ。


首都ティラスポリ。


18世紀にロシア帝国が西の国境を防衛する目的でロシア人やウクライナ人をドニエストル川の東側に移住させたため、モルドバの他の地域に比べてここはロシア人の割合が大きい。
ソ連末期にモルドバが独立の動きを見せ、同族であるルーマニアとの連携を強めたことに対してドニエストル川東側のロシア人が反発し、1990年に沿ドニエストル共和国として独立を宣言した。
1992年、沿ドニエストルの独立を認めないモルドバと戦争になり、沿ドニエストルが勝利した。










なぜこの国は国際社会から承認されないのか?
よくわからない。
武力によって征服して勝手に独立宣言してつくられた国などいくらでもあるだろう。
沿ドニエストルはロシアのバックアップによって独立し、現在も軍事的にも経済的にもロシアの支援がある。
そのロシアですら、承認していない。
もしここを承認したら、アブハジアとか南オセチアとか、ロシアにとって独立してほしくない国が動き出すからなのかもしれないが、大国はそれぐらいのダブルスタンダードはいつもやってることだろう。
沿ドニエストルとしては、承認されないからといって独立国家をやめるはずもなく、前進もせず後退もせず膠着状態のまま、それでも人々は生活していく。 
生まれてきた子供に「この国は世界から存在を認められていないんだよ」と教えるのは少々さびしい。



久しぶりに地元民から話しかけられた。


やはり外国人はめずらしいのか、日本人だと答えると驚いていた。
それから、別の通りすがりの人がロシア語訛りの英語で「Welcome to Dniester!」と言ってくれた。
また、小学生の男の子たちが小声で「キタイ(中国人)」と言ってクスクス笑っていた。



この子は日本人かそれともキタイか、いずれにしてもここにはアジア人はいないはず・・・


ロシア人の多いこの地は以前から経済的に成功していたようで、モルドバより街並みがきれいだ。





SHERIFFという企業の一強なのか、やたらと目につく。



巨大なスーパーだが中はガランとしいて殺風景。
品ぞろえは豊富ではない。
物価はモルドバよりはるかに安い。
チョコチップクッキーはなかった。

独自の通貨もある。
プラスチックのコインがあると聞いて、両替所をまわってみたのだが、どこもかしこも「ない」と言う。
このスーパーにも両替所があり、ようやく見つけた!



五角形のプラスチックコイン、これはレアでしょう。
ギターが弾けそう。
計4種類のプラスチックコインがあるが、同額の紙幣がメインで流通しているので、あまり出回っていないようだ。



日本車も参入してたのか。




マーケットもある。








出国
入国時とは違うルートで。

まず沿ドニエストル側のイミグレーションで、入国時にもらった紙を渡す。
係員に「Good Luck!」と言われて出国完了。

すぐ先にモルドバの検問があり、ここではパスポートをチェックされる。
どこから来てどこへ行くのかという質問に答えて、再入国完了。

ドニエストルルーブル。







Braila, Romania

8759km