2019年2月12日

ダブリン

偏西風帯のためか、エディンバラ辺りからの西進ルートはずっと向かい風を食らい続けていたが、ゴールウェイからは東進するので、わずか2日だけだが、追い風をもらった。



アイルランドは首輪でつながれていないイヌが多い。
僕に向かって威嚇して吠えるが、敷地からは出ないように躾けられているようだ。

たまに敷地から出て追いかけてくるヤツもいる。


ヨーロッパでイヌに追いかけられるなんて、ルーマニア以来だよ。

イキがって吠え立てて来たくせに、僕が立ち止まったら不意にクンクンすり寄ってきやがった。


アイルランドの天気も実に不安定。
毎日必ずと言っていいほど降る。
嵐のように暴風雨になることもめずらしくない。



結局、西寄りのヨーロッパで一番降雨日数の少ない国はイギリス、という意外な事実。
イギリス以外はほぼ全域でほぼ毎日雨、と言っても過言ではない。
毎日毎日、泥まみれになった自転車と荷物と服を掃除するのも、いいかげんウンザリ。



この日もキャンプ地探しに苦労した。
行けども行けども、道路の両脇はフェンスや垣根や壁によって隙間なくビッシリと囲われていて、どこにも侵入できない。
森や公園さえも、ゲートがあって施錠されている。

出発は朝9時半と遅かったのに110kmも走行して、ようやく廃墟を発見。
廃墟も門が閉められているところが多いが、ここは開いていたので、さり気なくスッと侵入。
両隣は人の住む民家なので、音を立てないよう気づかれないよう、ひっそりとキャンプ。

この廃墟は、壁はあるが屋根がない。
夜、雨が降り出すと目がさめ、止むと眠りに落ち、また降り出すと目がさめ、、、の繰り返し。
うん、もうウンザリ。
いいかげん雨天地帯を脱して乾燥地帯に。



首都ダブリン。




















よく、日本人はあまりにやたらと「すみません」という言葉を使う、と言われる。
謝る必要がない時でも、自分が悪いわけではない時でも、無意識に「すみません、すみません」と言ってしまう。
日本語の「すみません」は、sorryの意味もあればexcuse meやthank youの意味もある多義語ではあるが。
イギリス人とアイルランド人も同様で、頻繁に「sorry」と言われる。
街を歩いていてぶつかった時なんかはもちろん、特に何でもない場合でも、「sorry, sorry」と言われる。
敬語も、日本語の敬語は他に類を見ないほど異常だと思うが、イギリス人もかなり丁寧な言い回しをするようだ。

これは島国の特性だろうか。
閉ざされた土地で定住するには人間関係を丸くおさめる必要があるから、とりあえず謝罪したり丁寧な言葉を使っておけば角が立たない、というのがあるかもしれない。

ちなみに、悪いことをしたら謝る、というのは必ずしも世界の常識ではない。
中南米やアフリカなんかでは、どう見ても相手に非がある場合でも、謝られた記憶がほとんどない。

Kinlay House Hostelに滞在。


ドミトリー1泊€10。
24人部屋で、運良くベストポジションのベッドをゲット(ポジションによっては近くにコンセントがない)。
ファシリティ完璧、朝食付き、文句ない。
庭に水道とホースがあったので洗車もできた。

客層は、旅行者と労働者が半々ぐらいだろうか。
例によって労働者は、スマホで動画や音楽を鳴らし、大声で電話し、騒ぎ、みっともない半裸でウロウロするわ、くっせえわ(部屋は男女ミックス)。
この辺はスペイン語話者が多いが、どこへ行っても労働者の習性は同じだな。
こいつらさえいなければもっとリラックスできた。

これからポルトガルへ飛ぶ。


Dublin, Ireland