デザートビューからは長い下りで、ガンガン下る。
下っていると、絶対こんな長い坂を登りたくはないなと思ってしまうが、これを登ってきたのだ。
朝。
なんだか変だ。
そうか、そういえばアリゾナ州は夏時間を採用していないがナバホ居留区は夏時間を採用しており、11月3日から冬時間に切り替わる、と小耳にはさんでいた。
いつもと日の出の時間が違うのでおかしいと思ったら、 腕時計とスマホは自動的に時間調整されていたのだ。
現在、日の出6:53、日没17:26。
もうこの辺は東京と同じぐらいの緯度。
11月の東京ってこんなに日が短かったかな。
しばし北へ。
もう、いいかげんにしてほしい。
以前から主張しているが、道路というのはシンプルにつくるべきだ。
なめらな路面にラインを引くだけでいい。
余計なものをつくられても、障害物にしかならない。
しかもこのガタガタはセンターラインにも掘られているのだが、車がその上を通るとノイズを発して騒音公害にもなる、二重弊害。
メインロードからそれてセカンドロードで。
ここはガタガタがない。
車も少ない。
いい道。
暑い。
冬が来るはずなのに、日に日に気温上昇。
この日は朝-3℃だったが、日中は20℃ぐらいまで上がった。
ページ。
地図で見ると、ウォルマートがあるほどの大きな街なので期待したのだが、あいにくまだここはナバホ国のようで、電波もなければ自転車屋もない。
今まで見てきた白人の優雅な住宅街とは別世界。
ほんとでかいな。
まずはウォルマートに行ってネット接続。
WARMSHOWERSには継続してリクエストを送っているが、ソルトレイクシティ以来、からっきし返信なし。
キャンプ場は$28。
しかし、$30台のモーテルが数軒ある。
$28払ってキャンプするよりは、数ドル上乗せしてモーテル泊した方がはるかに満足度が高い。
思いきってモーテルに2泊、その場で予約した。
ウォルマートからモーテルまで4km。
もうひとがんばり、と走り出そうとしたら、パンクしていた。
はぁ、、、ため息。
修理せず、パンクしたまま4km押して歩いた。
天下のアメリカでこんな無様な状態になるとは。
日が沈み、暗闇の中を歩き続け、ようやく到着。
また想像以上のゴージャス。
冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー付き。
最近のモーテルは、枕元の目覚し時計にコンセントとUSBポートがある。
そして、朝食付き(セルフサービス食べ放題)。
目の前にスーパー(ただしセーフウェイ)、1ドルショップ、コインランドリーもある好立地。
これで$30台とは、驚きのコスパ。
いや長期旅行としては完全に予算オーバーだが、テント泊続きの身にはこれは逆らい難い魅力。
もっと質素で狭くてもいいから$10ぐらいの安宿つくれないのかな。
長距離トラックドライバーなんかはどこで泊まっているのだろう。
ページは、アンテロープキャニオンの観光拠点となっている。
到着してからアンテロープについて調べる僕。
どうやら、個人で行くことはできず、ガイド付きツアーに参加しなければならないらしい。
$40ぐらいするらしい。
しかも国立公園ではなくナバホのテリトリーなので、グランドキャニオンで買ったパスは使えず、入場料を払わなければならないらしい。
・・・やめた。
写真で見た感じ、アンテロープはヨルダンのペトラのような美しい渓谷のようだが、どうせ観光客でごった返しているだろうし、自由のないツアーなんてまったく気分が盛り上がらない。
それよりも、快適モーテルで1日ゆっくり休むという誘惑が強烈にのしかかってくる。
それに、自転車メンテナンス、他にも地味にやることがたまっている。
そんなわけで、翌日はほとんど外出せずモーテルにこもった。
ページには自転車屋はないが、ウォルマートに自転車コーナーがあり、チューブとポンプを買った。
パッチはなかった。
スライムチューブ。
穴が開いても内部のスライムがふさいでくれるらしい。
以前から気になってたチューブだが、かなり重いので買わずにいた。
今はパンク防止が最優先。
走ってみないことにはわからないが、どれほどのもんだろうか。
タイヤを入手できるまでは、このスライムに期待。
夕方。
8kmほど離れたホースシューベンドという、アンテロープに次ぐ観光地に行ってみた。
車やバイクは有料のようだが、自転車は無料。
ここも人たくさん。
日本人もたくさんいた。
荒野を走り続けてたどり着いた辺境の先住民居住区で突然日本語が聞こえてくるのも不思議な感じ。
話しかけてみたい気持ちもあるが、同じ日本人でもまるで別世界の人のような壁を感じて、ためらってしまう。
誰も自転車に乗らないナバホ国。
ウォルマートにもバイクラックがなかった。
休養日は時間がたつのが実に早い。
さっき起きたと思ったらもう日が沈む。
もっと休みたいが、そういうわけにもいかない。
Page, Arizona, USA