ロサンゼルスへ向かう。
気が重い。
今回のアメリカ大陸ルートで最大の都市になるだろうか。
どこの国でも大都市を走るのは大変。
自転車が排斥されるアメリカの大都市となるとなおさらだ。
まっすぐすんなり行けるルート(185km)は自動車専用の高速。
自転車で行くとなるとこんなにも遠回りさせられる(310km)。
しかも標高1500mの峠越えあり。
アホくさっ、やってられっかと投げ出したくなる。
でもこれがアメリカという国の現実なら仕方ない。
山道スタート。
しかし広いな。
ここは天下のカリフォルニア、そしてかのロサンゼルスへ向かう道だが、さしたる街も何もない。
日没とほぼ同時に、うまいこと橋を見つけてもぐりこむ。
電波もなし。
すんごい強風(推定風速20m)だけど、よくやるなあ。
高所作業経験者ならわかる、風というものがどれだけの脅威となるか。
峠を越えて、長い下り。
強い追い風。
登りはそれほどでもなかったが下りは実に長い、しかも追い風、ガンガン下る。
このルートは、逆方向の方がはるかにしんどそうだ。
山を下り、街に出た。
キャンプ場なし。
WARMSHOWERS全滅。
モーテルは許容範囲を超える価格。
本格的に泊まるところがない。
やりづらいところだ。
森に忍び込む。
セコイアを見て、僕のアメリカ旅行は終わった気がした。
もう気分を高揚させるものはなく、クールダウンしていく。
アラスカからここまで半年間、物価高との格闘にほとほと疲れた。
ちょいちょい連泊はしたが、追われるようにしてせわしなく移動を続けてきた。
5ドルぐらいの安宿で1週間ぐらい何もせず沈没してみたいものだ。
でもメキシコもそこまで激安でもないんだろうな。
すんなりまっすぐ伸びる道はいずれ高速になるので、またバカみたいに遠回りしながら海へと向かう。
太平洋。
この海の向こうに母国が。
ここからロサンゼルスまでは一本道で行ける。
マリブビーチ。
Los Angeles, California, USA
33859km