この日の走行中の写真はこれしか撮っていない。
えんえんファーム、えんえん有刺鉄線。
よくもこれだけ広大な土地をギッシリ私有地化できたものだ。
イヌが過剰反応して騒ぐ。
ほとんどは家の敷地から出られないようになっているが、たまに道路まで出てきて追いかけてくるイヌもいる。
天下のアメリカでも、イヌに追いかけられることがあるのだ。
路上には、アライグマやスカンクの死体がそこらに転がっている。
おいしそうではない。
都会でもなければ大自然でもない。
こういう農場地帯が一番寝場所探しが難しい。
寝場所を見つけられぬまま、ポカテロという中規模の街に突入。
街の名はスペイン語由来だが、街並みは典型的アメリカン。
巨大ショッピングエリアにおなじみのファーストフードやスーパーが続々と現れる。
歩いている人はほとんどおらず、車だけが絶え間なく行き交う。
画一的大量消費社会。
適当に思いついた九文字熟語だが、そんなニュアンスで批判されることもあるアメリカの社会構造。
買い物にウォルマートを愛用する僕だが、時々アメリカ人に「ウォルマート最高だよね!」と言うと、渋い顔をされることが多い。
おそらくかれらも、無個性量産的に巨大になりすぎた資本に対する問題を認識しているのだろう。
外国人旅行者の僕にウォルマートがアメリカの魅力だと思われるのも嫌なのかもしれない。
ようやく人気のない寝場所を見つけた。
翌日。
向かい風。
それほど強風でなくても、向かい風というのはサイクリストにとって最も辛く、大げさに感じるものだ。
天下のアメリカでも、ウシが道路を歩くこともあるのだ。
道路が広いっていいことだ。
ここからユタ州。
147km走り、ローガンという街のWARMSHOWERS宅。
翌日。
またやった。
ちょっと休憩しようとして自転車を道路の端に寄せたら、トゲトゲの実が大量に散乱していた。
さすがにこの同時多発パンクは、何箇所穴が開いたのか把握しきれない、修理する気にも
なれない。
前輪後輪ともに、修理せずチューブ交換した。
そしてこのシュワルベLAND CRUISERは、耐パンク性はあまりすぐれていない。
MARATHONだったらこの程度のトゲはチューブまで貫通させない気がする。
Salt Lake City, Utah, USA