2019年10月15日

イエローストーン国立公園 3

朝。

-23℃。



ここは北極圏?
いやふつうにアメリカです。
10月上旬でこの気温、真冬になったらどうなっちゃうの?


幸い、このキャンプ場のトイレは常時暖房が効いており、水道は凍らず飲料水を汲める。
ただ、外からトイレのドアノブを握る時、濡れた素手だと凍ってひっつくので注意。

7年前のカザフスタンでも、同じぐらいの寒さを体験した。
あの時もたくさんの人に助けられたが、無人地帯の野宿だったので難易度高かった。
今回は水もあるし、ガスもちゃんと気化して火がつく。
何よりも先進文明国アメリカにいるという安心感、寒いことは寒いが不安はない。

いよいよ、イエローストーンで最も有名なオールドフェイスフルまで往復60kmの日帰りサイクリング。
出発前に自転車チェック。
気温が著しく低下したので、タイヤ内の空気が収縮し、減圧していた。
ポンプで空気を入れるが、あまりパンパンにしてしまうと午後気温が上昇した時にタイヤ内の空気が膨張するので、ほどほどに調整。
これぐらい低温になると金属等が折れやすくなるので、転倒しないように。

大雪から2日がたち、もう道路は乾いている。

除雪車、グッジョブ!


なんて美しい。


気持ちいいー。



持っている衣類全部出して、MAXの厚着。

今回の旅で初めて、ネックウォーマーというものを使ってみた。
ヘタな上着1枚足すよりも、これの保温力の方が高い。
耳や鼻が痛くなるので、帽子とネックウォーマーでガード。
でも息が苦しくなるので、時々鼻と口を出す。
しばらくすると、鼻の中が凍り始める。
鼻の中が凍るというこの感覚は、経験しないとわからないだろう。
完全に凍りついたら怖いので、鼻を動かしながら走る。
まつ毛も凍るので、上のまつ毛と下のまつ毛がくっつかないようにパチパチまばたきしながら走る。


ダイヤモンドダスト。
空気中の水分さえ凍り、キラキラと輝く。
これは写真には撮れない。
写真で共有できる美しさなんて一部にすぎない。


晴れてるのに、ドンヨリしてきた。


ホワイトアウト?

車に追突されないよう、バックライトを点灯。

ドンヨリの原因は、無数に点在するホットスポット。


これが極寒の大気を蒸気で満たす。

ホットスポットに墜落してしまう事故もしばしば起きるようだ。
国立公園設立以来、20人以上が亡くなっているとか。
ただの熱水ではなく強酸性なので、落ちて1日もたつと遺体は完全に溶けて跡形もなくなるらしい。


イエローストーンは、60~70万年周期で超巨大噴火(スーパーボルケーノ)を起こしている世界最強の火山。
現生人類はまだこれを経験していないが、現代のシミュレーションによると、半径1000km以内にいる者は窒息死し、火山灰と溶岩がアメリカ全土を埋め尽くし、海へ流れ出た溶岩が津波を引き起こし、3~4日でヨーロッパも火山灰で埋まり、世界の平均気温は10~12℃下がり、その状態が6~10年続くという。
要するに、一発で世界を壊滅させうるパワーがここにこめられている。
最後のスーパーボルケーノから64万年が経過している。


キャンプ場からオールドフェイスフルまでの30km区間には、有名な見どころが集中している。

中国人中国人中国人・・・


イエローストーンの火山灰がどれだけ世界を埋め尽くすのかわからないが、すでにこの世の有名観光地は中国人で埋め尽くされている。
今まで全然見なかったのに、観光地に着いたとたんに大型バスから中国人がワーワー出てくる。
カップラーメンを食べながら歩き、遊歩道から出て写真を撮り、大声でワーワー騒ぐ。

経済成長を遂げた後には、集団ではなく個人で旅行するようになってほしい。
バブル期の日本人も、世界各地で金に物を言わせてブランド品を買い漁ったりして白い目で見られていた。
中国人は人口のケタが違うが、果たして変われるか?



グランドプリズマティックスプリング。

イエローストーンの紹介によく使われる写真がこれだが、空撮しないとこうは見えない。

それより、蒸気がすごすぎて色もよく見えず、どうプラズマティックなのかわかりゃしない。






バイソンはそこら中にいる。










Rigby, Idaho, USA