アメリカ入国。
大都市バンクーバーとは対象的に、アメリカ側は過疎ってる。
ナイアガラの時もそうだった。
州でいうと、ここはワシントン州。
でも首都のワシントンDCはここにはない、はるか彼方の東海岸にある。
また距離がマイルになり、計算がめんどい。
マップのルート検索もマイルで表示される。
アメリカの道路事情は良くない。
路肩未舗装。
自転車レーンはあったりなかったり。
同じアメリカでも、アラスカとは道路も店もいろいろ違う。
カナダの街並みとも違う。
この辺は中途半端な田舎街で、キャンプ場も見かけない。
南下するとともに人口が増えて都会化してきた。
ベリンハムという大きな街に着いた。
またAT&TでSIM購入。
アラスカで買ったSIMは1ヶ月の有効で、とっくに期限が切れていた。
アメリカ、カナダ、メキシコの3ヶ国で使えるとのことだったが、カナダは電波がないので使い物にならなかった。
1ヶ月ごとにチャージしていけば同じSIMで継続できるが、携帯が使えないカナダでチャージしても金のムダ、アメリカ再入国で新たに買う。
再びどこでもネット接続できるようになり、無敵感復活。
この日はアルマジット宅を発ったのが遅かったこと、そして国境越えで時間がかかったことで、日が暮れてしまい、また夜間走行してしまった。
WARMSHOWERS。
天候不安定な上にキャンプ場も少ないところでは本当に助かる、WARMSHOWERS様様。
オーシャンビューの丘の上に住む夫婦宅。
到着が夜だったので、残念ながら景色はよく見えなかったが。
ガレージには、自転車屋か、ってぐらいたくさんの自転車があった。
ディナーは巨大サーモン。
アメリカ人といったらハイテンションで豪快なキャラのイメージがあると思うが、この夫婦はいたって物静かで穏やか、まだカナダ人との違いは感じない。
植物に囲まれた家。
庭で育てているリンゴをいただいた。
雨天続きだったが、ようやく晴れた。
アメリカも、目的地までスムーズに行けるルートは高速になっている。
一般道との見分けは比較的明確なので、高速に迷いこむことはないと思う。
ただ、アラスカ~カナダのシンプルな一本道とは違い、この辺の都市圏では頻繁に立ち止まってマップチェックする。
車道を走っていたら、何度かクラクションを鳴らされた。
アメリカって歩道を走らなきゃいけないんだっけ!?
だとしたら止まって言葉で注意してくれればいいのに、人間なのだから。
クラクションだけ鳴らして去っていくドライバーはケダモノ以下の害虫、死んでくれ。
エバレットという街で、またWARMSHOWERS。
ここのところ、調子良くホストを見つけることができている。
ビュッフェスタイル。
右端の黒いのは、海苔。
だんだんアメリカンな人柄を感じるようになってきた。
奥さんは、ほっとくと永遠にしゃべり続けるタイプの人。
そして無限に僕に食べ物を与えようとする人。
世界共通の、世話好きおばちゃん。
てっきり僕の満腹中枢はぶっ壊れてしまったものと思っていたが、何度もおかわりして、ヘビーなデザートもいただいて、忘れかけていた満腹感がやってきた。
アメリカとカナダの違いとは何か?
ベースとなる文化は、同じアングロサクソン。
ひとつ考えられるのは、労働力の調達の仕方が違った。
アメリカは奴隷を使ってきたので、黒人の割合が高い。
近年は中米からのヒスパニック系移民の増加が著しく、将来的に支配層アングロサクソンの人口を超えるだろうとの予測もある。
異民族との共存、人種差別という問題と対峙して歴史を歩んできたのがアメリカだ。
ただ、黒人もヒスパニックも南部に多く分布しており、この辺はまだ白人が圧倒的。
言葉の言い回しやアクセントもカナダ人とは微妙に違うらしいが、僕にはその違いは識別できない。
そういえば、最近英会話の調子がいい。
イギリスにいた時は本場のイギリス英語が全然聴き取れなくて自信喪失したが、アメリカ英語の方が自分に合っているのだろうか。
出会う人たちが僕に対して手加減してくれているというのも大きいが、しばらく英語圏で生活しているとやはり耳が慣れてくるし、しゃべりも自然に言葉が出てくる。
この感覚も帰国したらまた忘れるんだろうな。
僕の寝場所は別の建物で、ふだん使われていないミーティングルーム。
どうして一般家庭にミーティングルームがあるんですかね。
トイレ・シャワー、キッチンもある。
完全プライベート。
翌日は雨のため連泊。
こんなに居心地のいいところで、雨を口実に連泊、ひそかにほくそ笑む。
床屋に行った。
時々自分で切っていて、不ぞろいでバサバサだった。
カットのみで$20。
たけえ。
アラスカの床屋も$20だった、こっちは少し安くなるはずと期待していたのだが。
Seattle, Washington, USA
28997km