2018年6月6日
ブハラ
入国して25kmほど北上したところでホテルが現れたのでストップ。
もっと進むつもりだったが、ちょっと疲れた。
マシュハドからここまで762kmを7日間で走りきるのは決してムチャではないが、時間に追われてる感、二度の国境越えの緊張感、砂漠の乾き、暑さ、そして何よりも向かい風。
もう休んでもいいんだよ、という時に、たとえ予算オーバーのUS$20でも、快適なホテルが現れたらその誘惑には勝てない。
しかし、ベッド3つもいらない。
旅行というのは夫婦家族友人とともにするものだから、シングルルームというものが存在しないのだ。
だからどうしても一人旅は割高になる。
それよりも何よりも、ネットがふつうにできるってすごい。
イランではいちいちVPNに接続して、しかもすぐ途切れるし遅かったし、トルクメニスタンでは何もできなかった。
翌日。
風予報を見ると、目を伏せたくなるような強い向かい風。
・・・連泊。
レストランでラグマンを注文。
おばちゃんが、僕が東洋人だから箸を使って食べると思ったのか、串焼き用の串を2本持ってきた。
こんな細い棒じゃ食えんがな!
とジェスチャーで伝えたらおばちゃんケラケラ笑っていた。
翌日。
十分休めたが、結局また強い向かい風の中を走行。
ウズベキスタンもほぼ平地で、変化に乏しい地形。
ギアを最軽にして、10~12km/hでチンタラ進む。
でも、ウズベキスタンに入ってからやや暑さがやわらいだ。
向かい風さえなければ、のどかな農村地帯。
古代よりシルクロードの交易地として栄えたオアシス都市で結ばれているウズベキスタン。
紀元前からペルシャ系のソグド人が支配し、8世紀にアラブの進出によってイスラム化。
10世紀にトルコ系遊牧民が進出し、13世紀にモンゴルによって都市を破壊される。
16世紀からウズベク人が国家をつくり、19世紀後半にロシアに併合される。
1991年にソ連の崩壊にともなって独立。
人口3300万人、80%がウズベク人でウズベク語を話す。
旧ソ連なので多くの人がロシア語も話す。
国土は日本の1.1倍。
世界に2つしかない二重内陸国のうちの1つ。
つまり海へ行くのに国境を少なくとも2回越えなければならない。
金、石炭、天然ガス、ウランなどの資源が豊富。
チャイ休憩中の労働者と出くわすと必ず呼ばれる。
古都ブハラ。
ルートの都合上、同じ国に再入国することは時々あるが、まったく同じ場所を再訪するのは初めてだ。
BC5世紀には城壁を持つ要塞都市が成立していたというブハラ。
現在見られる建築物は8世紀のイスラム化以降のもので、13世紀にモンゴルによっていったん破壊されたが再建された。
保存状態は非常に良い。
シルクロードの代名詞ともいえるウズベキスタンは、中央アジア一の観光国。
街は旅行者でにぎわい、英語も通じやすい。
日本語を話せる人も多い。
この子は流暢な日本語を話し、「地球の歩き方」のトップページにも載っているらしい。
移動式サムサ屋さん。
通貨事情は、僕が2012年に来た時とはだいぶ変わった。
当時は闇レートと公定レートがあったが、今は統一されているらしい。
レートも物価も、当時と全然違う。
新しい紙幣も発行されていた。
最高額紙幣の10000スムは137円。
以前の最高額紙幣1000スムは6年前のレートで42円、両替するとアホほど分厚い札束になって、持ち運びに困った。
今日とりあえずUS$50だけ両替してみたら、それでもそこそこ分厚いが財布に入らないわけでもないので、だいぶ改善された。
買い物すると、やけに高く感じる。
それはここが観光地だからなのか、ぼったくられているのか、それともどこかに闇両替のおっさんがいて闇レートが依然として存在しているのか。
情報収集不足でよく把握できていない。
ATMがいくつかあって試してみたが、引き出せない。
高級店ではクレジットカードが使えるようだが、未確認。
とにかく、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの3国はカードの使用はあてにせず、十分な額のドルを事前に用意しておくべし。
6年前と同じ宿に泊まってみたかったが、名前も場所もまったく思い出せない。
調べてみても、手がかりがつかめない。
片言の日本語を話すおばちゃんがいて、あのおいしい食事をもう一度味わいたかったのに。
ウズベキスタンから、またBooking.comで宿検索できるようになった。
ブハラは安宿が豊富にあり、あえて有名な定番宿は避けた。
イランでは、宿に次々にやってくる旅人がおしゃべり野郎ばかりで、早口の英語でえんえんしゃべり続けるので疲れた。
全然有名ではないが、有名な定番宿と同価格のUS$7のドミトリーに決めた。
案の定、客は僕ひとりだけで独占。
昼もよく眠れた。
しかしこういう宿って、どうやって経営が成り立ってるのだろう?
次に向かうサマルカンド、6年前と同じ宿に泊まってみたいが、記憶に自信がない。
Bukhara, Uzbekistan