首都ヌアクショット。
はい、クラクション地獄。
交通マナーは、モロッコ・西サハラではまだヨーロッパの影響が色濃く見られたが、ここはよりアフリカンに、よりアナーキスティックに。
思えば、モロッコ・西サハラはアフリカの中でもアラブの中でもトップクラスと言っていいほどの優等生だった。
これからは旅行者もさらに寄り付かない、荒くれたカオスが期待できるでしょう。
まずはATM。
かなり大きな銀行のATMに行ってみたが、最初の2軒はまともに機能しておらず。
3軒目で無事現金をおろせた。
アホみたいな物価の高さに嫌気がさす。
スーパー、といっても売店に毛が生えた程度の規模だが、値札がない商品も多く、一見チンケな物を買ってみたらビックリするほど高かったり、果物なんかも種類によっては信じられないほど高額のものがあったりする。
いつも複数の物をまとめて買って、レシートをもらえないので、個々の商品の値段が確認できない。
モロッコでもよく見かけた物、モロッコから取り寄せたであろう物はそれほど高くないが、それ以外は手を出すのが怖い。
僕が何よりも求めているのは、食。
とにかくお腹一杯になるまで食べたい。
しかしレストランも極端に少ない。
滞在している宿の近くにレストランが数軒あるが、高いし物足りない。
モーリタニア人はラクダ肉を食べると聞いて探してみたが、それも見当たらない。
携帯屋はやたらとある。
次の国まであとわずかなので、SIMは買わない。
頻繁に「ニイハオ!」、「シノワ(中国人)!」と呼ばれる。
モロッコと違っておちょくられてる感が若干ある、気のせいかもしれないが。
ガキならともかく、いい大人が僕の前で中国語のモノマネをしたりもする。
恥ずかしくないのかな。
また、人を呼ぶ時に「スッ!」と歯の間から息を出す。
アフリカ人はよくやるのだが、これも僕は好きになれない。
でも概して、モーリタニア人は穏やかだ。
エジプト人みたいに粗暴でもないし、アフリカ人のように風景写真を撮っただけで「チップ払え!」と騒ぐこともない。
おとなしい国民性だと思う。
???
首都でも舗装されているのは大通りだけで、路地に入ると、砂。
ゴミ。
ヘドロ。
首都でも、ヤギ。
立つとけっこうデカイのね。
アラブとブラックの境、そして穏やかな国民性という意味では、スーダンに通ずるものがある。
でもモーリタニアの方がアフリカ色が強い。
ムスリムっぽくない、肌を露出したアフリカンな女性も多く見かける。
手足が長くてスラッとしたスタイルの人が多い。
スーダンといえば、昨日11日に軍によるクーデターが発生。
30年にわたったバシル大統領(75歳)の独裁政権に終止符が打たれるという歴史的大事件。
こういう国ではクーデターか革命でも起こさない限り、政権はトップが死ぬまで変わらない。
リビアでは反政府軍が首都に侵攻して空港を爆撃。
アルジェリアでは大統領退陣を求めて大規模なデモが発生。
今、北アフリカが激動している?
宿の近くには小学校があるが、小ぎれいな身なりをした子供ばかり。
学校に行けるのは富裕層だけなんだな。
街を歩いていると、生まれてから一度も風呂に入ったことのないような物乞いの子供が頻繁に寄ってくる。
5~6歳ぐらいのきったない女の子が、「シノワ!」と言ってからんできた。
物乞いのつもりで寄ってきたのだろうが、好奇心むき出しの目で見つめてくる。
ちょっとからかってやったらキャーキャー喜んで、近くにいた女の子たちも寄ってきてたちまち囲まれ、僕の手をつかんで離そうとしない。
缶を持って小銭をせがむ少年も多い。
これもちょっと遊んでやると目をキラキラさせて、たちまち大勢集まって僕の手をつかむ。
こうなると「金をくれ」を忘れて、ただただ「遊ぼう!」となる。
かれらがどれだけ厳しい人生を歩んでいくのか、僕にわかるとは言えない。
でも大人たちも、厳しい現実ばかり突きつけないで、もうちょと遊んであげてもいいんじゃないかな。
嫌なこと忘れて楽しく遊んで騒ぐ、こういう時間も子供には必要でしょう。
でもカメラを向けるとこの有様。
Auberge Menataに3泊。
ドミトリー、といっても2ベッドだが、1泊200ウギア(612円)。
宿代は安くすんで助かった。
しかも初日からずっとひとりで部屋を占有できており、実質個室。
同じような2ベッドの部屋が計4つほどある。
大型テントにもベッドが6つほどあるが、こちらはコンセントがないためかいつも無人。
客層は、長期滞在している労働者?
よくわからないが、外国人旅行者はいない。
もちろんロッカーなんてものはなく、セキュリティもガバガバだが、狙われてる感はない。
Wi-Fiは、耐えうるレベル。
モーリタニアの全体的クオリティを考えれば健闘していると思う。
トイレとシャワーはひとつずつ。
トイレは洋式だが便座なし。
シャワーはお湯が出る。
一応コンロのあるキッチンがある。
設備は不十分だが、最後の晩飯は食材を買って自炊した。
オリジナルタジンつくった。
ヤギ肉500g、パプリカ1個、米360g。
この食材費だけでなんと計350ウギア(1071円)。
もうムカつくでしょう?
ぼったくられたのか正規の値段なのか、確認できないのも悔しい。
敷地内の地面もやっぱり砂。
どんなに掃除しても部屋の中にこもっても、砂っぽさからは逃れられない。
モーリタニアではいろいろ寿命が短そう。
蚊がすごい。
日没から夜半にかけて活発になり、刺されまくった。
寝る時はシーツを頭からかぶらないと、猛襲されてとても寝付けない。
いろいろあるけど、静かでいい雰囲気。
くつろげる宿だが、物価の高さもあるし、長居はできない。
それに早いとこイスラム圏を脱出しないと、またラマダンがやって来てしまう。
Nouakchot, Mauritania