モーリタニア・イスラム共和国。
日本の2.7倍の面積。
そのほとんどが砂漠。
アラブとブラックが混じり合う場。
北部はムーア人と呼ばれるアラブ人とベルベル人の混血が多く、南部は黒人が多い。
人口440万人。
文化的にはアラブでイスラム教。
主要言語はアラビア語とフランス語、さらに複数の民族固有の言語。
8~11世紀はガーナ王国の一部であり、その後はイスラム帝国、15世紀にポルトガルが入植。
1904年よりフランスの植民地となり、1960年独立。
主産業は鉱業と水産業。
日本で流通しているタコで最大の割合(3割)を占めているのがモーリタニア産(他1割が西サハラ産)。
現地ではタコを食べる風習がないので、日本に売るためにタコを獲っているようなもの。
油田もあるが技術的な問題で産油は伸び悩んでいる。
西サハラよりずっとサハラ的になった。
最初の街ヌアジブは半島にあり、立ち寄るには片道45km往復90km余計に走らなければならない。
却下。
ヌアジブに行くとしたら目的は、ATM、SIM、食料や日用品の買い足し。
そのために往復90kmはバカらしい。
しかも、北東貿易風がバンバン吹いてるので復路は思いっきり向かい風となる。
なので、ヌアジブはスキップして460km南の首都ヌアクショットを目指す。
しかし、素直に海沿いに道をつくればいいものを、何をトチ狂ったか、進路は東の内陸へ。
今さらながら遅ればせながら吹き始めた北東貿易風はここに来て東寄りになり、しばらく向かい風。
どうも今回、風の神様は僕に微笑んでくれないみたいだ。
全長2km、世界最長と言われる鉄道が見えた。
最後尾がいつまでも見えてこない。
暑い。
内陸に入るということは、寒流の恩恵を受けられないということだ。
気温はグングン上がっていく。
だから海沿いに道をつくれと言ってるのに。
地図には載っていない村が現れた。
売店。
やはり物価高い。
330mlのミニ炭酸が30ウギア(91円)。
大サイズの炭酸はない。
しかしありがたいことに、キンキンに冷えている。
高くても、冷えた炭酸を我慢するなんてムリムリ。
なんともかわいらしいモスク。
どういった趣旨でこんなところに家を?
木造なんてモロッコ・西サハラにはなかった。
木材は輸入?
モーリタニアにも検問がある。
こんな砂しかないようなところで何を警戒してんだよ?
まあ、ポリサリオ戦線に敗けてモロッコに西サハラを奪われたから軍備強化するのもわかるけど。
入国して50km、地図に載っている最初の街。
このボロ宿が、衝撃の800ウギア(2428円)!
おかしい。
長時間かかった国境越え、急な暑さと向かい風、疲れ果ててこれからキャンプ地を探す気にもなれず、悔しいが払ってしまった。
シャワーあり。
もちろんお湯は出ないが、水が出るだけでもすごい。
Wi-Fiはもちろんないが、電気は通っていて充電はできる。
ハエが急増。
しかしこんなにも高いとは。
手持ちの現金が早くもピンチ。
この調子だと首都までもたない。
進路は南東、風は北東なので、横風。
砂が地を這う。
砂のシャワー。
この日の走行予定は150km。
横風が少しでも後方から吹いてくれれば追い気味になり、少しでも前方から吹くと向かい気味になる。
すべては風次第、風に命運を握られている。
相変わらず廃車がいたるところに転がっている。
風がさらに東寄りになったため、斜め前方からの向かい風に。
手持ちの温度計は40℃を超えるようになった。
だからあれほど海沿いに道をつくれと言ったのに。
いやもう食べるものないでしょ。
ラクダって世界一タフな哺乳類かもね。
誰の家か知らないが、陰で休憩させておくれ。
正確な距離は確認していないが、50kmかそこら走ると地図に載っていない小さな村が現れる。
ほんとに、水はどうしてるんだろう?
これだけ広い国土のどこにも、川ひとつ湖ひとつありゃしない。
進路が真南になり、風が北寄りになり、追い風となってペース復活!
つくづく、風に命運を握られている。
ずっと左から風を受けていたので、左の耳が砂で埋まるかと思った。
靴の中は砂でパンパン。
バッグも何度か開け閉めしていたら、だいぶ砂が侵入。
カメラとスマホは一応無事。
ハンドルに装着しているPROTREKの腕時計とCATEYEのメーターも無事、さすが。
自転車も砂まみれかと思いきや、逆にきれいになっていた。
砂が汚れを洗ってくれた!?
Nouakchot, Mauritania