2019年3月21日

ティズニート

残念ながら海沿いに道はなく、また少し内陸の山道。








アップダウンを繰り返して、また海に戻ってきた。


まさかこんなところにWARMSHOWERSのホストがいるなんて。


ホストのハビブは英語教師、他の教師とルームシェアしている。


多くの日本人がモロッコを旅行しているが、モロッコ人にとっては日本は縁のない遠い国。
でもかれらは日本文化をよく知ってくれている。
大半の日本人は俳句や短歌などについて学生の頃に勉強しただけで、ふだんの生活で意識することはあまりないが、海外の人はこれぞ日本の文化として興味を抱いてくれている。
ハビブは俳句の解説本(英語)をアラビア語に翻訳する作業をしていた。

そして誰と話しても必ずと言っていいほど話題になるのが、宗教。
僕もそろそろ、日本人の宗教観を伝えることに慣れてきた。
多くの人は日本が仏教の国だと思っているので、まずはその誤解を解く。
そして日本固有の神道が西洋の宗教観とはまったく異質であることに、かれらは強い関心を持ってくれる。
宗教に対するルーズさは日本の特性だが、当の日本人が日本は仏教国だとか無宗教だとか言ってしまう現状は、自分たちのルーツやアイデンティティに対してあまりにも無関心であるゆえだ。
日本書紀・古事記で語られている日本の神話を学校教育でしっかり教えるべし。

ちなみにハビブは無宗教。
イスラムに対しても王族に対しても異を唱える思想を持っているから、無宗教というよりは反宗教反王族。
モロッコでもこういう生き方ができるのか。

晩飯のタジンを一緒につくった。


タジンがいかに簡単な料理かがわかった。
好きな具材を好きなようにカットして、鍋に入れてスパイスをかけるだけ。
味はスパイス次第。







アガディール。


アガディールには安宿がないので、少し北にあるサーフィンリゾートで1泊した。

最初にBooking.comで予約した宿は、実在しない宿だった。
書かれている住所、地図で示されている場所に行っても何もない。
Google Mapsに宿名を入力しても出てこない。
近所の人に聞いても知らないと言う。
電話番号は無効。
メールしても返信なし。
宿泊費€10だけが口座から引き落とされた。
Booking.comに問い合わせたが、まだ対応されていない。

宿を予約するというのはいろいろリスクが伴うものだが、まさか実在しないとは。
いろいろ気をつけるようにはしているが、実在するかしないかまで毎回確認してられない。

とりあえずBooking.comからの連絡を待ちながら走行を続けるしかないが、対応遅い。

売店で菓子を買って休憩していたら、店の人が椅子を出して、茶を入れてくれた。


これも今まで飲んだことのない不思議な味だった。

走行していても休憩していても、よく話しかけられる。
意外に英語を話せる人がけっこういるし、英語を話せなくても「Welcome to Morocco!」と言ってくれる。
やはりモロッコは人がいい。







ティズニート。




女性の衣装がずいぶん派手になった。
カラフルな布で全身を包んでいるのは既婚女性だけのよう。
若い女性は西欧寄りの軽装が多い。



きっとタジン鍋は一家にひとつは必ずあるのだろう。


ドーナツ1個1ディルハム(11円)。


空腹解消にはこういうのを大量に買い込む。









この近くに小学校があり、カラフルなお母さんたちが子供を迎えに大勢来ていてすごい光景だったが、さすがに撮影は自粛した。



アラブ圏ではふつう、女性が車やバイクを運転することはないが、ここは女子の自転車率がとても高い。




メディナの壁の上部が凸凹の形状をしているのは、内側から身を隠して外を監視しやすいようにするためか。


Hotel Des Touristes。


またベッドが2つある個室で、1泊76ディルハム(882円)。
安い。
安すぎてまた何か落とし穴があるのではと疑ってしまったが、宿の人は紳士的で英語も話せて、Wi-Fiもバスルームも問題ない。



ただ一点、立地がスーク前のちょっとした広場なので、夜中まで車やバイクのエンジン音がうるさい。
車やバイクが全世界的に電気化無音化されるのはどれだけ先の未来になるのだろうか。

1泊の予定だったが、宿代が安いので2泊した。
モロッコでちょっと羽を休めて連泊するなら、観光地化されていないティズニートの安宿がオススメ。
ただ飲食店がとても少ないのが難点。


Tiznit, Morocco

17139km