対岸はスペイン。
スペインは2012年以来2回目。
あの時はバルセロナから北上してすぐフランスに入ったのでわずかだった。
看板の文字がスッと頭に入ってくる。
2006~2007年の中南米の旅で、スペイン語は旅行会話レベルならそつなくこなせるぐらいにはなっていた。
もちろん今は忘れてしまったけど、それでもある程度の期間スペイン語の世界に浸かっていたことは大きいと思う。
一面オレンジ畑。
ちなみにバレンシアオレンジとはアメリカの品種で、スペインの地名を借りているだけ。
そしてここはバレンシアではなくアンダルシアなのだが、どこまでもオレンジ畑が続く。
標識に「Punta Umbría」という地名が出てきた。
パコ・デ・ルシアの曲のタイトルじゃないか。
僕が今までで一番よく聞いたフラメンコの曲、地名だったのか。
行ってみたかったけど、めんどくさい場所にあるのでやめといた。
ポルトガルとスペインは似たようなラテン系の国と思いきや、いろいろ違いがある。
まず、時差がある。
1時間時計を進め、現在日の出8:00、日没19:15。
それから、スペインは宿代が高い。
ウエルバという街で宿検索してみたのだが、安宿がなかったのでキャンプ。
いいね~、自転車道。
いいね~。
もぎ取ってみた。
メチャクチャ酸っぱい。
見た感じ熟しているようだが、まだ食べられたものではい。
コーラに数滴入れてちょうどいい塩梅。
ポルトガルとのもうひとつの違いは、スペインにはシエスタがある。
田舎街のスーパーなどは、だいたい14~18時は閉店となる。
そして日曜日はスーパーを含むほとんどの店が閉まる。
アップダウンはあるものの、スペインの道路は路肩が広く舗装されていて、走りやすい。
天気も良く、向かい風さえ吹かなければ文句ない。
この日は27℃まで上がった。
不思議なもの発見。
集光型太陽発電。
周囲に設置された数百の反射パネルからタワーの一点に向けて太陽光が集光され、その熱を用いて発電する。
火事になったりしないのかな。
スペインのこの企業には日本の伊藤忠も提携している。
これは、ズレてる?
遠くからこの光が見えた時は、本当に何事かと思った。
セビリア。
この辺でそろそろ、アフリカに向けての準備と休養を兼ねて腰を据えたかったのだが、宿代が高すぎる。
WARMSHOWERSは、継続してリクエストを送り続けているのだが、ポルトガルとスペインではどのホストからもほぼ返信なし。
都合が悪くても、返信ぐらいしてくれてもいいのにね。
結局、スラブ圏とラテン圏ではうまくいかず、うまくいったのはゲルマン圏だけということか。
この日の最安は、ホステルではなくホームステイで、シングルルーム€19。
マンションの一室に住む家族の部屋。
外国人もよく泊まりにくるようだが、ここの夫婦は英語がほとんど一言も通じない。
オールスペイン語でコミュニケーションをとる。
やはり、言語というのは相性がある。
僕は10年以上前の中南米以来スペイン語は一切勉強していないが、この夫婦の言葉は聴き取れるし、全体として言ってることはだいたいわかる。
スペイン語と日本語は、相性がいいのだ。
一方、英語と日本語の相性は絶望的だ。
さんざん学校で勉強して、さんざん海外旅行してきたにもかかわらず、先日のイギリスとアイルランドでは、ネイティブの英語が全然聴き取れなくて、自分に失望した。
日常会話では知らない英単語はそんなにないはずなのに、「本当に英語しゃべってる?」とこっちが突っ込みたくなるほど、不思議なぐらい聴き取れない。
方言とか訛りとかの問題ではなく、僕は一生英語がペラペラレベルになれる予感がしない。
そして、英語とスペイン語の相性も悪い。
中南米で出会ったアメリカ人やイギリス人の話すスペイン語は何だか奇妙な発音で、現地人にも通じにくいようだった。
スペインは、EU圏ではズバ抜けて英語の通用度が低い。
これは教育の問題よりは、相性の悪さゆえに思えて仕方ない。
記憶を呼び戻して基本的なスペイン語を話せたおかげで、ここの夫婦とは楽しくすごせた。
しかし、この料金では連泊はできない。
街の観光もせず、翌日出発。
いよいよ本格的に雨天地帯を抜けて乾燥地帯に突入したようだ。
土も空気も乾いている。
アフリカがすぐそこにあることを肌で感じる。
Jerez de la Frontera, Spain
15770km