日の出は8:20。
デンマークの最高標高は170mほど。
「パンケーキのよう」と形容されるほど平坦な地形。
自転車目線だと微妙なアップダウンはあるものの、ほぼ全域フラットと言っていい。
13時で太陽はこの高さ。
今までの国と違って、デンマークでは自転車レーンが決して途切れない。
都市部から離れた田舎道でもなお。
この1mを確保してくれるだけで、れっきとした乗り物として認められ、安心して走行できる。
日没は15:40。
この日は14時にストップして、明るいうちに(といっても曇天だけど)テントを張った。
15時にもなるともう1日が終わりかける感じになるので、気持ちに余裕を持たせるため、たまにはこれぐらい早く切り上げてもいい。
ニューテントも初めて明るみに。
開封したその夜から雨に濡れた。
たとえ雨がやんでも、一度濡れたものはそうそう乾かない。
洗濯物を外に干す人はいない。
このテントは春が来るまで濡れっぱなしかもしれない。
メリットは、広い。
サイズが大きい割に2.0kgと軽量なのは、ポールが1本だからか。
1本ポールのテントは初めてだが、ペグを打って四方から引っ張ってあげないと自立できない。
フライシートも別にペグを打たなければ固定されない。
ヨーロッパではほぼ森キャンプとなるのでペグは打てるが、場合によってはコンクリートの上とか砂利の上ということもありうる、そうなるとペグが打てず自立できない。
そして、今まで使っていたワンタッチ式がいかに楽だったことか。
1本ポールでも、ワンタッチと比較したら設営時間の差は歴然。
雨天での設営は嫌なもの、ヨーロッパこそワンタッチにすべきだな。
雨の多い地方では、前室のあるタイプがよかった。
前室がないと、扉を開けるごとに雨が降り注いで中が濡れる。
カラーも、もっとダークにしてくれた方が闇に紛れていいのだが。
このテントは末永く使うものではないな。
ヨーロッパを終えたらまた買い換えるか。
ネットは良好。
都市から離れても、森のなかでも4Gが飛んでいて快適にネットできている。
デンマークは、風車の国。
土地がフラットな上に海に囲まれているので、風がよく抜ける。
1970年代から、化石燃料に依存しない自然エネルギーの開発事業を展開し、風力発電の先駆者となった。
現在は国内電力の42%を風力でまかなっており、この割合は世界一、しかもまだ伸び続けている。
デンマークは北海油田を有しているので産油国でもあるが、原油や天然ガスは主に輸出にまわしているそうだ。
さらに人材も優秀なのだから、豊かにならないわけがない。
Vestas。
ヴェスタス製の風車は世界60ヶ国に輸出され、世界でも日本でもシェア率1位。
僕も日本での仕事でヴェスタスに関わった。
風車のタワーは分割可能だが、ブレード(羽)はワンピースなので、このサイズのまま船でデンマークから運ばれてくる。
BONUSもデンマークの会社。
一つの島のように見えて実はいくつにも分割されており、また海に架けられた橋を渡る。
全長3km、強烈な横風を食らった。
またWARMSHOWERSのホストにお世話に。
広大な敷地に夫婦と2人の子。
夏は多くのサイクリストが訪れ、庭にテントを張るそうだが、この季節にゲストが来たことは一度もないそうで、僕は離れの小屋で泊まることになった。
主人のタゲは、なんとコペンハーゲン・フィルハーモニーのクラリネット奏者。
以下のフラッシュモブにもタゲは出演している。
僕はクラシックが好きなのでタゲがプロのオーケストラ奏者と知って驚いたし、タゲは僕が日本でヴェスタスに関わる仕事をしたことがあることに驚いていた。
たくさんのサイクリストたちが手記を残していったゲストブック。
もちろん僕も書かせてもらった。
ゲッサーという港街から、フェリーで再びドイツへ。
2時間に1本の運行、予約はしなかった。
乗り場には券売機と待合所があったが、無人。
誰もいなくてもわかるようになっていたが、もしわからないことがあっても、誰にも聞けない。
こういうところは、いかにも北欧っぽい。
チケットは、85クローネ(1461円)。
2時間の航海、これなら高いとは感じない。
シートがあり余るほどあって安心、というかこれがふつう。
シャワーこそなかったが、コンセントはあったので充電できた。
やっぱりあのポーランド~スウェーデンのフェリーはおかしかった。
しかしこのフェリー、チケットチェックされなかった。
デンマーククローネ。
穴あきコインは日本の専売特許ではない。
たしかノルウェーも穴あきコインがあったな。
Rostock, Germany
12151km