2018年4月13日

ダルハン

ウランバートルに次ぐモンゴル第二の都市、ダルハン。



広大な大地から突如現れる街にしてはビッグタウンだが、一国のナンバーツーにしてはしょんぼりしてる。



街のあちこちで転がっている巨大な鉄のパイプ、これ何でしょうね?




土地はいくらでもあるだろうに、ほとんどが団地のような集合住宅。


石投げりゃプリウスに当たるってぐらいのプリウス率。


過密都市にはとても見えないが、車の交通量はとても多く、絶え間なく流れている。
ロシアでは、横断歩道を渡ろうとすると車はピタッと止まってくれたが、モンゴルでは止まってくれない。
クラクションもボチボチ鳴る。
でも世界標準で見ればいたってジェントリーな方だ。

びっくりしたー、セブンでもファミマでもなく、こんなところにデイリー。


「Daily」の下に「YAMAZAKI」の文字はなく、「minimarket」と書かれている。

モンゴルの食には大いに期待しているのだが、この街にはローカルレストランがない。
高級そうなレストランならある。
値段が高いだけならともかく、看板に「LOUNGE」とか「PUB」とか「KARAOKE」とか書かれていて、純粋に食事目的で入れる店がまったく見当たらない。
地元民はどこで食べてるんだろう?

コリアンレストランなら2軒ほど見かけた。
アルタンブラグのレストランでもキムチが出てきたし、韓国料理が人気なのかな。

チャイニーズレストランもない。
世界中どこにでもあるチャイニーズレストラン、しかもここはお隣り。
モンゴルでは反中感情が非常に強いそうだが、その影響なのだろうか。

ショッピングモールへ。




商品の大半が輸入品。


キャンドゥ。


百均というよりは、おしゃれな小物店みたい。

モール内にフードコート発見、ようやく食える。


これこれ。


6000トゥグルグ(268円)。

モンゴル人にとっては肉こそが主食で、米とかパンは付け合わせ程度なのかもしれない。
ちなみに米はフライドライスで、ピラフみたいな感じ。
穀物や野菜はすべて輸入だろうか?

あと、モンゴル人は箸を使わないようで、フォークが出てくる。
顔つきはまぎれもなくアジア人だが、文化はアジアよりはロシア寄り。

我々と似た顔をした近所の国モンゴルについて、あまりにも知らなさすぎる。



13世紀にチンギス・ハーンによって、陸続きとしては史上最大の帝国を築き上げたモンゴル。
その後は衰退し、19世紀には清の一部となっていた。
20世紀には清への反発から独立の気運が高まり、ロシアに援助を求めるようになる。
中国が清から中華民国へ、ロシアがロシア帝国からソビエト連邦へと歴史が動く中、1924年にモンゴル人民共和国が成立。
この独立をサポートしたのがソ連であり、モンゴルはソ連型社会主義を推進した。
現在のモンゴルの文化にソ連が色濃く見られるのはこの時代の影響と思われる。
ソ連崩壊後の1992年、社会主義を撤廃して民主化し、モンゴル国と改称した。

ちなみに、中華民国はモンゴルの独立を承認しなかった。
大戦後に共産党に破れて台湾に逃げ込んだ中華民国は、今もなおモンゴルを含む中国が自国領であると主張している、という話はよく聞く。
さすがに誰もそんな話には耳を貸さないが、中華民国としてはそう主張しておかないと辻褄が合わなくなるのだろう。

滞在したホテル。


1泊35000トゥグルグ(1568円)。
どうも、モンゴルは食費は安くても宿泊費が高い。
これでも、おそらくここは他のホテルより安い。

Wi-Fiなんてなさそうに見えるけど、今やさびれたホテルでもだいたいある。
しかもけっこう安定してサクサク。
しばらく旅人休業していた間にも、世界は変化進化している。

ドアは、内側からはロックできるが、鍵がないので外出中はフリー状態。
宿のおばちゃんに「鍵は?」と聞いたら、

「鍵なんかないわよ、誰も盗りゃしないわ。」

・・・うん、まあいいか。

翌日、雪のため連泊。


外は雪でも、室内はサウナのように暑く、半裸ですごしている。
セントラルヒーティングの欠点は自分で温度調節できないことだ。
今までの宿では窓を開けて調整していたが、ここは窓が開かない。
換気扇もないので空気がこもりっぱなし。

でも、プライベートルームで一日ゆっくりできるというのはたしかにすごくリラックスできる。

前日は気づかなかったが、ケバブ屋さん発見。


ドネルケバブ5500トゥグルグ(246円)、コーラ1000トゥグルグ(44円)。


見た目以上に、ずっしりと重い。

かぶりつくと・・・うまい!!!

ケバブも世界中で食べてきたが、これはトップクラスにうまい。
肉がギッシリ詰め込まれている。
パン生地は今まで食べたことないようなサクサク感。
日本人の感覚なら2人前近くあるボリューム。

感激のあまり、追加でドネルケバブ小サイズ3500トゥグルグ(157円)とポテト2500トゥグルグ(112円)。


店員は「持ち帰り? えっ、ここで? まだ食べるの?」みたいなリアクションをしていた。
こちとら食欲じゃ負けんで。

スーパーで買ったカップラーメン。


見た目が日本っぽかったので買ってみたが、味は中国のラーメン。
薄味で臭みがあるが、これはこれで僕は好きだ。

翌日、晴れたにもかかわらず連泊。


かつてモンゴル語には、独自の文字が使われていた。


ウイグル文字から派生した文字で、もっぱら縦書き。
社会主義時代に親ソ派政権によってキリル文字に統一されて、モンゴル文字は廃れた。
復興の動きもあるようだが、実用性に欠けるのだろう。
縦書きのみでは、パソコン入力もできやしない。
現代では書道やアートなど、伝統文化の象徴として残されている。

2013年にウイグルを走行していた時にウイグル文字とは異なる縦書き文字の看板を見かけたことがあり、その謎がようやく解けた。


この看板を見たのは、中華人民共和国新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州。
といってもここにはモンゴル人はわずかしかおらず、僕は見た記憶がない。
でもこれは、モンゴル文字だったのだ。

モンゴル民族が住む地域は、外モンゴルと内モンゴルに分かれる。
中国から見て、ゴビ砂漠より外側(北側)が外モンゴル、内側(南側)が内モンゴル。
現在のモンゴル国は主に外モンゴル。
内モンゴルは主に中国領で、内モンゴル自治区となっている。
ウイグル自治区内にもモンゴルの自治州があることはあまり知られていない。





モンゴルはチベット仏教国。
社会主義時代は宗教弾圧があったため、現在見られるものは民主化以降につくられたものか。















もうひとつフードーコート発見。


写真付きメニューは本当に助かる。
店員も僕が外国人であることをすぐに察したのか、打診棒で写真を差して今つくれるものを教えてくれた。



肉を持ち上げたら、ゴツイかたまりが。


すんんんばらしい。
僕が満足するぐらいだから、相当なボリュームだ。
モンゴル人が日本に来たら、肉料理がお子様サイズに見えて失望するであろう。

飲み物はチャイを頼んだのだが、バターティーが来た。
バターティーは、茶というよりは薄いミルクに塩を加えたような味。

計8300トゥグルグ(372円)。
日本だったら1500円ぐらいとられるぞ。

広大なマーケットもあった。


その後も、ショッピングモールに行けばフードコートがあることを学んだ。


5700トゥグルグ(256円)。

ホテルの若い男性従業員が、少しだけ英語と日本語を知っているようで、話をした。
彼は日本の女優とかグラビアアイドルが大好きみたいで、いくつか名前を出されたがまるでわからなかった。
「イイトヨ マリエ」なんて見たことも聞いたこともない、一応ググってみたけど。
でも何にせよ日本に対して好意を持ってくれるのはやはりうれしいものだ。


Darkhan, Mongolia