バイカル湖最大の島であり唯一の有人島であるオリホン島へ。
オリホン島は奄美大島ほどの面積、先住民のブリヤート人が住んでいる。
本土から直線距離でわずか2.6kmだが、氷の上を歩いて湖を横断なんて初めて、緊張する。
後ろを振り返ると、本土がもう遠くに。
GPSはちゃんと機能している。
もう少し。
上陸。
港には何軒かの店があるが、すべて閉まっている。
本土の方の港町も、観光地にもかかわらずゴーストタウンに近い様子だった。
島の中ほどにあるフジルという村が中心地で、店もあるとの情報。
そこまで行ってみるつもりだったが、予想以上の悪路で、全然進まない。
たかだか30kmほどだが、このペースだと丸一日かかる。
湖に遊びに来たのに、3日かけてここまでたどり着いたのに、さらに未舗装道路の格闘で時間を費やしたくはない。
眼下は美しい入江になっており、フジルとかいう村のことなどもうどうでもよくなり、吸い込まれるように再び湖へ。
ここは波が立たないせいか、実に滑らかな湖面。
なんだろう、この色。
ああ、この世のものとは思えない。
いつもそう。
自分の直感で、自分の足で、好きな場所を見つけることができれば、それでいいのだ。
フジル周辺の有名観光地等々はもう捨てる。
ここで氷上キャンプすることに決めた。
多少風が吹いている。
当然ペグなど刺さらないので、自転車と接続して、あとは荷物と自分の体重で、飛ばされることはないだろう。
所々に水たまりがあり、そこで水を汲む。
最高透明度の湖水は沸かさなくてもそのまま飲める。
今はこのスープスパゲティがどんなごちそうよりもうまい。
世のいかなる高級ホテルよりもぜいたくな1泊。
夜、風はやみ、すばらしい静寂と星空。
水たまりはたちまち凍ってしまうので、水汲みは日が出ているうちに。
ここでもちゃんとネット接続できて、湖上のテントの中から発信できた。
(キャンプ中はスマホから簡単に発信できるSNSのみ、ブログ更新は手間がかかるので宿にいる時のみにします。)
気温はさほど低くなかったが、さすがに氷の冷気が下から伝わってきて、夜中に何度か目がさめた。
Irkutsk, Russia