2019年7月28日
アラスカハイウェイ 5
マンチョーレイク。
晴れてたらさぞかし美しかろう。
ここは北部ロッキー山脈(Northern Rockies)。
ムース。
さすがにこれだけ離れていれば逃げられることはないが、それでもこちらを警戒しているのがわかる。
目撃するのはメスばかり。
立派な角の生えたオスのムースが全然現れてくれないな。
長い雨。
強くはないがずっと降り続ける。
Toad River Lodgeでストップ。
Lodgeと名の付くところでも、サービスステーションと同様にキャンプ場やレストランやGSが併設されている。
ズブ濡れの状態でテントを張りたくなかったので、レストランでしばし時間をつぶす。
とうとう、マクドナルド以外で初めての外食。
C$17.25(1423円)。
広大な大陸だが、どこへ行ってもレストランのメニューは同じようなもん。
ハンバーガーかサンドウィッチか、こういうやつか。
決してマズくはないのだが、食文化に面白味はまったくない。
と、13年前はグチをこぼしていたが、日本のような豊富なバリエーションを持つ食文化の方が稀有だということが今はわかっている。
世界の大半の人々は、毎日同じようなものばかりを食べ続けている。
しばらくしたら雨は上がるだろうと期待していたが、いつまでたっても降り続ける。
結局、雨の中テントを張る。
テントサイトはわずかしかなく、他のサイクリストに先を越されていたので、RVサイトに張ることになった。
C$37(3053円)。
こんな不便なところで、ズブ濡れになりながら、野宿よりはマシだからというだけで、大金がすっ飛んでいく。
部屋に泊まりたい誘惑も少しあったが、C$120(9903円)、ムリムリ。
拭き取っても拭き取っても、何もかも濡れたまま。
気分は落ち込んでいたが、ここはWi-Fiはまともで、ランドリーは無料。
翌日は天気回復。
大型のブラックベアもいるはずだが、目撃するのは小物ばかり。
ワトソンレイクで買いだめした食料がどんどん尽きていく。
Tetsa River Lodgeでホームメイドのパンを買った。
C$7(577円)。
ウマイ。
ズッシリと重いし、これはリーズナブルだと思う。
トーストしてバターを塗りたくったら、さらにウマイんだろうな。
州営キャンプ場で、日本人サイクリストのタカシマさんと出会った。
アンカレッジからラスベガスへ向かっている。
退職してから自転車旅を始めたそうだが、すでにユーラシアやアフリカなどを走行している。
アラスカで出会ったアメリカ人サイクリストのマダム2人と再会した。
3人組だったはずだが、1人は途中で帰国したそうだ。
この州営キャンプ場はC$20(1649円)。
まったくお得感がないので、今後は州営キャンプ場は避けて野宿するようにしたい。
焚き火してみたが、薪も枝も雨で湿っていて火はつかなかった。
薪もキャンプ代に含まれていると書かれていたが、それなら濡れないようにしっかり管理してほしいものだ。
現在、日の出4:50、日没21:45。
夜が夜らしくなった。
北米に来て初めて、ヘッドランプを使った。
標高1000mほどの峠。
北米のカラスもデカイ。
パンを食べてたら寄ってきた。
鳴き声は日本のカラスと全然違い、人間の叫び声のような奇声を発する。
晴天、気分いい。
しかし、街まであと10kmというところで、雨。
晴れと雨の境界が道路でもはっきり。
フォートネルソンに到着。
ワトソンレイクより店が多い。
ガスを購入。
これだけアウトドアがさかんなのだから売っていて当たり前、ワトソンレイクで売ってなかったのがおかしかった。
ただ、かつてないほど高く、ホワイトホースでC$11(909円)だったのがここではC$16(1318円)もした(メーカーは違うが質的な違いはないと思われる)。
でもまあ、ホッとした。
火が使えなかったら生死にかかわる。
街へ着いたらとにかくメシ。
物価が高かろうが空腹には勝てず、晩飯はいつもより倍増。
メインを食べ終えたら、すかさずチェリーパイ1kgを一気食い。
C$7.99(658円)。
メインよりデザートの方が高くついたが、これでようやく空腹感が癒えた。
北米ではベーグルも定番、これも好物。
1個あたりC$0.75(61円)。
走行中の昼飯にはこれがいい。
食パンだとジャムやらチョコクリームなどもセットで買わなければならないが、ベーグルなら単独でいける。
食感も好きだし、中身が詰まっていてズッシリ重みもある。
トーストするとめちゃくちゃウマイのだが、トースターがあるところなんて個人宅かホステルぐらい。
ニセコーラ、2LでC$1.00(82円)。
キャンプ場は1泊C$24(1979円)。
ワトソンレイクのキャンプ場の2.4倍!
シャワーは5分でC$1(82円)。
Wi-Fiは後進国レベル、電源はランドリーでなんとか座るスペースを見つけて充電。
ネットをやるならすぐ近くのビジターセンターの方が調子いい。
なんだかこのパターン多いな。
タカシマさん、アメリカ人マダム2人組、それからアイルランド人の女性サイクリストも同じキャンプ場に来た。
あまりいいキャンプ場だとは思えなかったが、疲れがたまっていたので僕もかれらも皆連泊。
2日目は雨、いや正確には初日の夜から雨。
テントを替えたい。
フライシートの耐水性は悪くないが、グランドシートがポリエステルではなくナイロンなので、下から浸水してきてマットや寝袋が濡れる。
いくら拭き取ってもスッキリと乾かない。
このタイプは嫌いだ。
Fort Nelson, BC, Canada
25555km
2019年7月25日
アラスカハイウェイ 4
ユーコン最後の街ワトソンレイクもまた、ゆっくりのんびりすごせるようなところではなかった。
キャンプ代がC$10(823円)と安くすんだのは助かった。
ただし、シャワーはコイン式で5分につきC$1(82円)。
Wi-Fiなし。
すぐ目の前にあるビジターセンターでネットにつなげられる。
中にコンセントとUSBポート付きのカウンターがあり、ラップトップ広げてしばらく居座っても文句言われることはない。
でも節度というものがあるので、最低限の作業と調べ物だけ済ませて撤収。
本当は寝そべってダラ~っとネットやりたい。
スーパーはあるが、やはり恐ろしく物価高い。
数日分の食料と日用品を買い込んだらC$100(8234円)近く使ってしまった。
ジェリービーンズは僕にとって仙豆のようなもの。
走行中やキャンプ中の耐え難い空腹時も、これを頬張っていれば活力がみなぎる。
818gでC$7.99(657円)、これは高くても買う。
ガスがない。
カナダの店はアラスカほどアウトドア用品が充実しておらず、OD缶が売っていない。
ホワイトホースのアウトドアショップで買っておいたのだが、近頃ガスの消耗が激しくて(米を炊いているからだと思う)、頻繁に買い足さないともたない。
ワトソンレイクで買えると思っていたのだが、誤算だった。
連泊せずに走行。
ダルいアップダウンが続く。
ブリティッシュコロンビア州に入った。
かつてアメリカにもまたがっていたコロンビア地区に由来し、アメリカ領と区別するためイギリス領のコロンビア地区という意味で「ブリティッシュコロンビア」と名付けられた。
日本の2.5倍の面積、人口500万人。
ユーコンとは桁違いの人口だが、その大部分はアメリカとの国境に近い南部に集中している。
この先アラスカハイウェイは、さらにサービスが乏しくなっていく。
Iron Creekは閉業。
Contact Creekは営業しているがキャンプ場なし。
キャンプはできないのかと聞いたら、敷地内にテントを張ることを許可してくれた。
翌日は雨。
本格的に多雨地帯に入ったようだ。
西ヨーロッパと同じぐらい、この界隈のカナダ山岳地帯は毎日雨。
日本の梅雨なんかかわいく思えてくるぐらい、とにかくよく降る。
ただ、西ヨーロッパは路面上に細かい砂利が多く、雨天走行後は砂利まみれになって掃除が大変で自転車パーツの消耗も激しかったが、こっちはそうでもない。
バイソンの大群に遭遇!
意外に警戒心が強いようで、200mほど近づいただけで早速逃走モードに。
野生動物は、車が近づいても逃げないが自転車が近づくとすぐ逃げてしまう。
かれらの目には僕はクマに見えているのかもしれない。
1頭が走り出すと他も続き、大群全体が疾走。
雨の中、カメラを持ちながら僕も走る。
僕から逃げたければ森の中へ入ればいいのに、ひたすら道路に沿って走る。
この辺は長く緩やかな下りだったので、追いつくことができた。
すごいタフだな。
この巨体で、20km/h以上でしばらく走り続けた。
最後尾の数頭はバテてきたようだ。
でも僕に抜かれてもまだ走り続ける。
やがて止まった。
アメリカバイソン。
北米に生息する野生牛で、大きいものは体重1tを超す。
現地ではバッファローと呼ばれることも多いが、バッファローはアジアやアフリカに生息する水牛で、角はバイソンより長く、体毛は薄い。
おそらく、北米の人はバッファローという言葉を野生牛を指すものと解釈し、現地の野生牛であるバイソンをそう呼ぶようになったのだろう。
その後、ブラックベアを目撃したが距離が遠すぎていい写真は撮れなかった。
バイソンに比べて迫力に欠けるな。
クマは人間を襲うものだと思われがちだが、クマは「通常は」人間を襲わない。
少なくとも道路上で遭遇した場合、僕がクマに気づくより先にクマは僕の存在に気づいている。
クマも含めてたいていの野生動物は、こちらから近づくと嫌がって逃げるものだ。
クマが人間を襲うのは、そうでないパターンの時。
たとえばクマも気づかぬうちに不意に近距離で遭遇してしまった時、あるいは軽率な好奇心で接近しすぎてしまった時、また子グマに近づいたら母グマに襲われるのは言うまでもない。
野生動物にはそれぞれ、「これ以上近づいたらダメ」というゾーンがあるのだろう。
近距離でクマと遭遇してしまった場合、背中を見せて逃げてはいけない。
捕食動物というのは逃げようとするものを追う習性があるからだ。
前を見たまま、大声を出したり腕を上げたりして自分を強く大きく見せて、少しずつ後ずさりして距離をとるのがいい、と言われている。
Coal River。
僕はここCoal Riverのサービスステーションをよくおぼえている。
13年前、ここで働くブライアンという男と楽しい時間をすごした。
彼はここに住みついているようだったし、13年という月日を経て再会できたらおもしろいなと思っていた。
でも残念ながら、彼はもうここにはいなかった。
ここはもうだいぶ古びており、とてもきれいとは言えない。
水道水は濁っていて変な味がする。
Wi-Fiもない。
にもかかわらず、キャンプ代はC$22.50(1852円)と割高。
この界隈のサービスステーションは、電気が通っていないのか、あるいは十分な電力が供給されていないのか、ジェネレーターで発電している。
さすがにアフリカと違って時間制限はなく24時間使えるが、一日中ジェネレーターのエンジン音が鳴り止まない。
ガス節約のため、焚き火。
今まで、誰かと一緒にいる時に余興として焚き火することはあったが、自炊目的でひとりで火を起こしたことは一度もなかった。
やってみると、楽しい。
むしろなぜ今までやってこなかったのか。
こういう釜戸と薪が用意されているキャンプ場は多い。
せっかくこんないいものがあるわけだし、節約しない手はない。
完成!
最高。
多分味はいつもと同じなんだろうけど、気分的においしい。
2頭のバイソンと遭遇。
僕から逃げることなく、黙々と歩き続ける。
草を食べるわけでもなく、車や僕のことも意に介せず、ただただ歩く2頭。
一体どこへ向かっているのか。
何だろう。
現代に生きる草食哺乳類のはずなのに、太古から生きているかのような「恐竜感」。
この異形に呆然と見とれてしまう。
「野生」に近づき触れてみたいという軽率な好奇心。
一瞬、「これ以上近づいたら殺すよ」というサインをこの草食動物は僕に向けた。
襲いかかるグリズリーを返り討ちにして殺してしまうこともあるというバイソン。
怖かった、接近しすぎてごめんね。
間近で見たバイソン、無数の蚊につきまとわれていた。
かゆくないのかな。
しばらくして、また2頭のバイソン。
口はどこにある?
こっち見てる。
やはり車には無関心、僕の方を警戒している。
不安定な天候。
この後、激しい雷雨。
雹。
衣類やバッグは防水仕様になっているが、あまりに激しく長く降られると、少しずつ浸水してくる。
アンカレッジで買ったトレッキングシューズはまあまあの耐水性だが、この雨で完全に浸水してしまった。
Muncho Lakeで1泊。
最初に現れたMuncho Lake RV Parkは閉業。
ここに泊まるつもりだったのに。
数km南にあるNorthern Rockies Lodgeに行ってみたら、テントサイトでC$45(3705円)という聞いたことのない額を言われ却下。
すぐ近くの公営キャンプ場に行ってみたら、RVで埋め尽くされており、テント張れず。
公営キャンプ場の井戸で水を汲み(茶色く濁っていたが味は問題なかった)、湖で水浴びして、すぐ近くの荒野で野宿することにした。
この夜、また激しい雷雨。
テント浸水。
雑巾で拭き取って絞って、を繰り返した。
Toad River, BC, Canada
25352km
キャンプ代がC$10(823円)と安くすんだのは助かった。
ただし、シャワーはコイン式で5分につきC$1(82円)。
Wi-Fiなし。
すぐ目の前にあるビジターセンターでネットにつなげられる。
中にコンセントとUSBポート付きのカウンターがあり、ラップトップ広げてしばらく居座っても文句言われることはない。
でも節度というものがあるので、最低限の作業と調べ物だけ済ませて撤収。
本当は寝そべってダラ~っとネットやりたい。
スーパーはあるが、やはり恐ろしく物価高い。
数日分の食料と日用品を買い込んだらC$100(8234円)近く使ってしまった。
ジェリービーンズは僕にとって仙豆のようなもの。
走行中やキャンプ中の耐え難い空腹時も、これを頬張っていれば活力がみなぎる。
818gでC$7.99(657円)、これは高くても買う。
ガスがない。
カナダの店はアラスカほどアウトドア用品が充実しておらず、OD缶が売っていない。
ホワイトホースのアウトドアショップで買っておいたのだが、近頃ガスの消耗が激しくて(米を炊いているからだと思う)、頻繁に買い足さないともたない。
ワトソンレイクで買えると思っていたのだが、誤算だった。
連泊せずに走行。
ダルいアップダウンが続く。
ブリティッシュコロンビア州に入った。
かつてアメリカにもまたがっていたコロンビア地区に由来し、アメリカ領と区別するためイギリス領のコロンビア地区という意味で「ブリティッシュコロンビア」と名付けられた。
日本の2.5倍の面積、人口500万人。
ユーコンとは桁違いの人口だが、その大部分はアメリカとの国境に近い南部に集中している。
この先アラスカハイウェイは、さらにサービスが乏しくなっていく。
Iron Creekは閉業。
Contact Creekは営業しているがキャンプ場なし。
キャンプはできないのかと聞いたら、敷地内にテントを張ることを許可してくれた。
翌日は雨。
本格的に多雨地帯に入ったようだ。
西ヨーロッパと同じぐらい、この界隈のカナダ山岳地帯は毎日雨。
日本の梅雨なんかかわいく思えてくるぐらい、とにかくよく降る。
ただ、西ヨーロッパは路面上に細かい砂利が多く、雨天走行後は砂利まみれになって掃除が大変で自転車パーツの消耗も激しかったが、こっちはそうでもない。
バイソンの大群に遭遇!
意外に警戒心が強いようで、200mほど近づいただけで早速逃走モードに。
野生動物は、車が近づいても逃げないが自転車が近づくとすぐ逃げてしまう。
かれらの目には僕はクマに見えているのかもしれない。
1頭が走り出すと他も続き、大群全体が疾走。
雨の中、カメラを持ちながら僕も走る。
僕から逃げたければ森の中へ入ればいいのに、ひたすら道路に沿って走る。
この辺は長く緩やかな下りだったので、追いつくことができた。
すごいタフだな。
この巨体で、20km/h以上でしばらく走り続けた。
最後尾の数頭はバテてきたようだ。
でも僕に抜かれてもまだ走り続ける。
やがて止まった。
アメリカバイソン。
北米に生息する野生牛で、大きいものは体重1tを超す。
現地ではバッファローと呼ばれることも多いが、バッファローはアジアやアフリカに生息する水牛で、角はバイソンより長く、体毛は薄い。
おそらく、北米の人はバッファローという言葉を野生牛を指すものと解釈し、現地の野生牛であるバイソンをそう呼ぶようになったのだろう。
その後、ブラックベアを目撃したが距離が遠すぎていい写真は撮れなかった。
バイソンに比べて迫力に欠けるな。
クマは人間を襲うものだと思われがちだが、クマは「通常は」人間を襲わない。
少なくとも道路上で遭遇した場合、僕がクマに気づくより先にクマは僕の存在に気づいている。
クマも含めてたいていの野生動物は、こちらから近づくと嫌がって逃げるものだ。
クマが人間を襲うのは、そうでないパターンの時。
たとえばクマも気づかぬうちに不意に近距離で遭遇してしまった時、あるいは軽率な好奇心で接近しすぎてしまった時、また子グマに近づいたら母グマに襲われるのは言うまでもない。
野生動物にはそれぞれ、「これ以上近づいたらダメ」というゾーンがあるのだろう。
近距離でクマと遭遇してしまった場合、背中を見せて逃げてはいけない。
捕食動物というのは逃げようとするものを追う習性があるからだ。
前を見たまま、大声を出したり腕を上げたりして自分を強く大きく見せて、少しずつ後ずさりして距離をとるのがいい、と言われている。
Coal River。
僕はここCoal Riverのサービスステーションをよくおぼえている。
13年前、ここで働くブライアンという男と楽しい時間をすごした。
彼はここに住みついているようだったし、13年という月日を経て再会できたらおもしろいなと思っていた。
でも残念ながら、彼はもうここにはいなかった。
ここはもうだいぶ古びており、とてもきれいとは言えない。
水道水は濁っていて変な味がする。
Wi-Fiもない。
にもかかわらず、キャンプ代はC$22.50(1852円)と割高。
この界隈のサービスステーションは、電気が通っていないのか、あるいは十分な電力が供給されていないのか、ジェネレーターで発電している。
さすがにアフリカと違って時間制限はなく24時間使えるが、一日中ジェネレーターのエンジン音が鳴り止まない。
ガス節約のため、焚き火。
今まで、誰かと一緒にいる時に余興として焚き火することはあったが、自炊目的でひとりで火を起こしたことは一度もなかった。
やってみると、楽しい。
むしろなぜ今までやってこなかったのか。
こういう釜戸と薪が用意されているキャンプ場は多い。
せっかくこんないいものがあるわけだし、節約しない手はない。
完成!
最高。
多分味はいつもと同じなんだろうけど、気分的においしい。
2頭のバイソンと遭遇。
僕から逃げることなく、黙々と歩き続ける。
草を食べるわけでもなく、車や僕のことも意に介せず、ただただ歩く2頭。
一体どこへ向かっているのか。
何だろう。
現代に生きる草食哺乳類のはずなのに、太古から生きているかのような「恐竜感」。
この異形に呆然と見とれてしまう。
「野生」に近づき触れてみたいという軽率な好奇心。
一瞬、「これ以上近づいたら殺すよ」というサインをこの草食動物は僕に向けた。
襲いかかるグリズリーを返り討ちにして殺してしまうこともあるというバイソン。
怖かった、接近しすぎてごめんね。
間近で見たバイソン、無数の蚊につきまとわれていた。
かゆくないのかな。
しばらくして、また2頭のバイソン。
口はどこにある?
こっち見てる。
やはり車には無関心、僕の方を警戒している。
不安定な天候。
この後、激しい雷雨。
雹。
衣類やバッグは防水仕様になっているが、あまりに激しく長く降られると、少しずつ浸水してくる。
アンカレッジで買ったトレッキングシューズはまあまあの耐水性だが、この雨で完全に浸水してしまった。
Muncho Lakeで1泊。
最初に現れたMuncho Lake RV Parkは閉業。
ここに泊まるつもりだったのに。
数km南にあるNorthern Rockies Lodgeに行ってみたら、テントサイトでC$45(3705円)という聞いたことのない額を言われ却下。
すぐ近くの公営キャンプ場に行ってみたら、RVで埋め尽くされており、テント張れず。
公営キャンプ場の井戸で水を汲み(茶色く濁っていたが味は問題なかった)、湖で水浴びして、すぐ近くの荒野で野宿することにした。
この夜、また激しい雷雨。
テント浸水。
雑巾で拭き取って絞って、を繰り返した。
Toad River, BC, Canada
25352km